Nick Bastone / Business Insider
- 2月11日(現地時間)、Googleマップのチームは我々に新しいAR機能を試すチャンスを与えてくれた。同社が2018年5月、開発者会議で発表した機能だ。
- 同社によると、新機能は「アルファ」版で、今のところ「ローカル・ガイド」のみが使用できる。
- 公式なリリース日はまだ決まっていないが、我々はARがGoogleマップの機能や使い勝手を本当に向上させるのかチェックしてみた。
新しい街を訪れた人は誰でも、地下鉄の駅から出た後、どちらに歩けば良いか分からなくなる。
地図アプリを使っても、知らない場所を歩くことは難しく、間違ってしまう。
グーグルは、こうした問題をAR技術を使って解決しようとしている。
2月11日(現地時間)、Googleマップのチームは我々に新しいAR機能を試すチャンスを与えてくれた。同社が2018年5月、開発者会議で発表した機能だ。
チームによると、新機能は「アルファ」版で、今のところ「ローカル・ガイド」のみが使用可能。ローカル・ガイドとはGoogleマップの熱心な利用者で、積極的なフィードバックを行う人たちのこと。
公式なリリース日はまだ決まっていないが、我々はARがGoogleマップの機能や使い勝手を本当に向上させるのかチェックしてみた。
GoogleマップのAR機能がサンフランシスコでどのように使えたのか見てみよう。
我々はGoogleマップのチームとサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジの近くにあるリンコン・パークで会った。我々はコーヒーを買いにサンサム・ストリートにあるブルーボトルコーヒーに向かうことにした。
Screenshot / Google Maps
AR機能が動き出したところ。スマートフォンを目の高さに掲げると、通常のマップはディスプレイの下に円形に縮む。ディスプレイの大部分には、まるでカメラを通して見ているかのように、自分が向いている方向の風景が映し出された。
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だがごれは、現実世界の「AR」バージョン。数秒後、ディスプレイには大きな矢印が現れ、私に道路の右側を進むよう指示した。
だがスマートフォンを長時間、目の前に掲げておくことはできなかった。安全のために、AR機能を使うと数秒後にアラートが表示され、歩行中は電話を下におろすように言われる。
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グーグルは、方向が「分からなくなる時」だけ矢印が表示されるようにしていると語った。
例えば、地下鉄の出口から出て、歩き始める時や角を曲がる時、目的地に近づいた時などだ。
だが、スマホを下におろすと新機能を使うことは難しい。またスマホを持つ角度によって、矢印の表示が少し不安定になることがあった。
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だが、ほとんどは極めてうまく機能した。
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ユーザー・エクスペリエンスの責任者、レイチェル・インマン(Rachel Inman)は、矢印のデザインに決まるまでにさまざまな案を試したと語った。
ある時、Googleマップで使われているようなブルーのラインを試した。するとユーザーはブルーのラインに沿って「正確に」歩こうとしてしまった。
矢印は方向を適切に(正確過ぎずに)示すことができる。
「適切な」使い方は、スマホを地面と平行に近い角度に保ち、正しい道を歩いているか確認しながら歩くこと。
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進む方向が知りたい時はスマホを上の方(垂直方向)に傾ける。するとGoogleマップは周りの風景から現在地を特定する。
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新しいAR機能に合わせて、グーグルはVisual Positioning Service(VPS)、 ストリートビュー、機械学習を使って現在地の特定の精度を上げようとしている。
グーグルはこのテクニックを「グローバル・ローカライゼーション」と呼んでいる。
今はGPSとコンパスを使っているが、どちらにも限界がある。特に都市部では、多くの金属と他のスマートフォンが狭いエリアに密集し、現在地の特定を難しくしている。
この機能はスマートフォンをオフィスビルやカフェなど、あまり変わることのない建造物に向けると効果的。木々だと季節によって形や色が変わってしまう。
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ビルの上のさまざまな色の点は、Googleマップの画像認識システムが目の前にあるものを特定しようとしていることを示している。
正確な位置が特定できると、矢印が表示され、現在地と進む方向を表示する。
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目的地に着くと、ピンが楽しいアニメーションとともに登場する。ブルーボトルコーヒーを買おうとしていた我々に、Googleマップは写真とレビューを提示してくれた。
Nick Bastone / Business Insider
カプチーノを手にした後、デモ機のアンドロイド・スマートフォンの電源を切り、グーグルのチームに感謝を伝えた後、Business Insiderのオフィスに戻った。
今、私はサンフランシスコの金融街のどこにいるのか正確には分からない。AR機能が恋しい。マジで。
正しい方向に進んでいると概ね分かっている時でも、AR機能を使えば、正しいことを簡単に「確認」できる。
時々、矢印が不安定になることはあったが、AR機能「アルファ」版はほぼスムーズに動作し、ユーザーエクスペリエンスも適切だった。
グーグルは公式なリリース日を明らかにしていないが、リリースがすぐでも驚かない。機能は完璧に思えたから。
GoogleマップのAR機能を1マイル弱使っただけだが、もう恋しく感じる。本当に。
(翻訳、編集:増田隆幸)