737MAXの問題点、パイロットは墜落事故の数カ月前に当局に指摘していた

ボーイングのコックピット

Boeing

  • 短期間での2度目の大事故となった3月10日(現地時間)のエチオピア航空の墜落事故に先立つ数カ月前、数名のパイロットがボーイング737MAX8に関して、少なくとも問題を5件、報告していた。
  • ある機長はオートパイロット・システムの問題を指摘し、フライトマニュアルを「不適切で、ほぼ犯罪と言えるほど不十分」と呼んだ。
  • 「こうした介入的な操作が必要となる事実は極めて重大な問題」と別のパイロットは2018年11月に指摘した。
  • ボーイングは737MAXに対する批判に直面している。いくつもの国と航空会社は737MAXの運航を停止している。

短期間での2度目の大事故となった3月10日(現地時間)のエチオピア航空の墜落事故に先立つ数カ月前、数名のパイロットがボーイング737MAX8に関して、少なくとも問題を5件、報告していた。

ダラス・モーニング・ニュース(Dallas Morning News)によると、ここ数カ月で少なくとも5件の問題が航空当局に提出されていた。ある機長はフライトマニュアルを「不適切で、ほぼ犯罪と言えるほど不十分」と呼んだ。

問題はパイロットがインシデント(事故につながりかねない事態)を匿名で報告できるFAA(アメリカ連邦航空局)のインシデント・データベースに書き込まれていた。

特に737MAXのオートパイロット・システムの問題点が強調された。オートパイロットは2018年10月のライオンエア610便の墜落事故の後にも疑問視されていた。

ライオンエアの墜落現場から回収されたブラックボックスの解析結果から、610便はセンサーの不具合が原因で操縦不能となり急降下したようだと伝えられた。

エチオピア航空のCEO、テウォルデ・ゲブレマリアム(Tewolde GebreMariam)氏はライオンエアの墜落事故と10日の墜落事故には類似点が「存在する」とCNNに語った

「機体のコントロールが難しくなり、パイロットは空港に戻ることを要請していた」とゲブレマリアムCEOは述べた。

オートパイロットへの指摘

ボーイング737MAX。ワシントン州レントンにあるボーイングの工場にて。

ボーイング737MAX。ワシントン州レントンにあるボーイングの工場にて。

Reuters

ある報告では、パイロットは離陸中に発生した問題を記していた。オートパイロットの作動中に機首が突然下がり、警報システムが「Don't sink, don't sink!」と鳴り始めたとPoliticoは伝えた。状況を改善するにはオートパイロットを解除するほかなかった。

また、Politicoによると、2018年11月に737MAX8の問題を報告した別のパイロットは、パイロットに適切なトレーニングを行わずに、あるいは737MAX8のシステムが以前のモデルとどう違っているのかを明らかにせずに、この機体を飛ばし続けることは「不道徳」なことと記した。

「こうした介入的な操作が必要となる事実は極めて重大な問題。今や我々は採用されているシステムはエラーを起こしやすいものと理解している ── システムの構成、冗長性の設定、故障の発生原因がたとえ分からなくても、エラーを起こしやすいことは分かった」とパイロットはレポートに記した。

10月の報告では、あるパイロットは737MAXのオートスロット・システムは適切に機能しないと指摘した。その時の不具合はパイロットが推力を手動で調整することで修正された。

「その後すぐ、他の航空会社の事故を知った。他のクルーは737MAXのオートスロット・システムの似たようなインシデントを経験していないのだろうか?」

批判に直面するボーイング

ニューヨーク証券取引所、ボーイングの表示

Reuters / Brendan McDermid

エチオピア航空302便の事故原因の捜査が進む中、ボーイングは批判に直面している。

世界中のいくつもの国と航空会社は検査のためにボーイング737MAXの運航を停止し始めている。

3月12日、ボーイングの時価総額は2019年のピークから400億ドル(約4兆4000億円)下落したと伝えられた。株価は3月1日の最高値から15%下落した。

こうした状況を受け、ボーイングは数週間以内に737MAXのフライトコントロール・ソフトウエアのアップデートを行うと発表。ただし、機体に物理的な変更を加えるのか否かは明らかにしなかった。ボーイング737MAXは2018年春に運航が開始されたばかり。

「737MAXをめぐる議論の中心にあるのは、MCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)」とBusiness InsiderでTransportationを担当するBenjamin Zhangは記した

「大型で、燃料効率に優れたエンジンを搭載するために、ボーイングはエンジンの取り付け方法を変更した。この変更により機体の重心位置が変わり、737MAXはフライト中に機首が上がりやすくなり、失速する恐れが増した」とZhangは述べた。

「MCASはこの傾向に自動的に対応し、機首を下に向けるよう設計されている」

[原文:Pilots complained to authorities about issues with the Boeing 737 Max for months before the deadly Ethiopian Airlines crash

(翻訳、編集:増田隆幸)

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