非通信事業シフト目指すNTTドコモ ── ぷらら子会社化で新映像サービス提供へ

ドコモ 決算

ドコモは2018年第3四半期決算を発表した。

NTTドコモは2月1日、2018年度第3四半期決算を発表した。売上高にあたる営業収益は前年同期比で1.8%増となる3兆6541億円、営業利益は前年同期比で5.4%増となる9020億円と、増収増益となった。

増益の主な要因は光通信サービス「ドコモ光」の契約増によるもので、同サービスの契約数は前年同期比で24%増となる554万契約を突破。その勢いは、2018年11月から提供を開始しているフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行を促す「ウェルカムスマホ割」や「60歳からのスマホ特典」などによって増加しているモバイル通信の割引影響を上回るほどだ。

4割値下げ補う非通信系のサービスの収益増

ドコモ 収益

営業利益の内訳を見てみると、各種キャンペーンなどで下がった通信費の利益を、光通信の利益増がカバーしている。

さらに、NTTドコモは2019年第1四半期中に2~4割ほどの携帯料金値下げの発表を予定している。当然、この値下げにより同社のモバイル収入は今後更なる減収が予想されるため、モバイル通信以外の増収が必須課題となっている。

同社の通信(モバイル・光回線)以外の収入は「スマートライフ領域」という科目でまとめられているが、営業利益は前年同期比24.5%増となる1348億円となっており、通信事業ほどではないが拡大している。

スマートライフ領域

ドコモは非通信のスマートライフ領域の利益アップを目指している。2018年度は順調に推移している。

決算会見に登壇した同社社長の吉澤和弘氏によると、スマートライフ領域の営業利益は、ケータイ補償などのサポート系サービス、「dTV」や「DAZN for docomo」などのコンテンツサービス、「dカード」「d払い」などの金融サービス、法人向けサービス、その他ライフスタイルサービスの順で高いという。

これらの非通信サービスで重要となるのが、同社会員基盤であり、共通ポイントの「dポイント」だ。dポイントの累計利用額は前年同期比で35%増となる1186億ポイント(1ポイント=1円相当)まで増えており、dポイント提携先は前年同期比で2倍となる380社(店舗数では約6万8600店舗)と規模を拡大している。

NTTぷらら子会社化で映像分野を強化

NTTぷらら

NTTドコモは、2019年7月にNTTぷららの子会社化を予定している。

さらに、今回の決算に合わせて発表されたのはインターネットサービスプロバイダーや動画配信サービスを提供するグループ会社・NTTぷららの子会社化だ。現在、NTTぷららは同じくグループ会社であるNTTコミュニケーションズの子会社だが、7月に予定している株式取得後はNTTドコモのNTTぷらら株持分比率が33.3%から95.4%となる。

NTTドコモは2017年5月にNTTぷららの株式を取得し、NTTぷららと共同で2018年9月から定額映像配信サービス「ひかりTV for docomo」(月額780円税抜~)を提供するなど動画分野での提携を強めてきた。

このタイミングでNTTぷららを子会社化する意図は何か。決済会見で吉澤氏は「今後さらに拡大が予想される映像分野のニーズの多様化に対応する」と話しており、NTTぷららの映像制作・調達のノウハウと前述のNTTドコモの会員基盤を組み合わせるという。

吉澤和弘氏

NTTドコモ社長の吉澤和弘氏。

ただし、NTTドコモは過去に、映像配信事業の「NOTTV(ノッティーヴィー)」を提供し、2016年6月30日に終了している。累計赤字は996億円に達すると言われており、NTTドコモにとっては映像分野はある意味“鬼門”なのではないか、という見方もある。

これに対し、吉澤氏はNOTTVが大きな損失を出したことは認めつつ、「(NOTTVとぷららと共同で実施するサービスは)ビジネスモデルが違う。NOTTVの反省点は反映するが、同じことにはならないと思う」と、従来のテレビのような配信方法をとっていたNOTTVと、現在主流であるネットフリックスや同社のdTVなどで採用されているオンデマンド方式のビジネスの違いを強調した。

NTTドコモはNTTぷららと共同の新サービスとして、次世代通信規格「5G」にあったVRやAR、XRなどの新しい映像配信サービスを提供予定しているという。吉澤氏は「2025年までに約3000億円の事業規模を目指す」と、現在と比べて約3倍の規模を目標にしている。

(文、撮影・小林優多郎)

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