「やりたいことがわからない」人こそ読むべき、もっとも熱い人材業界トップ3人からのエール

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おはようございます!朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です。

働き方が多様化する現代。日々、自分自身のキャリアについて考える方も、多いのではないでしょうか?ただ、その正解ってなんだろう?と考えてみても、なかなか答えが見つからず、頭を悩ませる方も少なくないと思います。

そこで、人材業界の最前線を走っている、ヴォーカーズの増井慎二郎さん、リンクアンドモチベーションの麻野耕司さん、ワンキャリアの北野唯我さんをゲストでお招きし、キャリアのリアルを伺ってみました。

なお、このイベントは、朝渋とBUSINESS INSIDER JAPANのコラボイベントとなります。

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増井慎二郎さん(写真中央)ヴォーカーズ代表取締役社長:立命館大学卒業。パソナで新規事業開発に従事した後、インターロジックス(現電通デジタル)にてCRMの企画設計に携わり、2002年アンテロープキャリアコンサルティングを設立、取締役を務める。2007年6月にヴォーカーズ設立、代表取締役社長に就任。

麻野耕司さん(写真左)リンクアンドモチベーション取締役・ヴォーカーズ取締役副社長:慶應義塾大学卒業後、リンクアンドモチベーション入社。中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング事業の執行役員に当時最年少で着任。新規事業として国内初の組織開発クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げる。2018年10月にヴォーカーズ取締役に就任。Vorkersリクルーティング責任者。

北野唯我 さん(写真右)ワンキャリア執行役員:兵庫県出身。新卒にて大手広告代理店の経営企画局・経理財務局で中期経営計画の策定、MA、組織改編、子会社の統廃合業務などを担当。その後、米国・台湾での留学を経て、外資系戦略コンサルに転職。総合商社の事業戦略立案などを担当。2016年にワンキャリアに参画、最高戦略責任者。経営企画・メディア事業担当の執行役員、採用コンサルタント。一方で、サイトの編集長としてコラム執筆や対談、企業現場の取材を行う。メディア/講演実績多数。1987年生。初の著書『転職の思考法』が【発売2月で10万部突破】【Amazonキャリアカテゴリーで発売90日連続1位】などを獲得中。

仕事の楽しさは『やりたいこと×やれること』で生まれる

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Business Insider Japan(以下BI):本日のテーマは「最強の人材とは?」であるので、その内容を紐解いていこうと思います。まずは、皆さん、どうやって“やりたいこと”を見つけてこられたのでしょうか?

麻野さん:僕、やりたいことがもともとなかったんです。この前も、北野さんと喋っていて「なんでリンクアンドモチベーションに新卒で入社したんですか?」と聞かれたのですが、受かったのがその会社だけだったからなんです。でも、目の前にある仕事を一生懸命にやろう!と取り組んでいたら、段々仕事が面白くなって、いつしか「リンクアンドモチベーションで組織を良くしていく」ということが、自分のやりたいことになっていきました。

すごいキャリアのこと考えても、その通りになることなんて少ない。ポーカーで最初に配られるカードって、自分では選べないじゃないですか?そのカードの中で手を良くしていくというのがポーカーだと思うんですけど、企業選びはこれと一緒です。なので、最初にどのカードをもらうかを考えすぎずに、与えられた場所で頑張っていくことで、したいことが見つかっていくと思います。

やりたいことを見つけるために、自分探しも大事ですが、それ以上に“自分づくり”が大事だなと。例えば、やりたいコトが見つかって新卒で入社した会社があったとして、1年後ぐらいに「やっぱり、やりたいことじゃなかったです」と言う。転職して、また1年後同じことを繰り返す。それって、きっと『やりたいことじゃなかった』という理由ではないと思うんですよね。

仕事の楽しさって、『やりたいこと×やれること』で生まれるんじゃないかと考えています。自転車って、補助輪を外して漕ぐ練習する時、全然楽しくないじゃないですか?乗れるようになると、行きたいところに早く着けたり、見たい景色を見れるようになったりして、楽しくなると思うんです。補助輪で練習している時、「やっぱり自転車がやりたいことじゃなかった」となっているのと同じなんですよね。だったら、まずは自転車に乗れるようになることって、大事だなと思います。

BI:ありがとうございます。一方、増井さんは会社員人生が2年で起業も2回経験。この3人の中でも、やりたいことがはっきりしているタイプと思うのですが、いかがですか?

