記録的な寒波に耐えながら通勤する女性。オハイオ州シンシナティ。2019年1月30日。
John Minchillo/AP
- ミネソタ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、イリノイ州の都市では、極渦による記録的な寒波が続いている。
- 当局は外出を避けるよう警告、凍傷や低体温症を数分で引き起こす危険性があつためだ。
- マイナス54℃の体感気温を記録したところもあった。Weather Channelによると、南極大陸より寒い。
極渦(北極上空を循環する冷たい空気の輪)の南下による記録的な寒波が続くなか、アメリカ中西部の多くのSNSユーザーが「南極」を天気アプリに追加登録した。以下のような画像を投稿するためだ。
ミネアポリス -24℃、マディソン -22℃、シカゴ -19℃、南極 -11℃。
The Weather Channel
この画像は、アメリカ中西部の気温が南極大陸より低いことの証拠。
だがおそらく、この数字よりも衝撃的なのは、記録的な寒さを経験している各地から投稿される画像。
ミシガン湖は、まるで映画『デイ・アフター・トゥモロー』のワンシーンのようだ。シカゴでは、列車を走らせるために作業員が凍った線路の横で、灯油に浸したロープに火をつけた。
極渦が地上に及ぼしている様子を見てみよう。
ミシガン湖は凍結し始めた。気温は極めて低く、湖の一部は完全に凍った。
凍結したミシガン湖の岸辺。2019年1月30日の夜明け前。
Kiichiro Sato/AP
凍結したミシガン湖の岸辺。
ミシガン湖。2019年1月29日。
Pinar IStke/Reuters
中西部全域で学校や大学の閉鎖、フライトのキャンセル、郵便配達の中断などが相次いだ。
ミシガン湖。2019年1月30日。
Kiichiro Sato/AP
ところどころ、妙な形で凍っている。
ミシガン湖。2019年1月30日。
Kiichiro Sato/AP
ミシガン湖には霧が発生した。蒸気霧と呼ばれる海霧の一種で、冷たい空気が温かい水面の上に流れ込んだ時に発生する。
凍結した湖面と霧の中に立つ灯台。
Kiichiro Sato
シカゴの体感気温は1月30日朝、マイナス48℃に達した。
霧が立ち上るミシガン湖。2019年1月30日。シカゴ。
Kiichiro Sato/AP
岸辺の係留柱も氷に覆われた。
ミシガン湖。2019年1月30日。シカゴ。
Kiichiro Sato/AP
当局が「命を脅かす」気温と警告したにもかかわらず、写真を撮りに出かけた人もいた。
凍ったミシガン湖で写真を撮る人。2019年1月30日。
Kiichiro Sato/AP
街を流れるシカゴ川には流氷が浮かんだ。
シカゴ川の写真をとる人。2019年1月29日。
Pinar Istek/Reuters
アメリカ国立気象局によると、この寒さだと数分で凍傷になる。だが寒さもシカゴの人を止めることはできない。
氷が浮かぶシカゴ川にかかる橋を渡る人。2019年1月28日。
Rich Hein/Chicago Sun-Times via AP
シカゴの2つの空港、シカゴ・オヘア国際空港とシカゴ・ミッドウェー国際空港で合わせて1700便以上のフライトがキャンセルされた。
シカゴ・オヘア国際空港で旅客機の除氷作業を行う作業員。
AP Photo/Noreen Nasir
通勤列車を動かすことも大変な作業。
列車についた氷を取り除くメトラ通勤鉄道の作業員。2019年1月29日。シカゴ。
Kiichiro Sato/AP
列車を動かすために作業員は非常手段を取った。凍ったレールのそばで火を燃やした。
ガス燃焼式の分岐器ヒーターが分岐器を氷や雪から守る。シカゴの中心部に向かうメトラ通勤鉄道の列車。2019年1月29日。
Kiichiro Sato/AP
レールが寒さで縮むと、線路に不具合が生まれる。火で暖めて、線路を守る。
Kiichiro Sato/AP
ミネソタ州の寒波はおそらく全米で最悪。
ミネソタ州ミネアポリス。2019年1月29日。
REUTERS/Eric Miller
29日朝の体感気温はマイナス54℃。
ミネソタ州ミネアポリス。2019年1月29日。
REUTERS/Eric Miller
ハイウェイでは交通事故も。
横転した大型トレーラー。2019年1月28日。ミネソタ州ロチェスター周辺。
Joe Ahlquist/The Rochester Post-Bulletin via AP
近くのウィスコンシン州はやや温かい。夜間の最低気温はマイナス35℃。
晴天のウィスコンシン州ハドソン。
Courtesy of Kathy and Jim Harrington
凍るような寒さでも、いつもと同じように自転車で通勤する人もいた。
厳寒の中、自転車で通勤する人。2019年1月29日。ウィスコンシン州マディソン。
Lauren Justice for The Washington Post/Getty
30日朝、ミシガン湖の港の手すりには、つららができた。ウィスコンシン州ポートワシントンの体感気温はマイナス46℃だった。
1月30日、ウィスコンシン州ポートワシントンの気温はマイナス30℃、体感気温はマイナス46℃だった。
Jeffrey Phelps/AP
寒波の原因は極渦 ── 北極上空を循環する冷たい空気の輪。
日の出。ウィスコンシン州ポートワシントン。2019年1月30日。
Jeffrey Phelps/AP
冬の間、時々、極渦がアメリカやカナダまで南下する。
鳥も寒さに耐える。ウィスコンシン州ポートワシントン。2019年1月30日。
Jeffrey Phelps/AP
アメリカ国立気象局によると、極渦は少なくとも2月1日まで、危険なほどの低温をもたらし続ける。
港の近くに作られた雪だるま。ウィスコンシン州ポートワシントン。2019年1月30日。
Jeffrey Phelps/AP
[原文:The Midwest is colder than Antarctica thanks to the polar vortex — here's what it looks like]
(翻訳、編集:増田隆幸)