写真左から、auの新CMに登場する、中川大志さん、松本穂香さん、同CM内の楽曲を提供する音楽グループ・ヤバイTシャツ屋さんのメンバー3人。
KDDIは1月29日、auの4G LTEスマートフォンを購入したユーザーを対象に定額音楽配信サービス「Apple Music」の利用権6カ月分を付与すると発表した。
キャンペーン開始日は1月30日だが、対象となるのは2018年12月1日以降にスマートフォンを購入したユーザー。終了時期は未定。購入機種はiPhoneに限らず、各種Androidスマートフォンも対象となる。
KDDIは「通信とライフデザインの融合」を掲げており、2018年5月29日に発表したネットフリックスのバンドルプランなど、多彩なサービスを展開しており、今回のApple Music付与もその一環となる。
Apple Music施策は国内ではKDDIが独占
Apple Musicは日本でも展開されている月額制の音楽配信サービス。iPhone/iPadなどのApple製品はもちろん、Androidでもアプリをダウンロードすれば利用できる。
Apple Musicはアップルが提供する定額音楽配信サービスで、洋楽・邦楽を含む約5000万曲もの楽曲を配信している。通常では学生は月額480円、通常の個人は月額980円、ファミリー向け(家族6人でシェア)には月額1480円(いずれも税込)で提供されている。今回KDDIが付与するのは個人向けプランとなるため、利用者からすると、最大5880円分トクになるキャンペーンと言える。
キャンペーンの対象となるには、前述のように期間中に同社の4G LTEスマートフォンを購入し(機種変更、新規契約、MNPを含む)、auショップもしくはau取扱店、オンラインショップなどでApple Musicを契約する必要がある。
今回の特典を受け取る方法は、非常にシンプル。
ユーザーが従来からApple Musicを使っている場合は、KDDI経由で契約する際にアラートが表示され、一旦既存プランの解約が促される仕組みだ。
Apple Music利用権の付与は、対象のユーザーに対しSMSが送られ、そこに記載されたアクティベーションコードを専用ページで入力し、自身のApple IDにも、ひもづけることで完了する。2月中旬以降であれば、iPhoneユーザーはMusicアプリを起動するだけで今回の特典が有効化される。
写真左から発表会に登壇したApple Music代表の服部浩氏、KDDI コンシューマ事業企画本部 コンシューママーケティング1部長の松田浩路氏。
なお、発表会に登壇したKDDIのコンシューマ事業企画本部 コンシューママーケティング1部長の松田浩路氏は、「今回のような取り組みは国内初であり、エクスクルーシブ(exclusive)」と話しており、KDDIの独占的な施策であることが明らかになっている。
KDDIとしては単にApple Musicのアクティベーションコードを配布する、という単純な話ではなく、システムレベルから開発した“肝いりの施策”であるということだろう。
計2回の終了通知は他のサービスにも展開して欲しい
着うたフルやLISMOなどで3G時代の音楽サービスを展開してきたKDDIだが、松田氏はApple Musicに対し「音楽に対する姿勢をリスペクトしている」と語る。
細かいことではあるが、今回の施策で記者自身が1番気になったのは「SMSでの終了通知」が届く点だ。
今回の特典を適用した場合、ユーザーには無料期間が終了する1カ月前に1回、7日前にもう1回、と計2回の終了通知がSMSで届く。
キャリアのオプションサービスは「30日間無料体験」などといった仕組みをとっている場合が多く手軽に入れる反面、実際はあまり使わずそのまま契約が自動更新されてしまい、課金され続けるというケースがある。
今回の終了通知の仕組みについて、KDDI広報部は「ユーザーの利便性を考慮した結果」と話しているが、他のオプションについても適用する予定は「具体的な予定はないが、お客様のご要望や反響に応じて、より安心してご利用いただけるように検討していく」と話している。
無駄なオプションの存在は、ユーザー単価を上げる意味では有効な施策だが、ユーザーフレンドリーでは全くない。Apple Musicと生まれたこの取り組みが一般化する未来に期待したい。
(文、撮影・小林優多郎)