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【SXSW2019】トレードショーで気になる日本の出展ブースを見てきた

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3月8日(現地時間)よりアメリカ・テキサス州オースティンで世界最大級のイノベーション・カンファレンスSXSW2019(サウス・バイ・サウスウェスト2019)が開催された。9日には見本市(トレードショー)も始まり、今年も数多くの日本企業が注目を集めている。

世界から数百社以上が選ばれるSXSWピッチでは、ファイナリストに日本企業のStroly (ストローリー)が選出された。Strolyは、紙に手書きした地図をオンラインで配布できるプラットフォーム。アップロードした自作の地図には、GPS(全地球測位システム)による位置情報を連動させることができる。

2019年のSXSWで配布されている紙の地図は、同社のサービスを用いてオンラインでも配信されている。

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SXSWの「Stroly (ストローリー)」のブース。

東京大学産学協創推進本部が主催する「Todai To Texas」は、東京大学で生まれたプロジェクトをSXSWに送り出すプログラムで、2019年で6年目を迎える。

多くのユーザーが体験を希望して並ぶのは、人間拡張工学により登場した「LevioPole」。

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空中での「触覚」を体験できるVRプロダクト「LevioPole」。

空中における触覚を体験できるプロダクトで、棒(ロッド)の両端にプロペラを装着することで、推力を発生させて並進方向や回転方向の力をユーザーに与える。VRゴーグルを装着することで、視覚も含めてまるで空中浮遊しているような体験が可能だ。

漫画から吹き出しのみを抽出し、そのなかの日本語を多言語に翻訳する自動漫画翻訳「MANTRA」は、画像認識のほか翻訳にAIを用いて、特殊な漫画翻訳の精度を高めるという。同社の共同創業者・日並遼太氏によると、卒業後はすぐに起業を考えているとのこと。

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自動漫画翻訳サービス「MANTRA」。

光るサーフボードの展示で目を引くのは、「jellysurf」だ。加速時や旋回の方向によってサーフボードに埋め込まれたLEDが 色を変化させる本プロジェクトは、共同創業者の江川主民さんによれば、もともと初心者向けにサーフボードの乗り方を教えることを目的としていたという。しかし、上級者の動きに合わせて色を海上で刻々と変化させていくボードの様子もかなり評判が良いとのことだ。

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光るサーフボード「jellysurf」。

コネクテッド・ロボティクスでインターンを務める宮武茉子さんのプロジェクト「Loraine」は、パンや卵焼きなどの朝食を自動で調理するロボットだ。宮武さんは、今春より調理可能な数を増やしつつ、市販に向けて煮詰めたいという。

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パンや卵焼きなどの朝食を自動で調理するロボット「Loraine」。

スタートアップだけではなく、企業内起業家(イントラプレナー)たちによる挑戦も活発だ。

東北新社の井上淳氏がリーダーを務める「TRUE MEMORY」は、音、写真、動画を含めて360度で空間を記録する。VRによって体験することで、大切な家の思い出などを再現することを目指す。まるで映画「レディ・プレイヤー1」のなかに登場する過去の再現ホログラフィーを思い起こす。

本プロジェクトは井上氏の友人の父親が急逝した際に、遺品を整理することが大変だったことをきっかけとして、大事な思い出をどのように扱うのか考えることから始まったという。

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音、写真、動画を含めて360度で空間を記録するサービス「TRUE MEMORY」。

「SUSHI SINGURALITY(寿司シンギュラリティ)」は、電通グループで食のデータ化を目指す「OPEN MEALS」によるもの。昨年、そのプレゼンテーションが話題になった「寿司テレポーテーション」の進化版とも言えるだろう。

同プロジェクトは、オンラインで食の味に関するデータを共有・編集、またそれを3Dフード・プリンタを使って加工、再現を目指す。今回はヘルスデータを取り入れるなど、味と栄養の個人化に加えて、新しい寿司のデザインも提案。近い将来、東京に同名の超未来型の寿司レストランのオープンを構想しているとのこと。

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「SUSHI SINGURALITY(寿司シンギュラリティ)」。

(文、写真・Koba)

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