Tomohiro Ohsumi/Getty Images
- モルガン・スタンレーのデータによると、iPhoneの中国での需要は安定してきたようだ。
- 中国のスマートフォン市場が低迷する中、iPhoneは値下げが功を奏し、シェアを伸ばした。
- アップルは2019年1月、第1四半期の業績予想を下方修正、中国でのiPhoneセールスの低迷に言及していた。
モルガン・スタンレーのアナリスト、ケイティ・ヒューバーティー(Katy Huberty)氏の調査によると、アップルのこのところの株価低迷の主な要因となっていたiPhoneの中国での需要は安定してきたようだ。同社の株価は3月14日(現地時間)、1%上昇した。
「2018年第4四半期にシェアを失った後、iPhoneのインストールベースは2019年はじめの値下げを受けて、シェアが回復しつつあることを示している」とヒューバーティー氏は記した。
「サプライチェーンのデータも安定してきていることと合わせて、我々は3月期のiPhoneセールスの予想を上方修正している」
iPhoneの中国でのインストールベース(前年比)
Morgan Stanley
ヒューバーティー氏はモルガン・スタンレーがまとめたデータにもとづき、需要が安定してきた理由を4つあげた。
- 中国のスマートフォン出荷台数がここ6年で最低を記録したにもかかわらず、アップルのマーケットシェアは過去2カ月上昇した。最新モデルiPhone XRの値下げが功を奏した。アップルは2018年第4四半期にはシェアを失っていた。
- 2019年2月は2018年8月以来初めて、iPhoneの生産台数が引き下げられなかった月となった。在庫がもう増えていないことを示している。
- 生産見通しは第1四半期の予測を前倒しして取り込んでいる。売り上げ見通しは控え目なものになる可能性がある。
- 買い替えサイクルは最終的にはPCと同様のものになったように思える。需要は安定化するだろう。
ヒューバーティー氏はアップルに対する「オーバーウェイト(買い)」の評価と197ドルの目標株価を変えていない ── 197ドルは14日の終値から7%アップとなる。
ヒューバーティー氏の結論はUBSのアナリスト、ティム・アークリ(Tim Arcuri)氏の結論と合致している。アークリ氏は2019年2月、iPhoneの最悪の需要問題は終わったと結論づけた。また同氏は在庫およびサプライチェーンのデータは、中国のiPhone需要が安定したことを示していると述べた。
2019年1月、アップルは2019年第1四半期の業績予想を下方修正、株価は9%下落した。アップルは中国でのiPhoneセールスの低迷が下方修正の主な要因と述べた。業績予想の下方修正は同社にとって12年ぶりのこと、ウォール街のアナリストはアップルの目標株価を引き下げた。
アップルの株価は現在、年初以来16%高となっている。
Business Insider
アップルの現在の株価はこちら。
[原文:Apple's iPhone sales are starting to stabilize in China, Morgan Stanley says (AAPL)]
(翻訳、編集:増田隆幸)