レニングラード包囲戦からの解放75周年を祝うパレードに参加したロシア軍兵士。サンクトペテルブルク。
REUTERS/Anton Vaganov
- 最近発表されたレポートによると、アメリカでは徴兵制が再検討されている。女性も対象とすることから、完全に廃止することまでさまざまな選択肢が検討対象。
- 徴兵制の再検討はアメリカ市民にとっては懸念すべきことだが、世界の60近くの国はいまも徴兵制をとっている。
- イスラエルなど、軍事力を維持するために徴兵制が不可欠な国もあれば、中国のように、徴兵制が不必要なほど、しばしば入隊希望者が多くなる国もある。
- ノルウェーやイスラエルなど、数十年前からトランスジェンダーの入隊を認めている国もある。
- 今も徴兵制をとっている代表的な10カ国を見てみよう。
ロシア
ロシア軍兵士。サンクトペテルブルク。
REUTERS/Anton Vaganov
18〜27歳のロシア人男性には、1年間の兵役が課せられている。
いくつか例外もある。例えば、息子もしくは兄弟が兵役中に死亡している場合には免除される。
こうした例外があるにせよ、ロシアでは兵役を回避する人の割合が警戒すべきレベルになっている。政府はまだ徴兵通知を受け取っていない場合でも、自ら兵役について報告することを義務づけることを検討している。
イスラエル
エルサレム「嘆きの壁」の前で宣誓するイスラエル国防軍の士官候補生。
Dominika Zarzycka/Nur Photo/Getty Images
イスラエルでは男性には3年、女性には2年の兵役が課せられている。
トランスジェンダーも1993年から入隊が許されている。
ノルウェー
前進命令を待つノルウェー軍のレオパルド2A4戦車。NATOの合同軍事演習トライデント・ジャンクチャーにて。
Till Rimmele/Getty Images
ノルウェーはNATOで最初に女性を徴兵対象とした国。また1973年に規則を変更し、トランスジェンダーの入隊を許した世界で最初の国の1つ。
ただし、全員が徴兵登録を行うが、全員に兵役が課せられるわけではない。
イラン
イスラム革命防衛隊。2018年10月。
Hamed Malekpour/Tasnim news Agency via REUTERS
イランでは男性に18カ月〜2年間の兵役が課せられている。
エジプト
投票所を警備するエジプト軍兵士。2015年。
AP Photo/Eman Helal
男性には教育レベルに応じて、1〜3年の兵役が課せられている。
オーストリア
チェコ、ハンガリーとの合同軍事演習に参加したオーストリアの兵士。2017年。
AP Photo/Ronald Zak
男性は6カ月の兵役か、9カ月の公務かを選択できる。
2004年からトランスジェンダーの入隊を許可している。
一方、台湾などは徴兵制を廃止した。
Ashley Pon/Getty Images
台湾は2011年に徴兵制を廃止すると発表した。志願制による軍隊という目標を達成しつつあるが、若い世代が軍を選ばないという問題に直面している。
[原文:The US may revisit military drafts. Here's what life is like in 10 countries that already have them]
(翻訳、編集:増田隆幸)