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- 2019年の最もエキサイティングな新しいテクノロジーは、今のところ折りたたみスマートフォン。
- サムスンやファーウェイといった世界最大規模のメーカーが2月、折りたたみスマートフォンを初公開した。
- 折りたたみスマートフォンは確かにエキサイティング。だが、購入は少なくとも1年待った方が良いだろう。
今は折りたたみスマートフォンの話題で持ちきり。
だが、折りたたみスマートフォンが間もなく発売されるからといって、真っ先に飛びつくことは避けた方が良い。理由はいくつかある。見てみよう。
2月後半、多くのスマートフォンメーカーが2019年、折りたたみスマートフォンを発売すると発表した。
AP Photo/Eric Risberg
最初に発表したのはサムスン。新製品発表イベント「Unpacked 2019」で、新しいGalaxy S10の発表を期待していた人々は、先に折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」が発表されたことに驚かされた。価格は1980ドル(約22万円)から。
Samsung
その週末、モバイル・ワールド・コングレスにおいて、サムスンに次ぐ世界第2位のスマートフォンメーカー、ファーウェイも折りたたみスマートフォン「Mate X」を発表。今年後半に発売予定、価格は何と2600ドル(約29万円)。
Reuters
TCLやOppoといった複数の中国企業も折りたたみスマートフォンのプロトタイプを公開した。十分な需要が見込めるなら、数年後の市販を計画している。
モバイル・ワールド・コングレス2019で展示されたTCLの折りたたみスマートフォン。
Miquel Benitez/Getty Images
折りたたみスマートフォンはエキサイティング。過去10年ほど、スマートフォンの新しいデザインはあまり登場しなかった。だからこそ、新しいアイデアをここまで具現化したもの ── タブレットに変身し、仕事やゲームをより快適にこなせるスマートフォン ── に多くの人は喜んでお金を出すだろう。
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しかし、折りたたみスマートフォンがどれほど素晴らしいものになりそうでも、2019年は買わないことがベスト。待つほうが良い。いくつか納得できる理由がある。
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第1に、とても高い ── ハイエンド・スマートフォンの約2〜3倍。いずれも同じソフトウエアで動くことを忘れないで欲しい。
Samsung Unpacked 2019
2つ目、修理がどのようなものになるか分からない。そもそも購入価格が高いうえに、修理のためにメーカーに送り、戻ってくるまでの数週間、手元にない状態になる可能性もある。耐えられるだろうか?
サムスンのGalaxy Fold。
Samsung/YouTube
修理費用もこうした第1世代モデルの場合、高くなると考えられる。新しい部品を使っているため、何か不具合が生じて交換した場合も安くはないだろう。
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最後の3つ目、電話は信頼性が重要、だが第1世代のテクノロジーは極めて不確か。スマートフォンは欠かすことのできない、高価なデバイスなので、調子が悪くなるリスクはできるだけ避けたい。一方、メーカーは一般的に第1世代モデルから多くを学ぶ。特に将来、何を取り入れ、何を避けるべきかといったことを学ぶ。
モバイルワールドコングレス2019で展示されたファーウェイのMate X。
REUTERS/Sergio Perez
折りたたみスマートフォンにどのような問題が生じるのかを予測することは不可能。ヒンジが壊れるかもしれないし、たくさん搭載されているカメラの1つに不具合が生じるかもしれない。高いお金を払うのだから、誰もモルモットにはなりたくないだろう。
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折りたたみスマートフォンはエキサイティング、だが購入を待つべき理由は本当に多い。時間とともにメーカーは不具合を改善し、価格も需要に応じて下がっていく。流行に飛びつくべきではない。代償は思う以上に大きい。
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[原文:Don't buy a foldable smartphone in 2019]
(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)