増井さん:私の場合、起業するまでは悶々とした時代がありました。私が大学生の頃は、日本の経済が一気に疲弊感を感じだした時代なんですよね。日本のバブルの絶頂期って、時価総額の世界ランキングベスト10に、日本企業が7社入っており、1~5位が日本企業という状況でした。そんな時、私は大学生〜社会人1年目で、その経験がすごく影響していると思っています。

「日本の終身雇用とかの社会システムは、なにか違うな、もたれかかっちゃいけないものに、みんながもたれかかっている感覚があるな」というのが、すごく充満していた時代だったんです。だったら、そのシステム自体を変えていけるんじゃないか?と思っていて、それが起業の動機になっていますね。

インターネットバブルが始まって、そこに若い人が集まって、渋谷が熱狂していた時代がありました。それを受けて、「個人がもっと可能性に挑戦するような転職の可能性を、どうやってインターネットで解決できるか?」と考えるようになったんです。その結果、社員口コミをやっていきたいなと思うようになりましたが、そこに行き着くまで、とても時間がかかりましたね。

BI:北野さんは、一番変遷が大きいと思うのですが、したいことはどうやって見つけてきたんですか?

北野さん:いつもこういう話は、無人島を例えて考えていきます。「自分がもし無人島にいたら」って考えると、自分たちの価値観が見えてくる。昔、為末(大)さんが「足が速いというのは、どういうところから生まれるんだろうね?」と問いを投げていました。ボルト選手の周りにも足が速い人って、たくさんいると思います。でも、ボルト選手がいることによって「自分の足が遅い」と感じるわけです。

では、無人島で生まれていたらどうなるかというと、そもそも“足が速い”という概念ってないじゃないですか?人と比較することがないので。やりたいことも、この考え方と同じだと思っています。もし、日本に野球がなかったら、今のプロ野球選手は「野球がやりたい」と思うのだろうか?と考えた時、きっとやりたいと思わないはずです。そもそも知らないので。

ということは、やりたいことって「見つける」ところから始める人がほとんどだなと思う。原始的な欲求として、「肉食べたい!」とかはあると思いますが、「口コミサイトつくりたい!」って、原始的欲求とはかなり離れたものです。ということはやはり、まずは知っていって、それが本当に価値があるんだなと感じるプロセスがあることで、やりたいことって見つかると思うんです。

まずは知ること。そして、その解像度を上げていくこと。それらが大変重要なんだと思います。あとは、自分自身を常にご機嫌にすること、人のモチベーションを阻害することを排除することって、意外と大切だなと思っています。オフィスが汚いとか、嫌いな人がいるとか、があるとモチベーションが下がることに繋がってしまう。なので、これらを考えると、やりたいことは見つかっていくと思います。

インプットのコツはアウトプットを決めること

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BI:皆さん、インプットについて大事にしていることってありますか?

増井さん:インプットしようと思っていても、なかなかできない状況ってあると思います。そういう時は、アウトプットする機会をつくることが大切なのかなと。こういう場に参加するとなると、対談相手のことを知っておく必要がありますよね?だからこそ、積極的にインプットしようとする。あとは、期限を決めるのもいいと思いますね。

BI:なるほど。麻野さんはいかがでしょうか?

