昔のコストコを写真でチェック。
Courtesy of Costco Wholesale
- コストコ(Costco)の起源は1976年に遡る。
- 現在の同社は1993年、コストコとプライス・クラブ(Price Club)の合併によって生まれた。
- だが、初めて「コストコ」と名乗った店は1983年、シアトルにオープンした。
- コストコが初期の貴重な写真を提供してくれた。見てみよう。
コストコは大規模店の定番。オープン以来、低価格と大きなサイズで、多くの熱烈な会員を獲得してきた。
だが、同社の成り立ちは少々複雑。現在のコストコは1993年、プライス・クラブとコストコが合併して生まれた。プライス・クラブは1976年、コストコはその7年後にオープンした。
コストコが最初の店舗の写真を数多く提供してくれた。
ロナルド・レーガンが大統領で、映画『フラッシュダンス』に使われた「マニアック」がビルボードチャートで1位を獲得した頃のコストコを見てみよう。
ジム・シネガル(Jim Sinegal)とジェフ・ブロットマン(Jeff Brotman)は1982年、コストコ・ホールセール(Costco Wholesale)のアイデアを思い付いた。ブロットマンは2017年に亡くなったが、生前は弁護士で、フランス旅行を機にヨーロッパスタイルのディスカウントショップをオープンしようと思いたった。
シアトルのコストコ1号店。
Courtesy of Costco Wholesale
シネガルは小売業の幹部で実業家ソル・プライス(Sol Price)の下、フェドマート(FedMart)という会員制大型ディスカウントショップに勤務していた。
コストコの共同創業者、ジム・シネガル(2002年)。
Atsushi Tsukada/AP Images
プライスは1976年7月12日、サンディエゴに自身の会員制ショップ「プライス・クラブ」を創業。会員は中小企業の経営者に絞っていた。
プライス・クラブの買い物客。1992年。
Keith Beaty/Toronto Star via Getty Images
出典:Costco
シネガルとブロットマンは1983年にシアトルに1店目のコストコを立ち上げる際、基本的に「プライス・クラブのクローンを作る」計画を立てたとのちにCNNに語った。
シアトルのコストコ1号店。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:Costco
数年後、プライス・クラブとコストコは合併。誰もが知る、大好きな、現在のコストコになった。
作業するプライス・クラブの従業員(1992年)。
Keith Beaty/Toronto Star via Getty Images
出典:Microsoft
だが、初めて「コストコ」と名乗った店は1983年9月15日にオープンした。
コストコ1号店のオープンを知らせるチラシ。
Courtesy of Costco Wholesale
オープン当初は法人会員が年間25ドル(約2800円)。
会員の種類の違いを説明する店内ポスター。1983年。
Courtesy of Costco Wholesale
一方、「Group Gold(個人)」会員は年間30ドル(約3300円)で入店できた。
店内の入会受付。1983年。
Courtesy of Costco Wholesale
シネガルは、最初の10万平方フィート(約9300平方メートル)の店舗は「かなりシンプルな設備」で「多くはそれ以来、追加し充実させてきた」と株式投資情報のモトリー・フール(Motley Fool)に語った。
初期のコストコ店内。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:Motley Fool
2009年にはCNNにも、初めは「客足も多くはなかった」が、徐々に「増えていった」と語った。シネガルは1983年から引退する2011年までCEOを務めた。
初期のコストコ店内。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:CNN
シネガルは同社の急速な拡大について1985年、ロサンゼルス・タイムズに「我々は特定のマーケットで足場を固め、これらのマーケットを先取りする努力をしている」と説明した。
店内の買い物客。
Courtesy of Costco Wholesale
サムズ・クラブ(Sam's Club)の登場もさらなる拡大を後押しした。サムズ・クラブは、ウォルマートが会員制ディスカウントショップの流行に乗って開業した。
サム・ウォルトン(Sam Walton)はサムズ・クラブを1983年にオープン。コストコがオープンする、わずか数カ月前だった。
Associated Press
出典:Sam's Club
「ウォルマートが会員制ディスカウントショップへの参入を発表したため、我々は対抗し、急いで成長しなければならなかった」とブロットマンは2009年、CNNに語った。
コストコを訪れる買い物客。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:CNN
同年、APはプライス・クラブとコストコを大型ディスカウントショップの「キー・プレイヤー」と呼んだ。
初期のコストコ商品。
Courtesy of Costco Wholesale
コストコのウェブサイトによると、同社は1985年12月5日に新規株式公開(IPO)を申請。プライス・クラブは1980年にすでに株式を公開していた。
初期のコストコの梱包箱。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:Costco
インベストペディア(Investopedia)によると、その時、コストコの株式を1株10ドルで100株購入していれば、2018年12月1日には13万8768ドル(約1500万円)になった。
長く幹部を務めたシンシア・グレイザー(Cynthia Glaser)。1983年。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:Investopedia
オープン後わずか3年で、コストコは10億ドル(約1100億円)企業になったとシネガルはCNNに語った。
レジ付近の様子。共同創業者のジム・シネガルもいる。
Courtesy of Costco Wholesale
出典:CNN
コストコとプライス・クラブは1993年に合併。当初、新社名はプライスコストコ(PriceCostco)だったが、1997年、コストコ・カンパニー(Costco Companies Inc.)に変更。
買い物をする客。1991年。
Douglas Burrows/Liaison/Getty Images
出典:Costco
1984年から20年間プライス・クラブで働いていた元従業員は、合併直後は「赤」のコストコと「青」のプライス・クラブの間に微妙に溝があったとBusiness Insiderに語った。
コストコ従業員と商品。1990年代。
Douglas Burrows/Liaison/Getty Images
「監査役だった時、従業員から最初に聞かれることは『赤と青、どっちの人?』だった」と彼は述べた。
食料品を手に取る買い物客。1990年代。
Clarence Williams/Los Angeles Times via Getty Images
だが最終的にはひとつにまとまったと彼は付け加えた。「合併は悪いことではなかった。プライス・クラブは違うものに成長してしまっていた。そして、コストコが我々を基本に立ち返らせてくれた」。
衣料品をチェックする買い物客(1990年代)。
Mel Melcon/Los Angeles Times via Getty Images
※敬称略
[原文:Here's what Costco looked like when it first opened in 1983 (COST)]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)