KFCが中国のファストフード界を支配している。
Harrison Jacobs/Business Insider
- KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)は、中国で人気のファストフード・チェーンだ。
- その成功の秘訣は、メニューを現地の消費者の志向に合わせていることだ。
- 筆者は北京にあるKFCでいくつかのメニューを食べてみた。アメリカのKFCで食べるよりも味が良く、フレッシュだった。
中国の1100都市で5000店以上を展開しているケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は、中国のファストフード界を支配している。
KFCは中国に初めて進出したアメリカのファストフード・チェーンで、1号店がオープンしたのは1987年。
3階建て、3600平方フィート(約330平方メートル)、座席数500を誇る中国最大のKFCは、北京の天安門広場から歩いてすぐの場所にある。オープンから数カ月は、店の外まで長い列ができた。
ユーロモニターによると2016年現在、KFCは中国で11.6%の市場シェアを誇る。マクドナルドの店舗数は約2500、市場シェアは5.6%だ。
中国におけるKFCの成功の秘訣は、アメリカのKFCとは全く違う中国人好みのメニューだ。もちろんフライドチキンはあるが、エッグタルトやお粥、「ドラゴンツイスター」といったさまざまな現地メニューも提供している。
KFCとその親会社ヤム・チャイナは近年、2014年の鶏肉の品質をめぐるスキャンダルや2016年の鳥インフルエンザといったさまざまな問題に苦しんできた一方で、積極的なビジネス展開をしてきた。2018年には健康志向の高まりを受け、杭州市に健康的な食事に特化したレストラン「KPRO」をオープンしている。
中国を旅する機会を得た筆者は、KFCに立ち寄ってみた。
中国で5000店舗以上を展開するKFCは、人気のファストフード・チェーンだ。筆者は北京の天安門広場の近くにある店へ向かった。
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中国には、早くて安い食べ物を提供する屋台がたくさんある。KFCが中国に初上陸したとき、アメリカン・スタイルの座って食べるレストランは、高級店と見なされた。多くの中国人消費者にとって、KFCは清潔な店内で出来立ての食事が取れる場所だった。
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中国の消費者が成熟するにつれ、KFCは目新しい存在ではなくなった。だが、今でも人気だ。日曜日の昼時に店を訪れると、店内は混み合っていた。
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手軽なランチを楽しむ家族連れや友達と集まる10代の若者、宿題をする大学生がたくさんいた。
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大半の客は筆者のようにレジには並ばず、壁のQRコードをスキャンして携帯電話から注文、支払いをしていた。中国ではQRコードが至るところにある。紙のメニュー表がないレストランも多い。
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筆者の順番が来ると、店員はカウンターの下からラミネート加工された英語版のメニュー表を取り出した。シュリンプ・サンドイッチや抹茶アイス、お粥、しょうゆ味の鶏手羽など、見慣れないオプションがたくさんある。
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筆者はこの寿司ロールのような広告を目にし、食べてみたいと思った。だが、残念なことに寿司ロールとお粥は朝食の時間帯のみの販売だという。悲しいかな、また次の機会に。
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ちょっと頼み過ぎた。でも、これも全て読者のためだ。 筆者が注文したのは、10ピース入りのチキン・バスケット(しょうゆ味5ピース、フライドチキン5ピース)、ドラゴンツイスター、チキンと海藻のライスボウル、エッグタルト、チキンサラダ、ピーチ・ウーロン茶、それから「ナイン・ライブズ」というジュース。
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まずはチキンから。しょう油味の鶏手羽はサクッとよく揚がっている。甘辛のソースも多すぎず、少なすぎず。肉も柔らかい。
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次はフライドチキン。味付けはアメリカのKFCとほぼ同じだが、1ピースが小さい。ただ、かぶりついてみると、コショウがきいていて、スパイシーだ。筆者は普段、調味料を足すタイプだが、このチキンには必要なかった。味が良く、アメリカのKFCで食べるよりも油っぽくない。
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容器には、中国の古典的な柄が使われている。
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「ナイン・ライブズ」というジュースは、パイナップルとオレンジのものすごく甘いミックスジュースという感じ。中国の飲み物やデザートはあまり甘くないのに、意外だ。
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筆者がチキンサラダを頼んだのは、中国に来て3週間が経ち、まだサラダを食べていなかったからだ。軽く揚げたチキンは柔らかくてジューシー。大半のサラダのように、パサパサしていない。キノアやコーンも入っている。あとの野菜は普通。ドレッシングは甘い。なぜかマッシュポテトが2つ添えられている。
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筆者が一番気に入ったのはドラゴンツイスターだ。ネギやキュウリ、ソースと一緒にフライドチキンが北京ダックのように薄い皮で巻かれている。あっという間に完食。
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チキンボウルは日本の丼によく似ている。チキンの下のごはんは、少量のしょう油と海藻で味付けされていた。チキンは照り焼きのような味付けで、鶏手羽のソースよりも濃い。皮がパリパリで驚いた。鶏肉は新鮮で美味しかった。
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豊富なデザートメニュの中から、筆者はエッグタルトを選んだ。ビスケットの代わりに付けてもらうことができる。もしかしたら中国で食べたエッグタルトの中で一番美味しかったかもしれない。パイはサクサクで、上から砂糖をまぶした真ん中の部分はクリーミーだった。
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ピーチ・ウーロン茶も、甘さ控えめで美味しかった。全体として、中国のKFCはアメリカよりも断然良かった。食べ物は新鮮で油っぽくないし、よく考えられている。
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KFCは2018年、新たなコンセプトのレストランをオープンした。KPROはヘルシーな食事を提供し(フライドチキンはなし)、支払いには顔認証を使用している —— だが、これはまた別の話だ。
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(翻訳、編集:山口佳美)