バート・ジェイコブスとジョン・ジェイコブス。
Life is Good
- バート・ジェイコブスとジョン・ジェイコブスは、Tシャツ・ブランドのLife Is Goodの共同創業者、その企業価値は1億ドル。
- 2人は6人兄弟の下2人で、ボストンのあまり豊かではない中流クラスの家庭で育った。
- 毎晩、母親は子どもたちにその日起こった良いことを話すよう言った。
- ジェイコブス兄弟はその問いかけが2人のメンタリティを変え、2人の会社にインスピレーションを与えたと考えている。
1億ドル(約110億円)のTシャツブランド「Life Is Good」を共同で創業したバートとジョンのジェイコブス兄弟は6人兄弟の下2人で、ボストンのあまり豊かではない中流クラスの家庭で育った。
兄弟が小学生の頃、両親は車で大事故にあった。母親は数カ所の骨折だけで済んだが、父親は右手が不自由になった。
理学療法のストレスとフラストレーションから、父親は怒りっぽくなったと2人は著書『Life Is Good』に記した。
「小学生の頃、父はよく怒鳴っていた」とジョンはBusiness Insiderに語った。人生はまったくもって完璧ではなかった。
「家ではよく厄介なことが起こった」と兄弟は記した。
だが、母親のジョアン(Joan)はそれでも、人生は「良いもの」と信じていた。だから毎日、夕飯の席で6人の子どもたちにその日起こった良いことを話すよう言った。
「母の言葉はシンプルだったが、家の雰囲気を変えた」と兄弟は記した。
「いつの間にか、兄弟全員がその日あったとっておきのこと、おもしろかったこと、変だったことを言い合っていた」
ジョンは毎日のこのエクササイズが「今日、信じられないくらい酷いことがあった」というような被害者意識を持つことから防いでくれたと語った。教師や宿題について不平を言うのではなく、クラスメイトが変な髪型にして来たことや、学校でやったおもしろい課題を笑うようにしたと述べた。
2人が初めてTシャツを売ったのは路上だった。1993年、サウス・ボストンのパレードにて。
Life is Good
「我が家はいつも楽観的だった。他には何もなくても」と2人は記した。
どんなに悪い状況でも、母親はキッチンで歌ったり、わくわくするような話をしてくれたり、身ぶりを交えて児童書を読んでくれた。そんな母親のもとで育ったことは大切なことを教えてくれた ── 幸せは環境とは無関係ということを。
「母は、楽観的であることは毎日できる勇気ある選択だと教えてくれた。困難に直面した時はなおさら」
母親のぶれないポジティブさがLife Is Goodにインスピレーションを与えたと2人は語った。
2人の1億ドル企業のミッションは楽観主義のパワーを広めること。キャッチフレーズは「Life is not perfect. Life is not easy. Life is good.(人生は完璧ではない。人生は容易ではない。人生は良いものだ)」。
母親の毎日の問いかけは2人の人生で大いに役立った。だから2人は今、従業員全員が揃う時には同じ問いかけをするとジョンは述べた。
「何か良いことを話して」
その結果はポジティブ。
「アイデアを引き出し、アイデアが発展をもたらし、発展が成功を築く。問題についてあれこれ悩む必要はない」
※敬称略
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)