麻野さん:増井さんと一緒ですね。インプットのコツは、アウトプットを決めること。今、3月末の販売に向けて、『THE TEAM』という本を書いています。それは春ぐらいに、「最近アウトプットばかりで、ちゃんとインプットできていないな。もう一回、自分の土台を作り直すために、経営学とか心理学とか行動経済学とか、そういう学術分野を学び直したいな」という気持ちがあったんですよ。

その時に、まず最初に決めたのがアウトプット。「もう本出そう!」と決めました。これまで学んできたことを世の中に出そうと決めて、先に出版の予定を決めて、そこに向けてインプットをしていきました。すると、情報が深く入ってくるんですよ。人に伝えないといけないので。

イスラエルに『死海』がります。そこは塩分濃度が高すぎて、生物が生きられないそうです。なぜそうなっているかというと、すごい低い位置にあるので、流れ込む川しかないそうなんですね。普通、湖って流れ込む川があれば、流れ出る川もあります。循環することで水の鮮度が保たれるそうで、死海は水が滞留することで死んでいくと。

人間の知識もそれと一緒。インプットするだけだと、どんどん死んでいってしまうんですよね。アウトプットすることで知識が循環して、自分の中で本当に使える知恵になる。こういうトークイベントで聞いたことをSNSで書くでもいいので、アウトプットのワンアクションをやることが大切です。

BI:続いて、北野さんお願いします。

北野さん:2つあります。1つは、「空白をつくる」ということ。もうひとつが、「良質な問い」を持つということ。空白をつくというのは、現代が情報過多な時代だからこそ、喧騒から離れるということが良質な情報を得られることにおいて重要な気がしています。Twitterでも、僕はフォローしているのが50~60名ほど。その中でインフルエンサーの方もフォローしているんですけど、うるさくなったらミュートします。そうした方が、良質な情報に触れることができますので。どのような情報を得るか?というより、どの情報を切るか?の方が大事だと思いますね。

もう1つの「良質な問い」は、結局いい情報を持っている人への最高のギフトって、良質な問いだと思うんですよね。「こんないい質問してくれるんだ。」と思えることって、僕らとしてはすごい嬉しいわけです。その良質な問いというのは、その人に対してしっかりインプットしておかないと、決して生まれない。例えば、僕が書いた『天才を殺す凡人』を読んだ人は、読んでいない人よりレベルの高い質問ができると思うんです。これって、ビジネスパーソンにとっては当たり前の話でもありますが、目の前の人の時間をもらっている中で、その人に楽しんでほしいと思うことって大事だなと思いますね。

人々がもうちょっと楽しく働けるような世界を作りたい

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BI:先ほど、「ご機嫌であることが大事」という話が出ましたが、モチベーション上げるためにやっていることとか、あるのでしょうか?

麻野さん:僕の場合は、完全に『仲間』ですね。最近、一番モチベーションが上がったことがありまして、去年同じ部門の社員で旅行に行ったんですよ。2泊3日の最後の夜に、僕がその部門を離れるからムービーをつくってくれたみたいで、それを流してくれました。そこには、この部門を一緒に作ってきたストーリーが映っていて、最後に「もしかしたら麻野さんは自分だけが、この世界を変えたいと思っているかもしれないですが、そんなことはないです。僕たちは、麻野さんと一緒に世界を変えると決めてますから。」というメッセージをもらったんです。めちゃめちゃ泣きましたよ。

1人でやっても、何も楽しいことないじゃないですか。嬉しいことがあったらそれを分かち合い、辛いことがあったらそれも分かち合う。僕にとってモチベーションは仲間以外に何ものでもないなと思っています。これは人によって、違うと思うんです。お金だっていう人がいてもいいし、夢だという人がいてもいい。大事なことは「自分のモチベーションを上げることが何なのか?を知ること」です。

僕の人生にとって一番大事なのは『仲間』だ、ということを僕は胸に刻んでいます。モチベーションを専門としている人って少ないから、色々なお声かけはいただくんですけど、仲間のためにならないことは絶対やりません。このモチベーションを大事にして、これからも生きていきたいなと思っています。

北野さん:麻野さんって、なぜか応援したくなるんですよね。それって何なんですか?

麻野さん:何なんですかね?ダメな人間ってことなんじゃないですか?笑 「こいつ自分がいないとダメだな」と、思わせるスキル。でも、隙があることって大事だなと思っています。

今の時代って、何が正解かわからない時代。だから、色んなスキルがあった方がいいと思っているんですよね。そうなった時、全部のスキルを自分で身につけるのは大変なので、その場その場で仲間を作りながら成果を出していくことが大切なんじゃないかと思っています。全てを自分自身でやってしまうのではなく、自分の強みと弱みを知って、できないことを人に頼ることがとても大事なスキルだなと。

BI:増井さんはいかがですか?

