こんまりインタビュー「ただただ驚き」 Netflixと30カ国で大ブレイクの理由

Netflix(ネットフリックス)の番組をきっかけに世界中で注目されている「こんまり」こと近藤麻理恵さん。ブレイク後、家庭用品やおもちゃなど幅広い業界から舞い込んだビジネスのオファーはなんと100件以上。

2016年にアメリカに移住してから世界30カ国で続けてきた活動と、現在の心境をBusiness Insider Japanに語った。

日米で片づけの悩みは同じ

近藤麻理恵

世界中でブレイクしている近藤麻理恵さんが2月1日、Business Insider Japanのインタビューに答えた。

提供:KonMari Media, Inc.

近藤さんは現在の状況を「率直に言うと、ただただ驚いています」と話す。

ネットフリックスのオリジナル番組「KonMari 〜人生がときめく片づけの魔法〜」は2019年1月1日の放送開始以降、世界中で人気に。近藤さんのもとには番組の感想や片づけの悩み、そして近藤さんのように「片づけを仕事にしたい」という相談が数多く寄せられているそうだ。

近藤さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』は2014年にアメリカで出版されベストセラーに。ネットフリックスの番組は近藤さんの著書を読んだアメリカの映像製作会社からのオファーを受けてできた企画だったという。

家族

近藤さんの番組は実際のアメリカを家庭を訪問して、片づける方法を見つけていく(写真はイメージです)

shutterstock/fizkes

番組では近藤さんがアメリカの家庭を訪問し、それぞれの事情に合わせた片づけの方法をコンサルティングしていく。片づけのテクニックはもちろん、夫婦の家事分担のモヤモヤや、夫を亡くした女性が悲しみを乗り越えていく過程などがドキュメンタリーチックに描かれている。

番組内で紹介している片づけ法は「日本にいたときと変わっていない」(近藤さん)そう。

「家が狭い日本の方が、より日常的に片づけを意識していると思います。日本は本屋さんに片づけのコーナーがあり雑誌の特集が組まれることも多いですが、アメリカではあまり見ませんね。家が広いのでそれなりに整頓できるからでしょう。

でも実際に片づけを始めると『物が多くて……』など日本人と同じ悩みを抱えている人がほとんどです」(近藤さん)

一方で、日米で片づけの意識に違いがある部分もある。

これまでの番組とは「決定的に違う」こと

konmari7

いつもポジティブな近藤さん。どれだけ部屋が雑然としていても「散らかっているのが好きなんです」と言う。

出典:ネットフリックス番組ページ

近藤さんの片づけは物を一つずつ手に取って「ときめく=スパークジョイする」物だけを家に残すのが基本だ。

そしてときめかない物も必ず「ありがとう」と感謝をして手放す。

「物に感謝しましょうと言うと日本はすんなりと受け入れる方が多いですが、アメリカでは『それはどうして?』と聞かれることも。物にも心があるような価値観は日本独自のものだったのだとアメリカに来て分かりました。でもアメリカの方も説明するとすぐ理解してくださります」(近藤さん)

番組では、9カ月前に夫を亡くした女性の片づけにも密着している。

「(夫との)思い出はキープしたい」という女性を近藤さんは、

「そこはすごく大事にしていきたいと思います」「あなたは一人じゃない。家と物はあなたを応援しているわ

と励ます。

キッチン

「物にも心がある」という考え方も、説明すればアメリカ人にも受け入れられるという(写真はイメージです)。

shutterstock/Africa Studio

時に涙を流しながら「1人で判断することが苦手」だと話していたこの女性は、片づけを始めて約2カ月後には夫の物を整理し、「私がときめきを感じる物を探す。誰にも相談しないのも楽しんでる、人生再スタートよ。今回の片づけはセラピーだったわ」と笑う。

近藤さんによると女性のように「セラピーのようだった」「片づけをしたら考え方までスッキリした」という感想を抱く人は、日米問わずとても多いのだという。

「私の片づけでは自分で感じる、判断することを何より大切にしています。

なので、ビフォーアフター系の番組は本人は何もせずプロの方が行うことが多いですが、ネットフリックスの私の番組はすべてをご本人にやっていただいてます。片づけを通じて自身を見つめ直す過程をお見せしているという感じです」(近藤さん)

ビジネス依頼は100件以上、世界30カ国で活躍

近藤麻理恵

近藤さんと子どもたち。二女はアメリカで出産したという。

提供:KonMari Media, Inc.

近藤さんは2015年にアメリカで会社を設立し、2016年には夫や当時1歳だった娘と共にアメリカに移住した。

移住する直前には、海外での仕事量が日本と同じくらいにまで増えていました。アメリカでの仕事や子育てに不安がなかったわけではありませんが、興味を持っていただいている場所に行くのが一番いいかなと。目の前にやるべきことがたくさんあったので」(近藤さん)

講演や、日本でも行っているような「ときめき片づけコンサルタント」の育成など精力的に活動してきた。

現在、世界30カ国で約300人のコンサルタントが活躍しているという。

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クローゼット

家が片づかないという悩みは国境を超えて同じだという(写真はイメージです)。

shutterstock/varandah

アメリカの会社は主に近藤さんの夫の川原卓巳さんがマネジメントしており、現在社員は10人が所属している。ネットフリックスの番組開始以降、家庭用品やおもちゃ、掃除関係など「日常生活で目にするような物すべての業界から、ビジネスのことでお声掛けいただいています」(川原さん)。そのほとんどが海外企業からで、100件にものぼるそうだ。

片づけで物を手放したい人たちが増えたことで、ニューヨークの大手リサイクルショップで一時的に受け取りができなくなったり、ロサンゼルスのチャリティーショップに商品を出す車の渋滞が1時間になったなどの報道もあったという。

『世界を片づけたい』という近藤の思いが私たちのビジネスの中心です。番組を見た人やこんまりメソッドを実践した人が、片づけの最中も、その後手放した物に対しても、ベストな状態で関わっていくにはどうしたらいいかを考えて、さまざまな企業とパートナーシップを構築していきたいと思っています」(川原さん)

近藤麻理恵

BBCはイギリス各地のチャリティーショップでも寄付が増加していると報じた。

提供:KonMari Media, Inc.

日本では2月15日にヒット作となった『人生がときめく片づけの魔法』の改訂版を出版予定、そして2月7日からは自身初となるオンラインサロンを始める。月に1度のオンラインセミナーでは近藤さんが直接質問に答える時間をつくるという。

「片づけは孤独な作業でもあるので、一緒に頑張れるコミュニティがあればいいなとずっと思っていたんです。

私は有名になりたいとか人気が欲しいとか思ったことはなくて、家の中で片づけをしているのがひたすら好きなタイプなんです。5歳で片づけの研究を始めて19歳から片づけコンサルタントの仕事をして、いつの間にかこんな場所にきていたという感じで……。

海外で活動するようになって家の広さや形式は違っても片づけの悩みは共通していることが多いと改めて気づきました。これからも片づけを通してみなさんの暮らしをよくするお手伝いができればと思っています」(近藤さん)

(文・竹下郁子)

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