アップルの四半期決算で分かった最も重要なこと

アップルCEO、ティム・クック

VCG/VCG via Getty Images

  • アップルは1月29日(現地時間)、第1四半期決算を発表。
  • 新たな数字から、サービス部門の利益率の高さが明らかになった。
  • アップルのデバイスベースのアクティブユーザー数は14億、2018年から1億増となった。

アップルは1月はじめ、第1四半期の業績予想を下方修正したが、1月23日(現地時間)、10-12月期(第1四半期)の決算報告の後の電話会議で、業績および経済の広範な見通しについて、数多くの重要なアップデートと詳細を発表した。

中国での消費者需要の状況から、ストリーミングメディアの成長まで、同社の事業はその内容も、マーケットトも幅広い。ティム・クックCEOはアナリストとの電話会議で、こうした多くのトピックスについて重要な見通しを示した。

投資家とアナリストがこれらの新しい情報をどのように受け取るかは、そのスタンス次第。強気、弱気、どちらにも受け取ることができる。

第1四半期の決算で明らかになった最も重要なことを見ていこう。

アップルは中国で本当に苦戦している。

アップルは中国で本当に苦戦している

AP

アップルが中国で厳しい状況にあることは、我々はすでに知っている ── ティム・クックCEOは1月はじめ、投資家向けレターで現在のアップルの問題の大部分は中国にあると述べた ── だが、我々はその範囲は知らなかった。

第1四半期、アップルの大中華圏における売上高は132億ドル。前年同期から48億ドル、27%減少した。

クックCEOは、中国では3つの主要製品ライン(iPhone、Mac、iPad)の売り上げが下降しているとすでに語っていた。

明るい点として、クックCEOは第1四半期、中国でのアップルのウエアラブル製品の売り上げは50%増となったと語った。また中国でのユーザー数は増えているとクックCEOは語った。

「第1四半期にMacやiPadを購入した中国の顧客の3分の2以上は、初めてアップル製品を購入した人たち」

アップルの中国での苦戦はサービス部門に広がった。

アップルの中国での苦戦はサービス事業に広がった。

Reuters

アップルは将来の希望をサービス部門に置いている。App Storeでの手数料収入、iCloudの利用料などだ。

サービス部門の売り上げの大部分はApp Storeの手数料収入が占め、手数料収入の大部分は中国でのゲーム販売からの収入が占めている。

アップルにとって残念なことに、中国当局は昨年春、新しいゲームの承認をストップした。そのためApp Storeの売り上げ、そしてサービス部門の売り上げは減少した。

「我々は新しいゲームの承認に関する問題は一時的なものだと信じている。だが明らかに今、我々のビジネスに影響を与えている」とルカ・マエストリCFOは電話会議で述べた。

第1四半期、サービス部門の売上高は前年同期比19%増となったが、最近の四半期で見ると低い成長に留まった。

問題のある国は中国だけではない。

問題のある国は中国だけではない。

Murad Sezer/Reuters

電話会議でクックCEOは、アップルは新興市場各国でさまざまな問題を抱えていると語った。各国の通貨に対してドルが高く、iPhoneがより高価な製品になっているためだ。

特にクックCEOはトルコを例にあげた。

トルコ・リラは第1四半期、前年同期比でドルに対して33%下落。アップルのトルコでの売上高は前年同期比で7億ドル近く減少したと同氏は述べた。

だがアップルは先進国でも苦戦している。日本では、キャリアが端末の購入補助金を減らしたことの影響を受けた。

第1四半期、日本でのアップルの売上高は前年同期比で5%減少し、69億ドルとなった。

ユーザーの買い替えサイクルは長くなっている。

ユーザーの買い替え期間は長くなっている。

Getty

「顧客は古いiPhoneを以前よりも少し長く使うようになっている」とクックCEOは語った。

クックCEOは、買い替えサイクルがどれくらい長くなったのか具体的な数値は明らかにしなかった。だがその言葉は、アップルのメイン事業の変化について十分認識していることを示した。

