LINE PayはVisaとの提携を発表した。
LINEは1月29日、Visaと連携し新しいクレジットカード「LINE Pay Visaクレジットカード」(仮称)を2019年内に発行すると発表した。
LINE Pay Visaクレジットカードの主な特徴は以下の4点。
- ショッピング利用に対し、初年度は3%のLINEポイントを付与(1ポイント=1円相当)
- 支払いと同時にLINEで決済通知を受け取れる
- LINE Pay コード支払いの支払先として登録できる
- Visaのタッチ決済機能を持つ
ユーザーにとって最も魅力的に見えるのが、初年度限定とはいえ「3%還元」という高いポイント還元率だろう。現在の一般的なクレジットカードの還元率は1%前後。LINEが同社のプリペイドカード「LINE Payカード」で以前提供していたキャンペーンでも還元率は2%だった。
また、LINE PayカードやLINE Payの他の支払い方法と同じく、LINE Pay Visaクレジットカードでは支払い後すぐに決済通知を受け取ることができる。同社はリリースで「従来のクレジットカードにおける“お金を支払ったと感じにくい”心配もなくなる」としている。
なお、LINE Pay広報によると、翌年度以降のポイント還元率やLINE Pay全体のポイントアップ制度「マイカラー」との関連性などの詳細は未定。今後、詳細を明らかにしていくとしている。
LINE Pay Visaクレカ限定でコード支払い可能に
LINE Payのコード支払いは現状LINE Pay残高の利用に限定されている。
隠れたメリットになるのが、「LINE Payコード支払い」のクレジットカードとして使用できる点だ。
LINE Payには現在、「LINE Payカード(JCB)」「QUICPay/QUICPay+」「コード支払い」「請求書払い」「ネット決済」など多様な支払い方法が用意されているが、(一部のネット決済店舗を除き)ほとんどの場合、LINEポイントもしくは銀行口座などからチャージできる「LINE Pay残高」を通じて決済が行われる仕組みだ。
対して、コード支払いを提供する競合のPayPayやOrigami、楽天ペイなどでは、各サービスに紐づけたクレジットカードで決済することができる。
LINE Pay広報によると、今後LINE Payもコード支払いにおいてクレジットカードでの決済が解禁となるが、「利用できるのはLINE Pay Visaクレジットカードのみの予定」と話している。
Visaとの取り組みは東京2020を見据えて?
2019年の平昌オリンピック 江陵会場内にあったオフィシャルショップ。使えるクレジットカードはVisaのみ。
LINE Payは今まで、プリペイドカードやQUICPayなどの取り組みからJCBと距離の近い関係を築いていた。今回、同社がVisaと組んだ理由は明らかになっていないが、その理由の1つに2020年の東京オリンピックがあると想像できる。
オリンピックは通例として、各分野のスポンサーが、会場などの施設やサービスを独占的に提供する。決済分野については、Visaは1986年からワールドワイドオリンピックパートナーを務めてきた。2018年に韓国で行われた平昌オリンピックでは、会場内の飲食店やお土産屋などのキャッシュレス決済は、Visaのクレジットカードもしくは非接触決済に限られていた。
当然、東京オリンピックでもこの取り組みは継続されるだろう。LINE Payは現在加盟店開拓を進めているが、いざオリンピックが始まってしまうと最もお金がやりとりされるであろう会場内は蚊帳の外といった具合になりかねない。
今回、Visaブランドのクレジットカードを発行することで、決済の場においてもLINEサービスの利用が可能になるというわけだ。
(文、撮影・小林優多郎)