ユーグレナとデンソーが「藻」ラボレーション。包括提携でバイオ燃料の安定・大量生産を実現へ

ユーグレナ デンソー

包括提携を発表したユーグレナの出雲充社長(左)と伊藤正彦専務役員。

撮影・川村力

藻の一種(微細藻類)であるミドリムシでつくる、日本初の国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化に向け実証実験を進めるユーグレナは2月20日、トヨタ自動車系部品大手のデンソーとの包括提携を発表した。

ユーグレナは千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、ANAホールディングス、横浜市などの協力のもと、2018年10月末に横浜市内に実証プラントを完成させ、2019年春の本格稼働に向けた準備を進めている。

関連記事:ユーグレナが「夢のバイオジェット燃料製造」に挑む理由 —— 2019年から実証プラント本稼働、2020年の“飛行”めざす

一方、デンソーは2008年から、ユーグレナと同じく藻の一種である「コッコミクサKJ」を使ったバイオ燃料の研究に着手。燃料となる藻の油脂分(オイル)の蓄積効率の向上や、屋外での大量かつ安定的な培養技術の確立に向けた実証実験を行ってきた。また、2016年からはユーグレナと共同で、藻の大量培養に向けた実証実験を熊本県天草市で行っている。

「藻のポートフォリオ」を増やして安定生産

ユーグレナ 横浜

ユーグレナのホームページに掲載されている横浜実証プラント。2019年春の本格稼働を予定している。

出典:ユーグレナHPより編集部キャプチャ

今回の包括提携の柱の一つは、ユーグレナとデンソーの技術・ノウハウを相互補完することで、藻の生産性を向上・安定させることにある。

ユーグレナが使う藻は、面積あたりの得られるオイルが多いものの、生産量は(光合成が必要なため)気象条件に左右されやすい。一方、デンソーが使う藻は、ユーグレナとほぼ同等の蓄積効率でオイルを得られるが、ユーグレナとは異なる気象条件で増殖する。

デンソーのコッコミクサKJは、ユーグレナの横浜実証プラントで精製してバイオ燃料にすることが可能。ユーグレナがマツダなどと広島県でプロジェクトを進めている、回収廃油(天ぷら油)も同プラントで精製できるため、それらを組み合わせることで原料のポートフォリオを多様化し、将来のバイオ燃料の安定生産につなげる。

また、ユーグレナの農学分野における知見と、デンソーのエンジニアリングに関する知見とノウハウ、人材を組み合わせることで、バイオジェット燃料の生産量や生産性を向上させ、コストダウンを狙うという。

2020年にも国産バイオ燃料で飛行機を飛ばす

ユーグレナは、2019年夏には車両向けのバイオディーゼル燃料の供給を始め、2020年には実証プラントで製造するバイオジェット燃料での有償フライトを実現する計画。2025年には量産化のための商業プラントを完成させたい考えだ。

なお、ヘルスケア分野でもミドリムシの活用を進める両社は、健康食品や化粧品などの商品開発でも今後協力する。コッコミクサKJがもつ機能性成分の活用を進めるため、ユーグレナが企画・開発・販売のあらゆる部分でノウハウを提供するという。

(文・川村力)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

あわせて読みたい

Popular

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み