ライザップ・瀬戸社長が明かす取締役7人退任の内幕とグループの行く末

瀬戸氏と鎌谷氏

インタビューに答える、RIZAPグループの瀬戸健社長(左)と、鎌谷賢之・経営企画本部本部長

撮影:小田垣吉則

2018年12月中旬、RIZAP(ライザップ)グループの瀬戸健社長は、7人の役員たちと順番に個室で向き合った。

「取締役を5人にしようと思う」

当時、ライザップグループの取締役は12人。事実上、7人に取締役からの退任を通告する内容だった。

残る予定の取締役5人のうち3人は社外取締役だから、社内で取締役会に残るのは瀬戸氏と、2018年6月にカルビーの会長からライザップの代表取締役に転じた松本晃氏の2人だけになった。

役員1人あたりの面談は、5分ほどで済んだ。

「多くを語るということではなくて、いままでのプロセスを含めて、彼らは見ていましたから。信頼関係があるからこそ、飲み込んでくれた」

と瀬戸氏は話す。

12月末、同社は取締役会の構成を3人の社外取締役と、社内の取締役2人の5人体制にすることを発表した。

当初、瀬戸氏は取締役の大幅減に抵抗感

ライザップ

撮影・今村拓馬

1カ月前の2018年11月14日、ライザップは、2019年3月期の業績見通しの大幅な下方修正を明らかにしている。営業損益は当初予想の230億円の黒字から、33億円の赤字に転落。大幅な下方修正だった。

ライザップはこの2、3年、急激な買収を重ね、2018年9月の時点でグループは85社にまで膨れ上がっていた。

しかし、グループ入りした会社は、赤字体質を改善するのが困難な会社が多く、再建に手間取り、業績見通しの下方修正に追い込まれた。

下方修正を主導したとみられるのは、2018年6月に瀬戸氏からの要請を受け、2人目の代表取締役に就任した松本氏だった。

複数の関係者によると、松本氏は秋ごろから取締役会をスリム化し、社外取締役を過半とすることで責任を明確化し、取締役会による監督機能を強化するよう、瀬戸氏に助言していたとされる。

下方修正の発表後、社内の構造改革の方向性を議論する中で、瀬戸氏は当初、取締役の大幅減には抵抗を示していた。瀬戸氏はこの点について、松本氏に対して、「一番はじめに、(抵抗感があることを)強く申し上げました」と言う。

「葛藤はものすごくあった」

瀬戸健氏

取締役7人が一気に退任した内幕を明かす瀬戸氏。

撮影:小田垣吉則

しかし、グループ企業と同様に肥大化した取締役会は、さまざまな責任の所在があいまいになっていた。結果として、最終的に7人減を決断したのはトップの瀬戸氏だ。その決断についてこう振り返る。

「そこまでの葛藤はものすごくありましたが、松本さんと話し、もろもろを勘案したうえで、最終的に僕が決めた」

意思決定のプロセスを知りうる立場にある関係者の一人は、「瀬戸氏は、人をバッサリ切ったりするのは、得意ではない」と話す。

2019年1月末の時点で、グループは87社にまで拡大をしている。現在、グループは本業との相乗効果の薄い企業を「バッサリ切る」作業を進めている。

ただ、地域ごとに販売のための子会社を置いているような企業を1社に統合するなど、グループ内の統合や再編を並行して進めている。最終的には87社の企業グループは「2割から3割は減る」(瀬戸氏)見通しだという。

(文・小島寛明)

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