『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』は、アカデミー賞作品賞を受賞した最新16作品の中で、唯一、同年の興行収入トップになった作品。
New Line Cinema
「アカデミー賞は一般の映画ファンとかけ離れている」と良く言われている。だが実際に数字を見てみると、その言葉の正しさは恐ろしいほどだ。
我々はアカデミー賞「作品賞」を受賞した16作品のアメリカでの興行収入をチェックし、それぞれ、その年の興行収入トップの作品と比較した。その結果、1作品だけが両方に合致した(2003年の『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』)。
実際のところ、アカデミー賞「作品賞」を受賞した映画のほとんどは興行収入1億ドルを超えていない。
2018年(第91回)のアカデミー賞は、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』以来、久々に興行収入トップの作品『ブラックパンサー』が作品賞を受賞するチャンスだった。だが、『グリーンブック』が作品賞を獲得、これまでの傾向は変わらなかった。
アカデミー賞「作品賞」を受賞した直近の16作品とその年の興行収入トップの作品を見てみよう。
※興行収入はBox Office Mojoのデータより。インフレ率を考慮して調整した。
2018年作品賞:グリーンブック、6960万ドル
Universal
2018年興行収入トップ:ブラックパンサー、6億8870万ドル
Walt Disney Studios Motion Pictures
2017年作品賞:シェイプ・オブ・ウォーター、6290万ドル
Fox Searchlight Pictures
2017年興行収入トップ:スターウォーズ/最後のジェダイ、6億1030万ドル
Lucasfilm
2016年作品賞:ムーンライト、2850万ドル
A24
2016年興行収入トップ:ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー、5億4570万ドル
Lucasfilm
2015年作品賞:スポットライト 世紀のスクープ、4700万ドル
Open Road
2015年興行収入トップ:スター・ウォーズ/フォースの覚醒、9億7620万ドル
Disney
2014年作品賞:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)、4230万ドル
"Birdman"/ Fox Searchlight
2014年興行収入トップ:アメリカン・スナイパー、3億8900万ドル
Keith Bernstein/Warner Bros.
2013年作品賞:それでも夜は明ける、6220万ドル
Regency Enterprises
2013年興行収入トップ:ハンガー・ゲーム2、6億8870万ドル
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2012年作品賞:アルゴ、1億5300万ドル
Warner Bros.
2012年興行収入トップ:アベンジャーズ、6億9420万ドル
Marvel
2011年作品賞:アーティスト、5090万ドル
The Weinstein Company
2011年興行収入トップ:ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2、4億3330万ドル
Warner Bros/Harry Potter and the Deathly Hallows
2010年作品賞:英国王のスピーチ、1億5520万ドル
The Weinstein Company
2010年興行収入トップ:トイ・ストーリー3、4億8160万ドル
Pixar
2009年作品賞:ハート・ロッカー、2020万ドル
VISO Trailers / YouTube
2009年興行収入トップ:アバター、8億6610万ドル
20th Century Fox
2008年作品賞:スラムドッグ$ミリオネア、1億7170万ドル
Fox Searchlight
2008年興行収入トップ:ダークナイト、6億7060万ドル
Warner Bros.
2007年作品賞:ノーカントリー、9550万ドル
Paramount Pictures
2007年興行収入トップ:スパイダーマン3、4億4160万ドル
Sony
2006年作品賞:ディパーテッド、1億8160万ドル
Warner Bros.
2006年興行収入トップ:パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト、5億8350万ドル
Disney
2005年作品賞:クラッシュ、7680万ドル
Bob Yari Productions
2005年興行収入トップ:スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐、5億3570万ドル
Lucasfilm
2004年作品賞:ミリオンダラー・ベイビー、1億4160万ドル
Warner Bros.
2004年興行収入トップ:シュレック2、6億4150万ドル
DreamWorks
2003年作品賞:ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還、5億5560万ドル
New Line
2003年興行収入トップ:ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還、5億5560万ドル
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アカデミー賞作品賞を受賞した最新16作品の中で、唯一、同年の興行収入トップになった作品。
(翻訳、編集:増田隆幸)