「心まで軽く」がキャッチフレーズのLG gram。新製品の17インチモデルは「世界最軽量の17インチノートPC」としてギネスワールドレコーズにも登録されている。
LGエレクトロニクスは1月30日、同社のノートPC製品「LG gram」シリーズ新製品の日本発売を発表した。新製品はアメリカ・ラスベガスで1月に行われたCES2019で発表されていたが、日本に上陸する機種は4サイズ11モデル。2月15日より順次、実店舗およびネットの量販店などで発売予定だ。
LG gramの2019年モデル価格表。
作成:Business Insider Japan
軽さ・長時間駆動・堅牢性を両立
日本上陸当初にうたっていた軽さに加え、現在は長時間駆動のバッテリーなども特徴の1つとなっている。
LG gramは本体の軽さだけではなく、軽さとのバランスをとりながら実装された長時間駆動バッテリーや堅牢性が主な特徴となっている。
実際、2019年モデルは13.3インチ、14インチ、15.6インチ、17インチの4つの画面サイズのモデルを用意。小さいサイズから重量は、約965g、約995g、約1099g(タッチ対応液晶モデルは約1109g)、約1340gとなっており、14インチモデルでも1kg未満というのは驚きの軽さと言える。
バッテリー駆動時間(JEITA Ver2.0準拠の公称値)も小さいサイズのモデルから、約28時間、約27時間、約24時間(タッチ対応液晶モデルは約20時間)、約22時間と非常に長い駆動時間を実現している。
なお、ディスプレイ解像度は、17インチモデルで2560×1600ドット(WQXGA)、15インチモデルから下はすべて1920×1080ドット(フルHD)となっている。
閉じた状態であれば、例えバイクにひいてしまっても……
問題なくWindowsが起動している。
堅牢性に関してはいずれのモデルも、アメリカ国防総省制定のMIL規格に準拠したテストを通過。独自のテストにはなるものの、その頑丈さはPCを閉じた状態で大人の乗ったミニバイクで踏んだとしても大きなダメージなく起動するレベルだ。
17インチの「モバイルデスクトップ」
写真左からLG gramの15インチモデル、17インチモデル。
同社のマーケティングチーム次長を務める森斗志也氏によると、現在までの売れ筋モデルはやはり最軽量の13.3インチモデルとのことだが、同社は2019年モデルとして新たに17インチをラインナップに加えた。
17インチモデルは、他の画面サイズのモデルと同じく、同社グループのLGディスプレー製のIPS液晶を利用し、狭額縁な正面デザインを採用しているが、見た目のインパクトはかなり大きい。
しかし、前述のように重量は約1340g、厚さも約17.4mmとなっており、十分に持ち運べるノートPCに仕上がっている。
片手で17インチモデルのLG gramを持ってみた。この状態をずっとと言われると厳しいが、片手で持つことも不可能ではなく、PCバッグで十分に持ち運べるレベルの重さだ。
LGエレクトロニクス マーケティングチーム 次長を務める森斗志也氏。
同社は出先でも大画面を活かした作業の生産性を求めるビジネスマンやメディアプロシューマー、持ち運ばないものの複数での画面閲覧をする家庭用PCとしてのユースケースを想定している。
森氏は「現在の市場で、同じ画面サイズの競合機種はゲーミングモデルのみ」と語っており、ゲーミングノートPCでは実現できない軽量さとバッテリーのもち、堅牢性、そして大画面の要素を売りとして市場に展開していく方針だ。
PC日本展開4年目のLGはPC需要の波に乗れるか
事前に行われた製品説明会では、子どものPC利用を彷彿とさせるような展示もあった。
LGエレクトロニクスは2016年より国内で販売を続けているが、売れ行きに関しては「まだ具体的な数字が出せるような状況ではない」としつつも、「販売台数は年々増加している」と森氏は語る。
2019年も昨年までと引き続き、各販路にて認知度・ブランド力の向上に務めていく方針。製品のレパートリーも増えてきたことで、森氏は「法人向けにも今後、さまざまな提案を行っていきたい」と意欲を見せている。
2020年1月14日に迫ったWindows 7サポート終了まで、PC業界各社(とくに法人向け営業)は端末の買い換え需要が高まっている。また、個人向けにおいても、2020年度から始まるプログラミング教育の必修化が影響し、家庭におけるPC需要も増加傾向にあるとPCメーカー各社は見ている。LGエレクトロニクスもこうした流れをうまくとらえて市場に食い込みたい、ということだろう。
(文、撮影・小林優多郎)