ファーウェイ、4月にテレビ発売? 5G時代見据えIoT分野強化か

ファーウェイ

スマホ世界2位をアップルと争うファーウェイ。次の商品はテレビ?

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中国通信機器メーカーのファーウェイ(華為技術)がテレビ製造に乗り出すと、中国の複数メディアが報じている。

中国メディア「21世紀経済報道」は3月21日、ファーウェイが4月にテレビを発売すると報じた。サプライチェーン関係者の話として、50インチのディスプレイを京東方(BOE)に、65インチは華星光電(チャイナスター)に発注し、1年で1000万台の販売目標を立てているという。

ファーウェイは2018年にテレビを発売すると噂されたが、現実にはならなかった。現地メディアの「界面」によると同社コンシューマービジネスグループの余承東(リチャード・ユー)CEOは3月14日、家電業界への進出を否定しながらも、「テレビ機能のあるスマートデバイスという選択肢はある」との考えを示していた。

なぜテレビなのだろうか。シンクタンクの前瞻産業研究院によると、中国のカラーテレビ販売台数は2015年から2018年にかけ、5000万台前後で推移。単価が下がっているため、販売額は低下傾向にある。

シャオミ

シャオミは既にテレビ市場で成功している。

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TCL集団、スカイワース(創維数字)、ハイセンス(海信電器)など中国大手メーカーの業績も伸び悩んでおり、テレビ製造が儲かる事業でないことは共通認識となっている。

一方で、IoTを搭載したスマートテレビ分野はIT企業の進出が続く。5Gが実用化後は通信速度が飛躍的に上昇し、IoTデバイスの普及にも弾みがつくと見られている。

動画コンテンツ配信の楽視グループ(LeEco)と暴風集団はそれぞれ2014、2015年にスマートテレビを発売したが、テレビとは無関係の要因で経営危機に陥り、テレビ事業もうまくいっていない。それに対し、IoT家電を数年前から手掛けてきたシャオミ(小米科技)のテレビ事業は順調に成長している。

シャオミが3月19日に発表した2018年12月期決算によると、2018年のグローバルでのテレビ出荷台数は前年比225%増の840万台。家電製品調査会社の奥維雲網(AVC)の調査では2019年1月から2月中旬、中国のテレビ販売ランキングトップ10のうち8台がシャオミの商品だった。

ファーウェイとシャオミはスマホ市場で激しいシェア争いをしている。ファーウェイのテレビ参入で影響を受けるのも、既存のテレビ業界ではなく、新しい技術に敏感なユーザーをターゲットにしているシャオミになるだろう。

(文・浦上早苗)

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