上海の子どもたちに囲まれる、セサミストリートのビッグバード(1997年3月12日)。
Xinhua/Ren Long/AP
- セサミストリートの人気キャラクター「ビッグバード」は、宇宙について子どもたちに教えるため、あと少しでスペースシャトル「チャレンジャー号」に搭乗するところだった。
- 1986年1月28日のチャレンジャー号爆発事故では、乗組員7人が犠牲となった。
- ビッグバードがチャレンジャー号に乗っていなかったのは、そのコスチュームが大き過ぎたせいだ。
セサミストリートの人気キャラクター「ビッグバード」は、1986年1月28日にスペースシャトル「チャレンジャー号」が爆発したとき、そこに乗っていたかもしれない。
なぜ乗っていなかったのか? その理由の1つは、ビッグバードのコスチュームが大き過ぎたことだ。
このセサミストリートの人気キャラクターを放送開始以来ずっと演じてきた人形使いのキャロル・スピニー(Caroll Spinney) さんは、2015年に公開された自身のビッグバードとしての半生を振り返るドキュメンタリー映画『I Am Big Bird』の中で、この宇宙飛行について語っている(編集注:なお、スピニーさんは2018年10月に引退を発表している)。
スピニーさんは2015年、ガーディアンで「NASAから一度、子どもたちに宇宙に興味を持ってもらうため、ビッグバードとして地球を周回するミッションに参加する意思はないか尋ねる手紙をもらった」と述べている。「最終的には、パペットのための十分な広さがなく、わたしは1人の教師に取って代わられた」という。
ビッグバードのコスチュームは8フィート(約2.4メートル)以上あり、単純にチャレンジャー号に乗せるには大き過ぎた。不幸にも、ビッグバードの代わりに選ばれた高校教師でペイロード・スペシャリストのクリスタ・マコーリフ(Christa McAuliffe)さんは、他の6人の乗組員とともに爆発事故で命を落とした。
NBCニュースは2014年、NASAがセサミストリートのキャラクターを宇宙に送ることを1つの案として検討していたことを認めたと報じた。
声明文の中でNASAは「1984年、NASAはスペースシャトルの乗組員として、人間の宇宙旅行体験にユニークな視点をもたらしてくれる教師やジャーナリスト、アーティストやその他の人を選ぶ、スペース・フライト・パティシパント・プログラム(Space Flight Participant Program)を作った」と述べ、「過去の文書を見返したところ、チャレンジャー号のフライトにセサミストリートが参加する可能性について、先方に打診していたことが分かった」としている。
ビッグバードとして宇宙に行くことはなかったが、スピニーさんは今でも爆発したチャレンジャー号に特別なつながりを感じている。
「打ち上げの日、わたしたちはセサミストリートの収録をしていて、スタッフが『もうすぐテイクオフするから、セットのモニターでその放送を見よう』と言ったんだ」とスピニーさんは2014年、CBCニュースに語った。「それでわたしたちは仕事の手を止めてモニターを見ていた。爆発を見たときは、恐怖で頭に鳥肌が立った」という。
[原文:Big Bird almost rode the Challenger space shuttle, but his costume saved him]
(翻訳、編集:山口佳美)