パニックに陥ってはダメ! ウォーレン・バフェット氏、金よりも株式に投資すべき理由を語る

ウォーレン・バフェット氏

ウォーレン・バフェット氏。

Bill Pugliano/Getty

  • ウォーレン・バフェット氏は金(ゴールド)が好き、ではない。
  • 2月23日に株主に送った毎年恒例の手紙の中で、バフェット氏はなぜ金よりも株式に投資する方が長期的に見て良いのか、事例を挙げて語った。
  • バフェット氏が金への投資に批判的な発言をしたのは、これが初めてではない。

伝説の投資家ウォーレン・バフェット氏が、投資先としての金を好ましく思っていないことは、よく知られていることだ。

バフェット氏は自身が2018年に書いた手紙を例に、パニックにならないことと、金よりも株式に投資することの長期的な重要性を指摘した。

同氏はここ77年でアメリカの国家債務が4万%増加したことに触れ、「赤字が膨らみ、通貨の価値が失われるとの見通しにパニックを起こして」3.25オンス(約92グラム)の金を114.75ドル(1942年にバフェット氏が初めて株を買ったときの額)で購入していたら、今の価値は4200ドルもしくは「アメリカのビジネスに適当に投資して得られたであろう額の1%以下」だっただろうと述べた。

そして「この魅惑的な金属は、アメリカの気概にはかなわなかったのだ」と付け加えた。

バフェット氏は以前から、この魅惑的な金属に批判的だ。

バークシャー・ハサウェイの2018年の株主総会で、バフェット氏は1942年(自身が初めて株に投資した年)に1万ドルを株式と金に投資したケースを比較。S&P 500インデックスファンド(当時はまだ存在しなかったと、同氏は述べた)に投資していれば、2018年には5100万ドル(約55億8500万円、総会が開かれた2018年5月のレートで換算)の価値になった一方で、金に投資していれば、その価値は約40万ドル(約4400万円、同じく2018年5月のレートで換算)だったと説明した。

「言い換えると、アメリカ企業に投資していれば1ドルあたりの価値は増えたが、ニュースを見て恐怖に駆られるたび、急いで買うよう勧められる価値の保存(=金)につぎ込んで得られた利益は1セントにも満たない」とバフェット氏は指摘した。

そして2011年の手紙でも同氏は、9兆6000億ドルあれば「パイルA」 —— 世界中の全ての金 —— もしくは「パイルB」 —— アメリカの全ての農地(400万エーカー)とエクソンモービル16社を買って、1兆ドル余る —— を買うことができると述べた。

「100年前も恐怖に陥れば、多くの人が金に殺到していただろう」とバフェット氏は言い、「だが、わたしには自信がある。現在の価値で9兆6000億ドルのパイルAが今後100年で生み出す利益は、パイルBよりも大幅に少ないだろう」と語った。

[原文:Warren Buffett bashes gold, says the 'magical metal was no match for the American mettle' (BRK.B)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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