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- iPhone XRは中途半端な機種、サイズはiPhone XSとiPhone XS Maxの間、だが価格はこの2機種より安い。
- iPhone XRはiPhone XS/XS Maxよりも安価な素材で作られている。残念ながらクオリティの違いは明らか。
- アップルは、6.1インチのスマートフォンを作りたかったのなら、そのサイズでの最高のスマートフォンを作るべきだった。値段に合わせて、あちらこちらを犠牲にするのではなく。
2年前の2017年、アップルはさまざまなサイズと価格のiPhoneをラインナップした。
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iPhone SEは最も小さく、最も安価なモデルだった。画面は4インチ、価格は350ドルから。
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※価格は当時の価格(以下、同)
iPhone 6S/6S Plusは、それぞれ450ドル、550ドルから。素晴らしいモデルだった。
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iPhone 7/7 Plusは、私のお気に入りのデザイン。550ドル、670ドルから。
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iPhone 8/8 Plusは、iPhone 6から続くデザインの傑作。700ドル、800ドルから。
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そしてiPhone X、先進的な特徴を備えた最上位モデル。価格は1000ドルから。
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この年、350ドルから1000ドルまでのiPhoneが揃った。自分にピッタリのiPhoneを簡単に見つけることができた。
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2年後、iPhoneのラインナップは大きく変わった。種類は減り、分かりにくくなった。
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4インチのiPhone SEはなくなった。つまりもう新しいiPhoneを350ドルでアップルから買うことはできない。今、最も小さくて安価なモデルは4.7インチのiPhone 7。
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iPhone 8/8 Plusもある。サイズはiPhone 7/7 Plusと同じ。それぞれ値下げされて600ドル、700ドルから。
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その上のサイズは1000ドルのiPhone XS、画面は5.8インチ。とても良い。
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もっと大きなサイズが欲しい? 6.1インチのiPhone XRがある。iPhone XSより250ドル安く、750ドルから。だが画面は大きいが、iPhone XSの画面には劣る。
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最も大きなモデルは、6.5インチのiPhone XS Max。iPhone XSと同じ素晴らしいディスプレイを備える。
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現行のiPhoneラインナップを見ると、サイズが大きくなるにつれ、クオリティが上がっているように思える。だが、iPhone XRは例外。サイズはiPhone XSとXS Maxの間だが、クオリティは劣る ── 単に安価なことが特徴。
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2017年のiPhoneラインナップがあれほど成功したのは、各モデルがそのサイズで最高の端末だったから。iPhone SEは4インチで最高のモデルだった。iPhone XはiPhone 8 Plusより高価だったが、より大きく、高品質なディスプレイを備えていた。
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今、6インチくらいのiPhoneが欲しくても、iPhone XRはより大きなディスプレイを備えているにもかかわらず、iPhone XSより優れているとは言えない。アップルは各サイズで最高のiPhoneを作っていると思われているかもしれない。だが、iPhone XRは価格に合わせるために、意図的にクオリティを落としている。
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結局、アップルが販売しているiPhoneは2017年より種類が減り、選択は以前より分かりにくくなった。もはや、より大きなサイズのものが、よりクオリティが高いとは言えなくなった。iPhone XRはiPhone XSよりクオリティが劣る、そして多くの人はiPhone XS Maxはちょっと大き過ぎると考えている。
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iPhone XRのバッテリーの持ち、カラーバリエーション、価格は、iPhone XSよりも魅力的と言うことはできる。だが、XRのディスプレイは実物を見るとがっかりさせられてしまう。iPhone XRはiPhone XSより良いと勧めることは難しい ── これはiPhoneでは珍しいこと。通常、サイズが大きいモデルの方がクオリティが下がるということはない。だがiPhone XRでは、そうなった。
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現行のiPhoneの販売は低迷している。1月2日(現地時間)、アップルはホリデーシーズンを含む1年で最も重要な四半期(2018年10〜12月)の業績予想を下方修正した。ティム・クックCEOはiPhoneの販売低迷をその原因にあげた。
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クックCEOはiPhoneの販売低迷の理由は、中国での需要の低迷および「キャリアの購入補助金の削減、ドル高に関連した販売価格の上昇、そしてバッテリー交換プログラムにより極めて安価にバッテリーを交換できたこと」と述べた。
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クックCEOはまた、複数の先進国市場ではiPhoneの買い替え需要は「想定よりも強くなかった」と語った。
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最近のBusiness Insiderの調査では、アメリカのiPhoneオーナーの3人に1人が新型iPhoneに買い替えていない。価格が上がったことや新しい機能が魅力的に思えないことがその理由。
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多くの点で、iPhone XRは混乱を生み出している。2013年のiPhone 5Cと同じように。iPhone 5CはiPhone 5Sと同じクオリティではなかった。だが、サイズは同じだった ── 同じタイミングで発売されたが、多くの人はクオリティの高いiPhone 5Sを選んだ。
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iPhone 5Cは失敗した。その後、販売中止となった。一方、iPhone 5SはiPhone SEとして販売が続けられた。
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アップルが現行のiPhoneラインナップを生き返らせたいのならば、新しい3機種については100ドルの値下げを検討するべきだろう。iPhone XRは650ドルなら、ディスプレイのクオリティが劣ることも納得できる。一方、iPhone XS/XS Maxは需要の低さに応じた価格と言えるだろう。これなら、前年のiPhone Xとあまり変わらない価格になる。
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2019年のiPhoneラインナップがもう少し分かりやすく、各サイズと価格帯がもう少しうまく合っていることを望みたい。2年前、そうであったように。
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(翻訳、編集:増田隆幸)