アップル新製品ラッシュ、新型iMacも電撃発表 ── 最新のCPUや高性能なGPUが選択可能に

New iMac

アップルは、iMacのRetinaディスプレイモデルの新型を発表した。

自社のスペシャルイベントの開催に備えるアップルだが、発表会を前に異例の“新製品ラッシュ”が続いている。日本時間3月18日深夜には新しい「iPad mini」と「iPad Air」を、その翌日の19日深夜、今度はデスクトップPCの「iMac」シリーズのアップデートを発表した。

アップデートされたのは21.5インチ Retina 4Kディスプレイおよび27インチのRetina 5Kディスプレイ搭載機種だ。アップル直販サイトでの発送時期は最短で3月27日、直販価格(税抜、各モデルの最小構成時)は以下のとおり。なお、非Retina(高解像度)ディスプレイモデルは継続して販売となる。

21.5インチ Retina 4Kディスプレイ搭載モデル

  • 3.6GHzクアッドコア・1TBストレージ……14万2800円
  • 3GHz(最大4.1GHz)6コア・1TBストレージ……16万4800円

27インチ Retina 5Kディスプレイ搭載モデル

  • 3GHz(最大4.1GHz)6コア・1TBストレージ……19万8800円
  • 3.1GHz(最大4.3GHz)6コア・1TBストレージ……22万800円
  • 3.7GHz(最大4.6GHz)6コア・2TBストレージ……25万3800円

CPUの世代が交代、GPUも高性能版を選べるように

iMac

iMacは、ディスプレイとコンピューターが一体となったいわゆるAll-in-OneタイプのデスクトップPCだ。

今回のアップデートのポイントは2つ。1つは心臓部となるCPUの変更だ。21.5インチモデルはインテルの第7世代Coreから第8世代Coreへ、27インチモデルは第7世代Coreから第9世代Coreへ世代交代した。

その結果、21.5インチモデルは初めて最大6コアモデルをCTOで選択可能となり、従来比で最大60%の高速化(アップルのプレスリリースより)。一方、27インチモデルは8コアまで選択可能で、従来比の最大2.4倍ものパフォーマンスを発揮するとしている。

iMac グラフィック CTO

21.5インチモデルのCTOの注文ページ。

もう1つのポイントは、GPUとしてAMD製の「Radeon Pro Vega」シリーズを選択できるようになった点。Radeon Pro Vegaは、最上位モデルである「iMac Pro」やノートPCシリーズ「MacBook Pro」でも選択可能だったが、iMacシリーズでは初となる。

※CTOとは:
Configure To Orderの略。購入者から注文を受けて生産する、いわゆる「受注仕様生産モデル」のこと。

※GPUとは:
Graphics Processing Unitの略。画像処理装置のことで、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と比べて単純な計算を並列的に処理できる。

ただし、CTOでRadeon Pro Vegaを選べるiMacはそれぞれのディスプレイサイズの最上位モデルに限られている。21.5インチは「Radeon Pro Vega 20」(+3万8500円税抜)、27インチモデルは「Radeon Pro Vega 48」(+4万9500円税抜)を選択できる。

iMac

高い処理性能力を必要とするプロであれば、今回の発表内容は朗報だろう。

それぞれMacBook Proで選択できるGPUのため、最上位シリーズであるiMac Proほどの処理性能は持たないが、アップルは描画性能が従来比で21.5インチでは最大80%、27インチでは最大50%向上するとしている。

CPUの性能アップと、より高性能なGPUが選択可能になったことで、映像制作や写真の現像・編集、3Dコンテンツの制作などがより効率的に行えるようになる。

アップルはiMacを「家族向けPC」としてもアピール?

Apple ニュースルーム

新iMacの発表を伝えるAppleニュースルームには「家族全員で共有するデスクトップ」との表記がある(赤線は編集部による加工)。

興味深いことに、アップルはiMacをクリエイター向けとしてだけではなく、「家族全員で共有するデスクトップ」とも表現している。確かに画面が大きく、非常に高精細なディスプレイを持つRetina版iMacは高品質な映像コンテンツを鑑賞するのにも適している。

とはいえ、単に大画面で映画などを観るだけであればテレビでもいいし、パーソナルなものであればアップル自身が発表した新型「iPad Air」でも十分満足できるはずだ。

発表会前の新製品ラッシュが続く中、日本時間3月26日早朝の発表会の内容が気になってくるところだ。アップルの新しい映像ストリーミングサービス発表とのウワサが根強いが、iMacを家族PCに昇華させるような内容のものになるのか。確かめてみるのもいいだろう。

(文・小林優多郎、写真・アップル)

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