「創造力を殺してしまう」H&Mの北米トップが語った、大規模セールからの脱却を目指す理由

H&M

Business Insider/Mary Hanbury

  • H&Mは近年、頻繁に値引きセールを行うことで知られてきた。
  • しかし、H&Mの北米事業のトップに新たに就任したマルティノ・ペッシーナ(Martino Pessina)氏によると、2019年は店舗、オンラインショップともに値引きセールが減ることになりそうだ。
  • ペッシーナ氏は「値引きは創造力を殺す」と言い、長期的に続けられるものではないと話している。

H&Mから"クリアランス"の売り場が減ることに備えよう。

H&Mの北米事業のトップ、マルティノ・ペッシーナ氏は、Business Insiderのインタビューで、2019年は大幅値引きの規模をすでに縮小していて、引き続き縮小していくと語った。

「これは我々のビジネスの考えとは一致していない」

ペッシーナ氏は言う。「値引きは創造力を殺してしまう。手っ取り早くて、素晴らしい手法だ。年々規模が大きくなって、気付けば値引きセールの計画しかしていないようになる」

同氏は値引きセールを甘いものへの依存に例え、消費者にとってはセールは捨てがたいだろうが、H&Mはその利益率とブランド・イメージを守るため、セールの規模を縮小していくと語った。

在庫を減らす

残った在庫は、最も値引きセールに回されがちだ。H&Mが2018年に取り組んできた主な課題の1つでもある。

2018年3月には、43億ドル(約4680億円)相当の在庫があまっていることを公表した。

H&MのCEO、カール・ヨハン・パーソン(Karl-Johan Persson)氏は当時、投資家向けのメモの中で、第4四半期の売り上げの低迷が「結果的に第1四半期のクリアランス・セールにつながった」と述べた。

広報担当者は2018年4月、Business Insiderに対し、売れ残りの在庫は主に新しい春物と夏物のアイテムであり、季節外れの寒さによって出遅れていると語った。あとは「季節を選ばない」アイテムで、「1年を通じて売れる」ものだと言った。

「在庫には出荷を待つ多くの新商品が含まれていて、配送センターや補充センターにある。実際、店舗にあるのはごく一部だ」と、同社は加えた。

しかし、アナリストたちは、H&Mのファッションとサプライチェーンにも課題があると指摘する。ASOSやBoohooといったオンラインストアに比べるとH&Mは遅いという。

H&Mは向こう1年、在庫をうまく調整し、トレンドの先駆けであり続けることに集中する。これは大幅値引きのリスクを抑えることを意味する。

2018年12月に発表されたH&Mの直近の四半期決算によると、同社は約39億ドルの売れ残りを抱えている。ペッシーナ氏によると、その多くは新たな在庫だという。

「本当に古い在庫? それはもうない」と、同氏はBusiness Insiderに語った。

ペッシーナ氏は、店舗のセール品の棚に今、陳列されているものの90%は、昨秋のコレクションの売れ残りで、同社は最適な在庫レベルから約6~12カ月離れているという。今後は、RFID技術を全世界で導入することで、リアルタイムの在庫状況をより正確に把握できるようになるだろう。

同社は現在、人工知能(AI)を使って、どうやってファッション・トレンドを予想し、サプライチェーンのスピードアップを図るか、模索している。

「我々は、商品開発と商品供給の両方に多くの努力を注いでいる」と、ペッシーナ氏は言う。サプライチェーンは、トレンドを取り入れることと同じくらい重要だ。

「何かを見つけても、それを店に出すのが遅ければ、意味がなくなってしまうこともある」

[原文:H&M is on a mission to make customers pay full price]

(翻訳、編集:山口佳美)

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