ビクトリアズシークレットは苦戦を強いられている。
Dimitrios Kambouris/Getty Images
- ビクトリアズ・シークレットは2019年、北米の53店舗を閉店する。
- ビクシーは近年、苦戦を強いられている —— 売り上げは低迷し、その挑発的な広告は一部からこの「#Me Too」の時代に無神経だと批判されている。
- ビクシーのコマーシャルが近年、どう変わってきたか見てみよう。
ビクトリアズ・シークレットは苦戦を強いられている。ビクシーを批判する人たちは、際どい広告で顧客を遠ざけていることが原因と語った。
親会社Lブランズは2月27日(現地時間)、第4四半期の決算を発表、2018年の30店舗に続いて、2019年は53店舗を閉店すると述べた。既存店売り上げは、2018年の第4四半期、通期ともに3%減少した。
ビクトリアズ・シークレットは近年、苦戦続き。そのセクシー過ぎる広告と際どいショーは、今の「#Me Too」時代に共感を得られず、顧客離れが進んでいるとされる。
広告の一部は最近、ややソフトになっているが、実際のところ、ビクトリアズ・シークレットは時代から大きく外れ、露出度の高い、画像修正が施されたモデルが依然として広告の中心となっている。
ビクシーの広告の変遷を見てみよう。
ビクトリアズ・シークレットは1977年、ロイ・レイモンド(Ray Raymond)氏が創業。同氏はイギリス・ビクトリア朝時代にちなんで名前をつけた。製品にこの時代の洗練さを取り入れたかったから。
Victoria's Secret
出典:Slate
1982年、現在の親会社Lブランズが100万ドル(約1億1000万円)で買収、現CEOのレス・ウェクスナー(Les Wexner)氏が指揮を取ることになった。
CEOのレス・ウェクスナー氏。
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ウェクスナー氏が指揮を取ることで、レイモンド氏が作ったビクトリアズ・シークレットのあからさまな挑発さはやや改められた ── だが、誤解しないで欲しい。広告には、依然としてランジェリーが満載。
ビクトリアズ・シークレットは1995年、初のファッションショーを開催した。
出典:L Brands
「Angel(天使)」のアイデアは1997年の「Angel」コレクションの広告から採用された。これ以降、Angelはビクトリアズ・シークレットを表す言葉になった。
Victoria's Secret
広告には、ヘレナ・クリステンセン、カレン・マルダー、ダニエラ・ペストヴァ、ステファニー・シーモア、タイラ・バンクスが起用された。
出典:The Cut
初期のコマーシャルでは、モデルは厚化粧で露出度が高かった。
YouTube/Derek Dahlsad
コマーシャルは陳腐なセリフに溢れていた。「The best thing about being an angel is you could fly.」とクリステンセンはささやいた。
ナレーションはイギリス英語だった。
初期の頃から、バストアップ・ブラはコマーシャルの中で強調されていた。
2000年代初めには、際どさが増した。
音楽もテンポアップした。
アドリアナ・リマやジゼル・ブンチェンなどもAngelに加わった。
Angelたちは、ささやき続けた。
服やパジャマのコマーシャルも際どいものだった。
たまに女性らしさにフォーカスしたコマーシャルもあった。
だが大部分は際どいものであり続けた。
2014年、アメリカン・イーグルの下着ブランドAerie(エアリー)は、広告写真に無修正の写真を使い、#AerieRealというボディ・ポジティブキャンペーンを開始した。
Aerie/American Eagle
※ボディ・ポジティブ:外見や体型の多様性をポジティブに捉えること。
一方、ビクトリアズ・シークレットは時代に合わせる気配を見せなかった。
ささやき声と決まり文句はなくなったが、焦点は依然としてセクシーさにある。
根本的には20年以上前に放映されたものとほとんど同じ。#MeTooの時代背景の中でもほとんど変わっていないことを示している。
(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)