- アメリカ国家安全保障アーカイブ(National Security Archive)の写真によると、CIAは、ソ連の軍事パレードをスパイしていた。日中、大胆に。
- 機密解除された写真は、メーデーやロシア革命記念日に行われた軍事パレードを撮影したもの。
- 軍事パレードはスパイにとって、ソ連の情報を集める絶好の機会だった。ソ連は通常時、その軍事的能力をほとんど誇示しなかった。
写真を見ると冷戦期、スパイがどのような情報を集めようとしていたかが分かる。
戦略弾道ミサイル「スクルージ」。レーニン、エンゲルス、マルクスが並ぶ肖像画の前を通過。
National Security Archive
写真の多くには、ミサイル、自走砲、ミサイル発射システムなどソ連の兵器が写っていた。
1960年、モスクワのメーデー・パレードにて撮影。「400ミリ(?)自走砲」と記されている。
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複数の写真には、日付、機密レベル、イベント名が記されていた。
ロケットランチャー。レーニンとマルクスの肖像画の前を通過。
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また写真には緯度、経度が記されていた。情報の出どころが曖昧なものもある。
トレーラーに積まれた「SA-2 ガイドライン」高高度防空ミサイル。撮影は「ソビエトの情報源」。
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トラックに搭載されたロケットランチャー。
CIAは210ミリロケットランチャーと推定。
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地上発射型地対空ミサイル。1961年メーデーの軍事パレードで音楽隊の前を通過。
ミサイルはV-301と特定された。CIAによると、最高速度マッハ2.5。
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この写真には「自動格下げから除外、機密解除」とある。
CIAはSS-9と特定。潜水艦発射型の大陸間弾道ミサイル。
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CIAのメモによると、SS-9は1967年、モスクワの軍事パレードで初めて姿を表した。
赤の広場で行われた第49回ロシア革命記念日の軍事パレード。
写真のミサイルシステムは新型の弾道弾迎撃ミサイルと推定された。
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写真の記載は間違っていたようだ。
ABM-1「ガロッシュ」は、モスクワを守るために配備された地対空弾道弾迎撃ミサイル。
ABM-X-2は、プロジェクト・オーロラのこと。ガロッシュを拡張しようとしたが失敗に終わった。
これらの写真を撮影した人は観客席の前列に座っていたようだ。
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写真は明らかに兵器システムを狙っていたが、この時代の様子とプロパガンダを見ることも同様に興味深い。
移動式の「スカッド」ミサイル。弾頭は最大1500ポンド(約680キログラム)。
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[原文:Declassified CIA images show how the US spied on fearsome Soviet weapons during parades]
(翻訳、編集:増田隆幸)