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- サムスンのGalaxy Foldが発売されて折りたたみスマートフォンが人気になれば、アップルはサムスンに対抗できないかもしれない。ゴールドマン・サックスは新たなアナリストレポートに記した。
- サムスンがGalaxy Foldをまだ誰にも触らせていないという事実は、Galaxy Foldが未完成であることを意味している可能性もある。
- だがアップルはiPhoneのハイエンドモデルのディスプレイ製造をサムスンに頼っている。
アップルとサムスンは互いのフラッグシップモデルで同じような機能を提供している。例えば、最新のiPhoneとGalaxyはどちらも、全面ディスプレイと顔認証機能を搭載している。
だが折りたたみスマートフォンに関しては、近いうちにサムスンが大きくリードすることになるとゴールドマン・サックスのロッド・ホール(Rod Hall)氏率いるアナリストチームは考えている。
2月20日(現地時間)に発表したレポートでゴールドマン・サックスは、サムスンが新たに発表した1980ドル(約22万円)のGalaxy Foldを超ハイエンド・スマートフォン市場におけるアップルにとっての「最大の潜在的課題」と呼んだ。
「アップルにとっての競争に関して言えば、我々はGalaxy Foldを超ハイエンドにおける最大の潜在的課題と見ている。その大きな要因はサムスンの折りたたみ有機ELディスプレイ(OLED)技術にこそある」とレポートは記した。
サムスンは2月20日(現地時間)、待望の折りたたみスマートフォン、および新しいGalaxy S10シリーズ、ウェアラブル・デバイスを発表した。Galaxy Foldは4月26日発売。4.6インチのスマートフォンで、開くと7.3インチのタブレットになる。
サムスンは発表イベントでGalaxy Foldの使い方をデモンストレーション。3つのアプリを同時に表示できるなど、その性能をアピールした。また、使用中のアプリケーションがスマートフォン・モードとタブレット・モードを移行する様子も明らかにした。
Galaxy Foldは最大で3つのアプリを同時に表示できる。
Samsung/YouTube
デモはステージ上で行われ、イベント終了後にマスコミ関係者がGalaxy Foldを試用することは許されなかった。これはゴールドマンも懸念材料として指摘した。
だが仮にGalaxy Foldがヒットすれば、サムスンはアップルにこの重要なディスプレイ技術を簡単に提供しないのではないかとゴールドマンは考えている。
「我々はこれをアップルの課題と見ている。アップルは折りたたみOLED技術を使用できない可能性もある。我々は、サムスンは少なくとも2年、他社のディスプレイ技術をリードしていると考えている」
アップルはiPhone XS/XS MaxといったハイエンドiPhoneのOLED供給をサムスンに頼っている。アップルはサムスンへの依存度を下げる努力をしていると言われ、LGとスマートフォン・ディスプレイの供給について提携したとブルームバーグは報じた。
アップルはこの秋、3モデルの新型iPhoneをリリース予定とウォール・ストリート・ジャーナルは報じた。低価格のiPhone XRの後継モデルも予定されている。
ゴールドマンは140ドルというアップルの目標株価を修正してはいない。
[原文:Goldman Sachs doesn't think Apple can compete with Samsung's new foldable phone]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)