スマホと接続して使えるカメラ「Insta360 EVO」は180度3D撮影と360度撮影に対応。写真は180度の3D画像撮影時の形態。
出典:SB C&S
- スマホ向け360度カメラシリーズの新型が登場。360度および180度3D画像の撮影が可能
- 撮影モードの切り替えはカメラを開いたり、たたむだけでいい
- 日本ではソフトバンクのグループ会社が販売を行い、4月12日以降に各ECサイトや家電量販店で販売開始予定
ソフトバンクのグループ会社 SB C&Sは、中国・Shenzhen Arashi Visionが現地時間3月13日に発表した新型カメラ「Insta360 EVO」の独占販売を開始する。
SB C&Sの直販サイトでの価格は5万6570円(税込)、予約開始は3月14日からで、販売開始は4月12日を予定している。
180度3D画像も360度画像も1台のカメラで撮れる
Insta360 EVOの最大の特徴は、いわゆる全天周画像が撮れる「360度撮影モード」と180度の立体視対応のVR画像が撮れる「180度3D撮影モード」の2種類のモードを備えている点。それぞれのモードは本体を開くことで180度3D、たたむことで一般的な360度撮影と切り替えられる。
どちらのモードでも最大5.7K解像度(5760×2880ドット)の高画質な動画、約1800万画素相当の静止画で保存可能。3D撮影に特化した専用の手ブレ補正技術を採用しているため、持ち歩きながら撮影しても滑らかな映像が撮影できるという。
本体中央の蝶番(ちょうつがい)のようになっているところで折りたためば、表裏にカメラレンズが向き、360度撮影が可能。
出典:SB C&S
画質面に関して、Shenzhen Arashi VisionでInsta360のマーケティング担当責任者を務めるMax Richter氏は、Business Insider Japanの取材に対し以下の様に回答している。
「EVOは5.7K画質の動画を撮影できます。これは既存の一般向け3Dカメラの中でも最高クラスの解像度です。
特にVR視聴では、高解像度のコンテンツがより高い没入感にもつながります。そのほか、自然で明暗差が大きい場所でもキレイな色を撮影できる独自のHDRモードも搭載しています」(Richter氏)
なお、撮影したデータをスマートフォンで閲覧するための折りたたみ式の3Dグラスが付属。そのほか、Facebook傘下のオキュラスの「Oculus Go」、オキュラスとサムスン電子の共同開発となる「Gear VR」といったVRヘッドセットを使うと、より高い没入感で楽しめる。
また、データ自体はFacebookやYouTubeにアップロード可能なので、自分だけではなく友だちや全世界に公開してシェアすることもできる。
VR市場の成長で“180度3Dカメラ”の人気にも火がつくか
Insta360は、コンシューマー向けにはiPhoneやAndroidに取り付けることで簡単に360度写真や動画が撮れるデバイスとして好評を博してきた。
イギリスの調査会社 FutureSource社によるとShenzhen Arashi Visionの360度カメラとしてのシェアは世界1位。インスタグラムでは360度写真を加工した球体のような静止画(#littleplanets や #360度カメラ)の投稿が盛んに行われている。
また、今回のInsta360 EVOは360度画像に加え、180度の3D画像も撮影できる。180度の3D画像は360度画像に比べ日本ではまだ未成熟な領域で、大手メーカーの市販品もレノボの「Lenovo Mirage Camera with Daydream」(直販価格3万4024円、税込)などしかなく、選択肢は少なかった。
Insta360 EVOは販路としてSB C&Sの直販サイトやAmazon.co.jpなどのECサイト、全国の家電量販店のECサイトや実店舗での販売を予定している。VRに関する国内市場も前述のOculus Goや「PlayStation VR」がけん引していることもあり、Insta360 EVOの登場で180度の3D画像は2019年でさらに身近に存在になるかもしれない。
(文・小林優多郎)