清潔で広々、驚くほど静か ── ベイエリア高速鉄道「バート」の新車両

サンフランシスコの公共列車

Laura McCamy

  • サンフランシスコ地域のベイエリア高速鉄道「バート」は2018年、新しい車両「Fleet of the Future」の最初の10両の運行を開始した。
  • 新しい車両は、現在ベイエリアを走っている騒がしく、老朽化した車両をいずれ完全にリプレースする。現行車両の多くは1970年代から使われている。
  • 私はバートの新しい車両に乗った。清潔で、広々として、自転車にも配慮した工夫に感心した。

私が初めてサンフランシスコのベイエリアに来たのは1987年。当時、公共交通のベイエリア高速鉄道「バート」(Bay Area Rapid Transit:BART)は、ノエバレーにある私の家から金融街まで行くための快適でスピーディーな方法だった。

シートは柔らかくて布張り、車両はカーペット敷き、サンフランシスコ市営鉄道とは違って時間にも正確。まるでファーストクラスだった。

だが時が経ち、かつては快適だった車両には汚れがこびりついてしまった。平日、平均40万を超える人がバートに乗っていることを考えると驚くことではない。サンフランシスコの人口のほぼ半分に相当する数だ。

今、バートが発注したぴかぴかの新しい車両が到着している。

2012年、バートは「Fleet of the Future」と名づけた新車両、775両を製造するメーカーを決定。最初の10台は2018年1月に運行を開始しており、2023年までに全車両を更新する予定。

新しい車両は古い車両よりも静かで、改良された座席とより広い乗客スペースを持つ。また車椅子の乗客、自転車スペース、荷物の収納スペースなども備える。

初めて「Fleet of the Future」に乗った時は興奮した。「レガシーカー」と呼ばれたこともあるバートのオリジナル車両は平均して製造後30年が経つ。ビンテージのシボレー インパラと新しく格好いいオープンカーを交換する場面を想像してほしい。新しいバートに乗るのはそんな感覚だ。

サンフランシスコを走る新しい車両を見てみよう。

新しい車両はシートが少ない。私には、かなり少なく思えた。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

古いバートのシートは間隔が狭く、混雑した車内で出入りするのは大変だった。

古いBARTの車内

Laura McCamy

一方、新しい車両のシートは他のシートや隣の人を窮屈に感じることがないように配置されている。シートは人間工学的に設計され、間違いなく古いシートよりも快適。 青とネオングリーンのカラーも楽しい。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

「立つスペースを増やしたことで、新しい車両にはより多くの乗客が乗れるようになっている」とバートの広報担当者、アナ・ダックワース氏は語った。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

新しい車両は広々している。センターポールには、乗客がいろいろな高さで掴まることができる。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

新しい車両はドアを2つから3つに増やした。乗り降りをスピーディーにし、素早い運行を可能にすることが目的。ドアの上の赤いライトも良い感じ。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

新しい車両は自転車にも対応。3つのドアのうちの1つに自転車マークが付いており、どこに乗れば良いかすぐ分かる。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両の自転車マーク

Laura McCamy

車内には自転車を固定できるスペースが3台分あり、列車が突然停止しても倒れることはない。私は自分の小さなタイヤの折りたたみ自転車を固定するのに手間取ったが、シートステムをラックに押し込んで対処した。自転車から離れることができ、電車が発車したり、停車する時も所定の位置にあることを確認できるのは良かった。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両、自転車スペース

Laura McCamy

車椅子用のドアもある。自転車マークと同じように、車椅子の乗客に分かりやすいようマークが付いていた。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両、車椅子マーク

Laura McCamy

古いバートの車内アナウンスはドライブスルーのスピーカーと同じくらいの音質だった。新しい車両のアナウンスは自動化され、さらに車両の両端とドアのそばには次の駅を示す電子表示板がある。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

ドアの近くには路線図もあり、走行中の現在地を確認できる。車両の更新にあわせて、バートは各路線の終点駅名によるラベリングから、各路線をカラーで分けることにした。新しい駅ができて終点が変わり、混乱を招いていたので、この変更は歓迎された。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両、車内の路線図

Laura McCamy

もちろん、こぼれたソーダなどできれいな床が汚れるのは時間の問題。車両は新しくなったが、乗客は変わらない。だが今のところ、新しい車両の清潔感は気持ち良い。新しい車両は清掃しやすいように設計されている。清潔で明るい印象が続くことを願うばかり。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

古いバートは騒音を打ち消すノイズキャンセリング・ヘッドフォンの市場を生み出した。特にサンフランシスコ湾の下のトンネルを通過する時は音がひどかった。新しい車両は静か、同じように電車の到着を知らせる警笛も静か。新しい車両はバートの外観や雰囲気だけでなく、音の風景も変える。

ベイエリア高速鉄道、バートの新車両

Laura McCamy

古い車両のたるんだシートとベタベタした床を恋しく思うことはないだろうが、消えゆく古い車両に愛着も感じている ── そして、そう思うのは私だけではない。「古い車両には本当にたくさんの思い出が詰まっている。我々は十分理解している」とダックワース氏は語った。バートは廃止された車両をフードトラック、Airbnbのレンタル住居、あるいは恒久的な住宅に転用する提案を受けていると付け加えた。

ベイエリア高速鉄道、バートの現行車両

Laura McCamy


[原文:San Francisco's new public trains are clean, spacious and surprisingly quiet — here's what it's like to ride one

(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)

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