メルペイの非接触決済(iD)が、おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンでも利用可能になる。
出典:メルカリ
- メルカリの売上金などで買い物ができるメルペイが、Androidにも対応
- 「iD」が今まで使えなかったauユーザーも利用できる
- メルペイは3月中旬にはPayPayなどと同じコード決済も導入予定
メルカリの決済事業子会社・メルペイは2月28日、Androidスマートフォン向けにiD決済機能の提供を開始した。公開された最新バージョン(4.0)のメルカリアプリを対応端末にアップデートすることで利用可能になる。
メルペイは2月13日にiPhone向けのiD決済機能(Apple Pay)の提供を開始。2月20日に開催した事業戦略発表会では、今回公開されたAndroid版の提供やQRコード決済を予告していた。
iPhoneから2週間遅れの対応にはなるが、おサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンユーザーでも、iPhoneユーザーと同じく、コンビニやレストランなどの全国約90万カ所のiD加盟店で、メルカリの売上金やポイントが利用可能になる。
条件は「Androidのおサイフケータイ対応機種」であること
メルペイ(iD)が使える代表的な店舗(2月20日時点のもの)。
Android向けの非接触決済版メルペイの対応端末は、Android 5.0以上かつおサイフケータイに対応している端末だ。iDの設定のためには対応端末で以下の情報を用意する必要がある。
- バージョン4.0以降のメルカリアプリ
- 最新のおサイフケータイアプリ
- グーグルのログイン情報
この環境さえ揃っていれば、2月20日にメルペイCEOの青柳氏が予告したとおり、格安スマホを含めて、通信事業者に関わらずメルペイのiD決済を有効化できる。
なお、使い方はiPhone向けと同じで、iD加盟店の店頭で「iDで支払う」と伝えれば決済できる。メルカリの売上金を利用するには、事前に手動でメルペイの資金移動口座に残高を移す必要がある。売上金もポイントもない場合は、メルペイに銀行口座を紐づけることで、別途チャージが行える。
メルペイの「iD」は今までのiDとは違う?
今回の特別仕様の「iD」は、三井住友カードとの提携により実現した。
一言に「Androidのおサイフケータイ対応端末であれば、非接触決済版メルペイを利用できる」と書いたが、実は今回のメルペイの施策は異例中の異例だ。
非接触決済「iD」は今まで同サービスを運営するNTTドコモやソフトバンク・ワイモバイル、その他のSIMフリースマートフォンで利用できていたが、auのAndroidスマートフォンでは利用不可という状態が続いていた。
現時点でもauのAndroidスマートフォンでは、iDアプリをインストールできない仕様だ。しかし、今回のメルペイは三井住友カードとの提携により、メルカリアプリ自体にiD機能を搭載。その制限の壁を突破したという。
そのため、現状で「auのAndroidスマートフォンで利用できるiD」はメルペイのみとなっている。
コード決済は3月中旬に予定
メルペイのコード決済の画面。3月中旬にユーザーに対し公開される予定。
メルペイのiD対応はメルカリユーザー、とくに1万円未満の売上金を持っている人にとっては非常に朗報だ。現在、売上金を銀行口座へ出金する際は手数料がかかってしまうが、iDを使えば、銀行口座に出金せずとも売上金を利用できるからだ。
メルペイは3月中旬にはQRコードや2次元バーコードを使ったコード決済機能も提供予定。コード決済はiDに比べて決済手数料も導入コストも低く済むため、メルペイは費用面でiD決済の導入をためらう店舗への普及を狙っている。
(文、撮影・小林優多郎)