ファーウェイ「Mate X」。
Reuters
- ファーウェイはサムスンのGalaxy Foldと似たような谷折りの折りたたみスマートフォンを試作、だが結果が良くなかったため「ボツ」にしていた。同社コンシューマー・ビジネス・グループのCEO、リチャード・ユーはBusiness Insiderに語った。
- ファーウェイの折りたたみスマートフォン「Mate X」は、1つのディスプレイを折りたたむことで、スマートフォンにも、タブレットにもなる。
- サムスンのGalaxy Foldのは構造は違う。スマートフォン用のディスプレイが前面にあり、それとは別により大きなタブレット用ディスプレイがある。
- どちらのデザインが優れているかについてはさまざまな議論があるが、フォレスター・リサーチのアナリスト、フランク・ジレットはいずれにせよ、多くの人が約2000ドルもするコンセプチュアルな製品を買うわけではないと指摘した。
ファーウェイのシニア・エグゼクティブがスマートファンにおける最大のライバル、サムスンを狙い撃ちした。両社はともに新たに折りたたみスマートフォンを発表し、競い合っている。
ファーウェイのコンシューマー・ビジネス・グループのCEO、リチャード・ユー(Richard Yu)は、ファーウェイは当初、サムスンのGalaxy Foldと似たようなデザインの折りたたみスマートフォンを試作していたが、結果が「良くなかった」ため廃棄したとBusiness Insiderに語った。
「スクリーンがフロントとバックに2つあると、重すぎるように感じる」とユーはGalaxy Foldについて述べた。
「解決策はあったが、開発は取りやめにした。3つのプロジェクトが同時に進行していて、もっと良い案があった」とユー。
「あの案は最悪だった」
ファーウェイの折りたたみスマートフォン「Mate X」は、1つのディスプレイを折りたたむことで、スマートフォンにも、8インチのタブレットにもなる。
このような感じ。
Galaxy Foldは違う。折りたたみ時には、小さなフロント・スクリーンがスマートフォンのディスプレイとなる。本のように開くと、2つ目のタブレットサイズのスクリーンが現れる。
このような感じ。
ファーウェイは、世界最大のスマートフォン・メーカーというサムスンのポジションを狙っている。
サムスンは長年、トップの座を維持している。一方、ファーウェイはアップルと2位争いを続けている。だがファーウェイは3社で唯一、2018年第4四半期、シェアを伸ばした。
Mate XとGalaxy Foldは、どちらのデザインが優れているか、議論を巻き起こしている。
Mate Xは壊れやすいと考えている人もいる。ディスプレイを外側に折りたたむため、たぶん傷がつきやすい。一方、Galaxy Foldはヒンジが完全にフラットではないため、すき間にホコリやダメージを与える物が入る可能性があるといった指摘もある。
フォレスター・リサーチのアナリスト、フランク・ジレット(Frank Gillett)は、どちらのデバイスもまだ誰も十分なテストができていないものの、ファーウェイの方がまずは良いデザインに思えると述べた。
「ファーウェイの折りたたみスマートフォンは、最初に見たときもシンプルで良さそうだった。スマートフォン・モードでもタブレット・モードでも、薄く、ディスプレイはより大きかった」とBusiness Insiderに語った。
「外側に折りたたむデザインは、サムスンの内側に折りたたむデザインよりも、ディスプレイにかかる負担が小さいように思える。時間が経たないと分からないことだが」
「皆が実際に製品を試せるまでは、どちらが優れているかといった議論は早すぎる。これらはあくまでもプロトタイプ、出荷時にはより良くなる」
折りたたみスマートフォンは普通の消費者にとってはまだまだ手の届かない製品とジレットは付け加えた。Mate Xは2600ドル(約29万円)もする。Galaxy Foldも1980ドル(約22万円)。
「折りたたみスマートフォンは今のスマートフォンほど長持ちしないだろう。折りたたみディスプレイやメカニズムは単純に、今のストレートなスマートフォンほど長持ちしないだろうから」とジレットは述べた。
※敬称略
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)