グリフィス天文台を訪れる観光客はスモッグで覆われたロサンゼルスの街を眺めることになる。
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- 2018年の世界各国、各都市の大気汚染レベルが明らかになった。
- アメリカはインドや中国などの最低ランクの国と比べると良い結果だったが、いくつかの都市はひどい大気汚染に悩まされている。
- カリフォルニアの主要都市で特に大気汚染がひどかった。山火事のためだ。一方、いくつかの工業が盛んな都市では自動車や火力発電所が大気汚染の原因。
2018年のカリフォルニアの山火事で200万エーカー(約81万平方メートル)近くが焼け、すでに汚染されていた空にさらに煙が流れ込んだ。
山火事「キャンプ・ファイア」の結果、カリフォルニア州北部では、世界で最も大気汚染がひどい国、中国とインドを上回る大気汚染が観測された。
こうした大気汚染の悪化にもかかわらず、世界の大気のデータベース、IQAirの最新のレポートでは2018年、アメリカの大気汚染レベルの平均値はWHO(世界保健機関)が健康的な大気とする基準をクリアした。だが、いくつかの都市は基準クリアに苦戦した。
レポートは、大気の質が「中程度」だった多くのアメリカの都市をリストアップ、そうした都市では敏感な人(子ども、老人、肺や心臓の疾患がある人)は、屋外での活動時に呼吸器の問題を引き起こしかねないレベル。他の都市は、WHOの基準値を少し下回る汚染レベルとなった。
こうした都市の多くは同じ大都市圏にあるため、レポートのデータから人口100万人以上の大都市のみを抽出した。
アメリカで最も大気汚染がひどい8つの都市を見てみよう。
サクラメント:2018年11月、地球上で最も大気汚染がひどい都市だった。
サクラメントのダウンタウンにある歴史的なタワーブリッジ。
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2018年11月の短い期間ではあるが、サクラメントは地球上で最も大気汚染がひどい都市だった。山火事「キャンプ・ファイア」が原因。
ロサンゼルス:同じく山火事の影響からの回復を目指している。
スモッグの中に立つヤシの木。
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サンフランシスコ:2018年、大気汚染は咳や炎症を引き起こすレベルに達した。
スモッグに覆われたサンフランシスコ。
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サンディエゴ:大気のクオリティはFレベル。
顔を覆うサンディエゴの住民。
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オハイオ州シンシナティ:建設現場や自動車から発生する粒子状物質による大気汚染に悩まされている。
シンシナティの街を見下ろす住民。2019年1月26日。
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インディアナ州インディアナポリス:石炭火力発電所が大気に悪影響を及ぼしている。
インディアナポリス・モーター・スピードウェイの後方に広がるインディアナポリスの空。
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ペンシルベニア州ピッツバーグ:WHOの基準をクリアできなかった。
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ピッツバーグの大気のクオリティは2018年、WHOの基準をクリアできなかった。2017年は基準をクリアしていた。
2018年、ピッツバーグのアレゲニー郡は、アメリカ肺協会のレポートで3カテゴリーすべて(オゾンレベル、日常的な粒子状物質レベル、長期的な粒子状物質レベル)において、カリフォルニア州以外の郡で唯一、Fレベルと評価された。
マサチューセッツ州ボストン:交通渋滞が大気汚染を引き起こしている可能性がある。
スモッグに覆われたボストン。
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ボストンも2018年、WHOの基準をクリアできなかった。市内の成人の約10%、子どもの13%が喘息に悩まされている。これはアメリカで4番目に高い罹患率。
環境の専門家はボストンの大気汚染の原因は、悪化する交通渋滞にあると考えている。2018年のレポートでは、ボストンはアメリカで最もラッシュアワーの混雑がひどい都市とされた。
[原文:These are the 8 major US cities with the worst air pollution — and 4 are in California]
(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)