アップルのティム・クックCEO。
AP
- アップルのティム・クックは、大学で学んだスキルとビジネスで求められるスキルの間には「ミスマッチ」があると語った。特にプログラミングがそうだ。
- また同氏は2018年、アップルのアメリカでの新規採用者の約半数は4年制大学の卒業者ではないと述べた。
- 発言は、3月6日(現地時間)に開催されたAmerican Workforce Policy Advisory Boardでのもの。
アメリカでは、以前はそうではなかった職種でさえも、4年制大学を卒業することが仕事に就く前提となっている。だがアップルのティム・クックCEOは違う見解を語った。
クックCEOによると、学生が大学で学んでいないだろうが、今、確実に必要とされているスキルがある ── プログラミングだ。
「我々は、大学卒業者のスキルと、我々および他の企業も将来必要になると考えているスキルの間に、ある種のミスマッチが存在すると理解している。我々はプログラミングがより重要なものになると考えている」と3月6日、クックCEOはトランプ大統領が主催したAmerican Workforce Policy Advisory Boardで語った。
クックCEOはまた、2018年、アップルのアメリカでの新規採用者の約半数は4年制大学の卒業者ではないと述べた。
さらにクックCEOは、高校卒業までにすべての子どもにある程度のレベルのプログラミング教育を行うべきだと考えていると語った。アップルは2016年、幼稚園児から大学生までを対象としたプログラミング教育カリキュラムである「Everyone Can Code」プログラムをスタートさせた。
クックCEOによると、現在、アメリカで4000の学校がこのプログラムを使用している。
またグラスドア(Glassdoor)によると、アップルは職種によっては、大卒資格を必要としない企業の1つ。グーグル、IBM、バンク・オブ・アメリカ、ヒルトンもそうだ。
大学を卒業していない人のチャンスは拡大しているが、2019年2月に発表された労働統計局(Bureau of Labor Statistics)のデータによると、大学卒と卒業していない人の収入の間には依然として明らかな違いがあった。週の収入の中央値は2018年、高卒は730ドル、大卒が1198ドルだった。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズはリード大学を中退したのち、1976年にアップルを自宅ガレージで創業したことは有名な話。
「我々は大学を卒業することは必ずしも必要なこととは決して考えていない」とクックCEOは語った。
「我々は常に視野を広げることにトライしている」
[本文:Apple CEO Tim Cook explains why you don't need a college degree to be successful]
(翻訳、編集:増田隆幸)