納車を待つテスラ「モデル3」が並ぶ。
Reuters
- 四半期末までに車を納車するための、なりふり問わない取り組みはテスラでは目新しいことではない。Business Insiderが確認した社内メールによると、この四半期も例外ではない。
- テスラのシニア・バイスプレジデント、サンジャイ・シャー氏は四半期の残り15日で3万台を納車するために従業員に協力を求めた。
- イーロン・マスクCEOも納品の問題を認識している。同社は2019年はじめ、自動車運送会社を買収した。
新車「モデルY」を発表した数時間後、テスラは第1四半期末までに車を納車するために、再び、従業員に協力を求めた。
シニア・バイスプレジデントのサンジャイ・シャー氏が3月15日(現地時間)に同社の部門長に送った社内メールによると、テスラは3月に迎える四半期末までに車を納車するために、再度、納車を手伝ってくれる従業員を募集することを考えている。Business Insiderはメールのコピーを入手した。
「ボランティアを集めるために部門長の協力が必要」と同氏はメールに記した。
「15日で3万台以上を納車しなければならない」
2018年第4四半期の決算報告において、テスラは2019年第1四半期の生産台数は「引き続き増加する」と考えていると述べた。だがヨーロッパおよび中国での納車を開始したため、北アメリカでの納車は直前の四半期よりも少なくなる可能性がある。ちなみに、2018年第4四半期には9万966台を納車した。
テスラの広報担当者はこの件についてコメントを拒否した。だが従業員の参加は任意と繰り返した。
納車はテスラにとって、繰り返し浮上する問題点。2018年9月、イーロン・マスクCEOは、テスラは「生産地獄」から「物流地獄」に移行したと語った。一方、従業員は納車のための全社をあげた取り組みを語った。ある従業員は納車を待つ顧客のところまで3時間かけて車を運転して届け、ウーバーを使って帰ってきたと語った。
「我々は会社を成功させるために協力している」と従業員は匿名を条件に語った。
「我々は我々自身の仕事を確保するために、そして会社のために協力している」
会社のさまざまな部門の従業員によるこの取り組みは第4四半期も続いたと従業員は語った。
テスラは、納車に苦戦していることを認めている。2019年1月、同社は自動車運送会社の買収を発表した。
「これにより、我々はより一層のコスト削減と顧客満足度の向上を図ることができる」とマスクCEOは投資家に述べた。
だが、納車に多くの従業員の協力を求めたシャー氏のメールを考慮すると、納車能力の増強はまだ目標に達していないようだ。
[原文:Tesla is asking employees to volunteer and help deliver 30,000 cars before the end of the quarter]
(翻訳、編集:増田隆幸)