増井さん:僕のモチベーションは、「個性と交わること」なんですよ。Vorkersというメディア自体も、個人の人が自分の個性を発揮させる機会を、見つけてもらいたいと思っています。そういう意味で、ジョブマーケットを透明化したいという想いがある。そして、僕は社員の個性や様々な方の個性と交わることが大好きなんですよね。

麻野さんが言ったように、事業を正社員の個性だけでまかなうことは、もう無理なんですよ。いろんな研究開発が必要で、ベンチャー企業が全部の教育機会を提供していくことはなかなか難しい。複業であったり、業務委託であったりの人のリソースをいかに活用できるか?は、これからのベンチャー企業のマネジメントにおいて、めちゃくちゃ大切になってくると思っています。

北野さんはまさにそれを体現しているなと、思っています。ワンキャリアで働きながらも、様々な場所で自分のスキルを切り売りしているんですよね。こういう働き方ができれば、個人にとっても企業にとっても好循環な仕事になってくるんじゃないかなと思っています。

正社員だ、契約社員だ、業務委託だ、と言うんじゃなくて、いかに個性が発揮できるか?チャレンジができる環境か?がすごく大切になってきているなと感じています。

BI:ありがとうございます。北野さん、いかがでしょう?

北野さん : 僕は、人々がもうちょっと楽しく働けるような世界を作りたいと思っていて、そのためにどの媒体がいいのか?を考えています。

例えば、ビジネスインサイダーさんと一緒にやらせていただいているのも、ビジネスインサイダーさんだからこそ、世の中に言うべきことがあるじゃないですか?そこに、僕自身の能力を掛け算して、「人々が楽しく働ければ嬉しい!」と思っているだけなんですよね。

自分で言うのもあれなんですけど、この3人ってピュアなんです。「世の中どうすればいいのか?」を一緒に考えられる人たち。世の中では、こういったことを言うと「さむっ」みたいなところがありますが、それをピュアに話せるのは本当に楽しいんです。

「変化の波を起こす人」がこの時代の最強の人材

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BI:最後に、本日のタイトルにもある、今「最強の人材」は何だと思われますか?

増井さん:よく「生き残るのは変化適応力がある人」と言われますよね?これって、その瞬間で一番強いこととは別だと思っています。そういう意味で、最強の人材とは、「変化の波に乗ろうとする人」ではなくて、「変化の波に乗れる人」でもなくて、「変化の波を起こす人」が今の時代に強い人材だと思いますね。

麻野さんにしろ北野さんにしろ、自分のモチベーションを大事にしているとか、自分の気持ちに素直になって働くとか、そういうところから波を起こしていると思います。

BI:なるほど、、!北野さんはいかがですか?

北野さん:「ひとりぼっちの中でも、井戸を掘り続けられる人」だと思います。毎日ひたすらルーティーン業務をする時でも、会社が無名な時でも、それでも動き続けられる人は強い。今のいい会社って、人気ランキング上位に入る企業かもしれませんが、その評価が逆転する可能性は十分ある。その時でも、井戸を掘り続けられるか?が大切になるのかなと思いましたね。

BI:ありがとうございます。では、最後に麻野さん。

麻野さん:これは僕個人の考えですが、最強の人材とは「自分のことを知れる人材」なんじゃないかと。必ず、すべての人が最強の人材になれると思うんですよ。「人と比べていて、負けている」ということにこそチャンスがある。誰かと比べて、誰かになりたいと思うよりも、誰かに負けてできないと思う時にこそ、チャンスがあるんです。だから、まずは他人を知ること。すると、段々自分のことが知れて、自分自身の武器が見つかります。その武器をモチベーション高く磨いていくことで、最強の人材になっていくと思います。

(文・ 長田涼 @SsfRn、写真・ Rie @rie_cco_desu

働き方を語る朝渋より転載(2019年3月19日公開の記事)

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