最近、Business InsiderがSurveyMonkeyを使って行った調査では、アメリカのiPhoneオーナーの3人に1人が新型iPhoneに買い換えていない。価格が上がったことや新しい機能が魅力的なものに見えないことがその理由だ。

アップルは、iPhoneを取り巻く問題は第2四半期も続くと考えている。

アップルは、iPhoneを取り巻く問題は第2四半期も続くと考えている。

iFixit

iPhoneの売上高は、ユーザーの買い替え需要の減速により、前年同期比で15%減少した。クックCEOは複数の要因を上げた。

  • ドル高による新興市場でのiPhone価格の上昇
  • キャリアの購入補助金の減少による、iPhoneの実質購入コストの上昇
  • バッテリー交換プログラムにより、ユーザーはバッテリーを安価に交換でき、結果として古いiPhoneを長く使うことを促進したこと

こうした要因によって、第2四半期も売上減少は続くと考えているとクックCEOは述べた。

アップルは第2四半期、前年同期比で最大60億ドル、約10%売り上げが減少すると予測している。

アップルの他の事業はうまく行っている。

アップルの他の事業はうまく行っている。

Apple

2018年10月に発表した新しいMac製品は、大きな売り上げにつながった。第1四半期、Mac製品の売上高は74億ドルに達した。

アップルは、ウエアラブル/ホーム/アクセサリーも記録的な売上高になったと述べた。Apple WatchとAirPodの売り上げが急成長したことにより、このカテゴリーの売上高は25%伸び、73億ドルとなった。

アップルのサービス部門は明暗半ば。

アップルのサービス事業は明暗半ば

AP

先に述べたように、アップルのサービス部門の売上高は第1四半期、前年同期比19%増となった。これは直前の第4四半期から17%増、しかし2018年前半の伸びはもっと大きかった。

さらに中国でのゲームアプリの売り上げのみならず、サービス部門はドル高の影響も受けた。複数のマーケットでアップルの各種サービスの現地価格が上昇したためだ。

AppleCareの売り上げの伸びも減速したとルカ・マエストリCFOは語った。さらに会計上の変更によって、サービス部門の成長はこれまでよりも小さくなった。

明るい点では、サービス部門の利益率の高さがあげられた。アップルは四半期決算において、初めてこのことを明らかにした。

第1四半期、サービス部門の売上総利益率は63%。前年同期の58%から上昇した。

アップルのユーザー数は巨大、かつ増え続けている。

アップルのユーザー数は巨大、かつ増え続けている。

Carl Court/Getty Images

アップル自身も認識しているように、同社のサービス部門の未来における極めて重要な要因は、ユーザー数が伸び続けていることだ。

同社は今回初めて、iPhoneの「インストールベース」を明らかにした。iPhoneのアクティブユーザー数は現在、9億を超える。

前年より7500万の増加で、同社がセグメント分けしている全世界5つのエリアすべてで増加したとアップルは語った。

MacとiPadのユーザーを含めると、アップルのアクティブユーザー数は14億。2018年はじめから1億増となった。

アップルの音楽配信サービスは成長している。だがApple Newsの規模はまだ比較的小さい。

アップルの音楽配信サービスは成長している。だがApple Newsの規模はまだ比較的小さい。

Clemens Bilan/Getty Images for MCM & Beats

Apple Musicの有料顧客は直前期から1000万人増え、現在5000万人とクックCEOは語った。スポティファイの有料顧客8700万人にはまだ及ばないが、着実に成長している。

Apple Newsのアクティブユーザーは約8500万人。3カ国のみでの展開であることを考えれば悪い数字ではないが、グーグルやフェイスブックといった無料サービスと比べると、まだ規模は小さい。

サービス部門全体では、有料顧客は3億6000万人。前年同期より1億2000万人増とマエストリCFOは述べた。2020年には5億人を超えると思われると同氏は付け加えた。


[原文:The most important things we learned from Apple's earnings call

(翻訳、編集:増田隆幸)

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