デルタ航空の新エアバスA220。
Benjamin Zhang/Business Insider
- 2月7日(現地時間)、エアバスA220が北アメリカで正式に運航を開始した。航空会社はデルタ航空、路線はニューヨーク−ボストンおよびダラス間。
- A220はボンバルディアCシリーズとして誕生したが、エアバスが買収して名前が変わった。
- またA220は2017年、ボーイングとの間の貿易摩擦の原因となった。
2月7日(現地時間)、エアバスA220が北アメリカで正式に運航を開始した。航空会社はデルタ航空。
同社とA220(以前はボンバルディアCシリーズとして知られていた)との関係は2016年に始まった。デルタ航空がCシリーズ75機の発注を発表、56億ドル(約6200憶円)相当の取り引きだった。この発注で、デルタ航空は北アメリカでのCシリーズのローンチカスタマーとなった。
だが2017年4月、ボーイングは米商務省と米国際貿易委員会(US International Trade Commission)に不服を申し立てた。ボーイングは、Cシリーズがデルタ航空からの受注を獲得できたのは、カナダ政府の補助金によって異常なまでの低価格を実現したからだと主張した。
米国際貿易委員会はこれを認め、同年9月、219.63%の関税を勧告。さらに1週間後、米商務省は79.82%の関税を追加した。
ボンバルディアとデルタ航空はともに、この取り引きがボーイングのビジネスに損害を与える可能性はないと抗議した。ボーイングにはCシリーズと同クラスの機体がラインアップされていないためだ。
ボンバルディアとデルタ航空は、アメリカに輸出されるすべてのカナダ製Cシリーズについて合計299.45%の関税に直面した。
Cシリーズ史上、最も重要な注文を失う可能性を前に、ボンバルディアはボーイングの最大の敵と手を組んだ。エアバスだ。
関税の発表から1カ月も経たないうちにボンバルディアはエアバスと提携、エアバスはCシリーズ事業の株式50.01%を獲得した。
そして2018年夏、ボンバルディア Cシリーズは正式にエアバスA220に改称した。
でも一体なぜ、これほど話題になっているのだろうか?
A220は最新鋭のナローボディ機。真新しい機体は最新のテクノロジーを採用している。例えば、カーボン複合材の機体やプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)の低燃費ギヤード・ターボファン・エンジンなど。
Cシリーズは2016年にスイスで就航、その優れた燃料効率は高く評価された。
エアバスA220は座席数100~150席、エアバスとボーイングが10年間、実質、手をつけられなかったセグメントの旅客機だ。
ついに3年近くの混乱と改称を経て、ついにデルタ航空の旅客機として飛ぶ時が来た。
デルタ航空エアバスA220の就航フライトを見てみよう。
待つこと3年、ついにデルタ航空の新しいエアバスA220が就航フライトを迎えた。最初の運航は744便、ニューヨークのラガーディア空港からボストン・ローガン国際空港まで。離陸は朝6時の予定だったが、念のため4時少し過ぎには空港へ。早すぎて、デルタ航空のカウンターも、
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運輸保安局(TSA)のセキュリティ・チェックポイントもまだ開いていなかった。
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20分後、セキュリティ・チェックポイントを通過し、搭乗ゲートへ。
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ゲートにはお待ちかねの、A220。
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就航フライトは機体記号「N102DU」、デルタ航空の2機目のA220。
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だがまずは就航フライト式典。デルタ航空幹部の挨拶、テープカットや、
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搭乗員との記念撮影。
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そして、いよいよ搭乗の時間!
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デルタ航空ラガーディア空港担当マネージング・ディレクター、ジニー・エリオット氏が搭乗口でお出迎え。
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12席あるファーストクラスと、
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15席のデルタ・コンフォートプラスのシートを通り過ぎ、
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エコノミーのキャビンに到着。
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エコノミーとコンフォートプラスは3+2、1列5席。
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筆者のシートは15D。15列目は少し変わっている。非常口があるため4席しかない。15Aと15Bの足元はよりゆったりしている。15Cと15Dは違うが、隣との幅にはゆとりがある。1つ席が少ないおかげ。
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非常口があるため、席が1つ少ない。
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エコノミーのシートピッチは30~32インチ(約76~81センチメートル)。
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デルタ・コンフォートプラスのシートピッチは34インチ(約86センチメートル)。
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ファーストクラスは36インチ(約91センチメートル)のピッチ、よりワイドな21インチ(約91センチメートル)のシート。
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エコノミーとコンフォートプラスのシート幅は18.6インチ(約47センチメートル)。今、最も広いエコノミーシートだろう。
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客室乗務員がムーディーなブルーのライトをつけた。出発だ。
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プラット・アンド・ホイットニーのギヤードターボファンエンジンが素早く起動し、滑走路へと向かった。すぐにボストンへ向けてテイクオフ。席は主翼の横だったが、エンジンは実に静かだった。
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1時間のフライトに備える。レッグルームは十分、だが広いとは言えない。
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新品のテーブル。
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就航フライト記念のポストカードとピンバッジ。
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A220は大きな窓で有名。
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だが、筆者は非常口のある列だったので、あまり大きくはなかった。
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それでも、ニューイングランドの日の出は雄大だった。
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シートは全席ディスプレイ付き。
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デルタ航空の新しいワイヤレス機内エンターテインメント・システムを利用できる。
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バラエティ豊かな映画や、
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テレビ番組、
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衛星テレビの生放送、
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音楽、
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ゲーム、
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飲み物のメニュー、
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そしてフライト・マップ。システムは使いやすく、ディスプレイは高品質。
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USBの差し込み口が各シートにあり、
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電源も各列にあった。
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機体後方、ギャレーの前が、
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エコノミーのトイレ。右側のトイレはいたって普通。
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だが、左側、つまり機長側のトイレには珍しいものがある。窓だ。窓があるために、通路には長い列ができた。ほとんどの人がトイレを使いたかったわけではない ── ただ写真を撮りたかっただけ。
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すぐにフライトは終わりに。機長が着陸態勢に入ることをアナウンスした。トイレの窓の写真を撮っていたので、ドリンクサービスを受け損なった。
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降りる前にパイロットの1人と話をした。パイロットは新しいハイテク・ジェットと、
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最新鋭のデジタル・コックピットを絶賛した。
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新しいA220を最後にひと目。デルタ航空エアバスA220の就航フライトは、短いがとても楽しかった。A220はとても静かで、客室もエコノミーシートもゆったり。A220は評判通りだったか? もちろん。
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(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)