お金持ちになったからと言って、必ずしも幸せになれるとは限らない。
Eric Vidal/Reuters
- ビル・ゲイツ氏はレディット(Reddit)のAMA(Ask Me Anything:何でも聞いて)で、ビリオネアになったことで自分はより幸せになったと語った。医療費や教育費を心配せずに済むからだ。
- ただ、経済的なストレスを和らげるために、10億ドル(約1100億円)は必要ないと付け加えた。
- 最近の研究では、お金が人生の満足度と精神的な健康をある程度まで向上させることが分かっている。
レディットのAMAのスレッドでは最近、あるユーザーがビル・ゲイツ氏に対し、ビリオネアでいることはミドルクラスの普通の人でいるよりも自分を幸せにするかと尋ねた。
ゲイツ氏は、単刀直入に答えた。
「イエス」
「医療費や大学の費用について考えずに済むからね。お金に関する心配をせずに済むということは、本当にありがたいことだ」
ちなみに、ゲイツ氏と妻メリンダさんの間には3人の子どもがいる。一番上のジェニファーさんは最近、スタンフォード大学を卒業した。
そして、ゲイツ氏の回答にはまだ続きがある。
「もちろん、そのために10億ドルを手に入れる必要はない」
「誰もがアクセスできるよう、わたしたちは医療や教育にかかる費用がこれ以上、上がらないようにする必要がある」
お金で幸せは買えるのだろうか? 実際、さまざまな研究が行われている。
イギリスの学術誌『Nature Human Behaviour』で2018年に発表されたある最新の研究では、人生の満足度は9万5000ドル(約1050万円)前後、精神的な健康は6万~7万5000ドル(約660万~830万円)でピークに達することが分かった(これらの金額は世帯年収ではなく個人の年収)。そして、これを超えると人生の満足度も精神的な健康も低下する傾向にある。
レディットの別のユーザーはゲイツ氏に、自分を幸せにしてくれるものは何かと尋ねた。ゲイツ氏はこの質問に「自分の子どもが元気なら、それはとても特別なことだと誰かが言っていた。1人の親として、わたしも全く同感だ」と回答している。
その上でゲイツ氏は「もっと運動をするといった自分との約束を守ることも、幸福度を上げてくれる」と書いた。
(翻訳、編集:山口佳美)