CSIS/Beyond Parallel/DigitalGlobe 2019 via REUTERS
- 3月2日(現地時間)に撮影された衛星写真は、北朝鮮が東倉里にある西海衛星発射場を再建していることを示していると、アナリストは言う。
- 衛星写真が撮影されたのは、ベトナムで開催された米朝首脳会談が失敗に終わった数日後のことだ。
- 北朝鮮はこの施設を2018年にシンガポールで開催された米朝首脳会談の後、解体し始めていた。
- アナリストたちは、一部施設の再建は2月下旬の首脳会談の前からすでに進められていたのではないかと指摘する。
- アメリカのジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は3月5日夜、非核化に進展がなければ、北朝鮮はより厳しい制裁に直面するだろうと述べた。
米朝首脳会談が失敗に終わった直後に撮影された衛星写真は、北朝鮮が解体すると約束した長距離ミサイルの発射場を再建していることを示していると、専門家は言う。
写真が撮影されたのは、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談が合意に達することなく終わった2日後のことだ。
戦略国際問題研究所(CSIS)の分析によると、これらの写真は北朝鮮が東倉里にある西海衛星発射場を再建していることを示している。
東倉里のこの施設は、以前はミサイル技術を使った衛星の打ち上げに使われていたもので、北朝鮮はこの発射場の使用を国連から禁止されているとアナリストらは指摘する。
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韓国の情報機関から非公開のブリーフィングを受けたある韓国の国会議員は5日、AP通信に対し、発射場で復旧されたものには建物の屋根やドアが含まれると語った。
同議員は、国家情報院(NIS)の徐薫(ソ・フン)院長が、アメリカとの交渉が決定的に決裂すれば、北朝鮮は長距離ミサイルの発射実験を再開させる準備をする可能性があると語ったと言う。
また、もう1つの可能性として、アメリカとの交渉がうまくいけば、北朝鮮は非核化へのコミットメントを示すために発射場を大々的に爆破するかもしれないと語ったと言う。
2018年6月のシンガポールで開かれた米朝首脳会談の後、北朝鮮は合意に従って発射場を解体し始めていて、8月以降は休止状態だったと、専門家は言う。
北朝鮮分析サイト「38ノース」によると、発射場の復旧に向けた動きは2月16日から3月2日のいずれかの時点で始まった。米朝首脳会談は2月27日から始まった。
専門家は衛星写真から、打ち上げ機を発射台に移す前に使うレール付きの作業施設が復旧していると指摘する。
また、試験台ではサポート・クレーンや新たな屋根、エンジン・サポート設備の存在が確認されている。
アメリカのジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は5日夜、FOXニュースのインタビューで、北朝鮮がさらなる非核化に取り組まなければ、新たな制裁を課す可能性もあると警告した。
「彼らがその意思を示さない場合、トランプ大統領の考えは非常に明確だ」と、ボルトン補佐官は語った。
「彼らは厳しい経済制裁から解放されることなく、我々はさらなる制裁強化を検討するだろう」
北朝鮮に課された制裁はすでに厳しいものだ。だが、保守系シンクタンクのヘリテージ財団の専門家らは、北朝鮮のミサイル・核開発を支援しているとされる中国の金融機関に対して、さらに厳しい措置を取る余地があると考えている。
外交問題評議会は、制裁をより効果的なものにするには、北朝鮮に課された既存の制裁をきちんと実施すべきだと主張している。
(翻訳、編集:山口佳美)