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最強のカメラスマホ「Huawei P30/P30 Pro」が登場 ── ファーウェイが考える対iPhone、対Galaxyの答え

Huawei P30 Pro

ファーウェイはカメラ特化のフラグシップ機「Huawei P30/P30 Pro」を発表した。

ファーウェイは現地時間3月26日、パリにて新製品発表会を開催。カメラ特化型の新型スマートフォン「Huawei P30」シリーズを発表した。

P30シリーズの価格

Huawei P30とP30 Proのヨーロッパでの価格。

P30の本体価格は799ユーロ(約9万9000円)。上位機種であるP30 Proはストレージ容量が3種類用意されており、128GB版が999ユーロ(約12万4000円)、256GB版が1099ユーロ(約13万7000円)、512GB版が1249ユーロ(約15万5000円)となっている。

発売時期は欧州などでは発表時点(3月26日)からとなっているが、ファーウェイ広報によると、いずれの製品も「日本での展開は未定」としている。

目に見えないものまで撮れる最大4眼カメラ

P20とP30

手前がP30 Pro、奥がP20 Proの背面カメラ。

P30シリーズの発表会は約1時間30分もの長丁場だったが、そのほとんどの時間は、目玉機能である「背面カメラ」に費やされた。

従来からファーウェイのPシリーズはカメラに重きを置いた設計を採用してきた。2016年に発表した「Huawei P9/P9 Plus」以降は老舗カメラメーカー・ライカと協業し、カメラ機能の開発に取り組んできた。

Pシリーズの歴史

ライカとの協業で価値を高めてきたファーウェイのスマートフォン。

今回のP30シリーズでもそのコンセプトは変わらず、センサーの構成を変えたり、AI技術による補正機能で思わずあっと息を呑む写真の撮影を可能としている。

カメラ機能の特徴は多岐にわたるが目立つ部分では以下の点が挙げられる。

  • 最大409600のISO感度に対応し、人間の目ではものがはっきり見えづらい1ルクスの環境下でも明るく撮れる
  • P30は30倍、P30 Proは最大50倍のデジタルズームが可能に
  • 最短2.5cmの超マクロ撮影に対応
  • 16mmの超広角レンズを搭載
  • P30 ProではToFセンサー搭載により、被写体深度を計測。より自然なボケ味を実現

※ToFとは:
Time of Flightの略。照射した光線が跳ね返り戻ってくる時間から距離を計測する技術。

月の撮影

写真左からGalaxy S10+、P30 Pro、iPhone XS Maxで撮影した月の写真。

50倍ズーム

デジタルズームのため画質は粗くなるがP30 Proは、50倍ズームが可能。

Dual View Video

望遠レンズと超広角レンズの映像を1つの映像として録画できる「Dual View Video」。

これらはP30およびP30 Proに搭載された新しいカメラセンサーおよびレンズ群、そして独自開発の画像処理技術で実現している。

P30の背面カメラ

P30は8メガピクセルで光学3倍の望遠レンズ(F2.4)、16メガピクセルで超広角レンズ(F2.2)、40メガピクセルで広角レンズ(F1.8)の構成。

P30 Proの背面カメラ

一方、P30 Proは20メガピクセルで超広角レンズ(F2.2)、40メガピクセルの広角レンズ(F1.6)、8メガピクセルの光学5倍対応の望遠レンズ(F3.4)、そしてToFカメラという構成。ファーウェイはこれらすべてで“クアッド(4眼)カメラ”と表現している。

画質を含めた実機のレポートは後日掲載するが、スマートフォンカメラの中ではその画質は高く評価されている。

スマートフォンを含めたカメラの性能評価を行う「DxOMark」の総合評価は、アップル iPhone XS Max の105点や先月発表されたばかりのサムスン Galaxy S10+ の109点を超え、P30 Proは112点を獲得している。

大画面狭額縁、高速充電対応など基本性能も充実

P30 ProとP30

写真左からP30 Pro、P30。

もちろんスマートフォンとしての基本性能もしっかりと備えている。

ディスプレーサイズは、P30が6.1インチ、P30 Pro6.47インチで、どちらもフルHD+解像度(2340×1080ドット)の有機ELパネルを採用する。

大画面ながらもP30は狭額縁化、P30 Proは左右両側面まで表示するカーブディスプレーを採用。本体幅はP30が71.36mm、P30 Proは73.4mmという握りやすいサイズ感を実現している。

長時間バッテリー

超ヘビーな使い方をしても、P30 Proなら11時間以上駆動するとしている。

SoCはどちらも同社製の高性能向け「Kirin 980」を採用。メモリーとストレージは、P30が6GBもしくは8GBのメモリーと128GBのストレージ。P30 Proは6GBメモリー+128GBストレージか、8GBメモリー+128、256、512GBのストレージのモデルが用意されている。

※SoCとは:
System on a Chipの略。1チップでコンピューターを実現する統合半導体のこと。

バッテリーはP30が3650mAh、P30 Proが4200mAh。独自の40Wの高速充電規格に対応しており、P30 Proの場合、約30分で全体の約70%にあたる2940mAh分の充電が可能。Qi準拠の高速ワイヤレス充電(15W)にも対応している。

あくまで王道を行くファーウェイ

暗所望遠デモ

発表会中に実施された暗所&望遠撮影のデモでも、(写真左から)iPhone XS Max、Galaxu S10+、P30 Proの比較が行われた。

近年のスマートフォンはコモディティー化が進んでおり、メーカー各社は自社製品のアイデンティティーや差別化ポイントを創出するのに苦労している。

前述のとおり、ファーウェイのP30シリーズの場合は、最高の基本性能を維持し、誰でも簡単に精細な写真が撮れるカメラがウリとなる。しかし、その傾向は同社が比較対象として出しているサムスンやアップルの製品でも同様の方向性を打ち出している。

世界規模で熾烈なシェアを争いを繰広げるこの2社に対し、ファーウェイはどのような戦略を考えているのか。

リチャード・ユー氏

ファーウェイのコンシューマー事業部門CEOのリチャード・ユー氏。

発表会にも登壇したファーウェイのコンシューマー事業部門CEOのリチャード・ユー氏は、同日に開催されたグループインタビューで「消費者であれば、常に最良のパフォーマンスのものを選ぶ」と自信を見せている。

カメラ性能はもちろん、大容量のバッテリーに高速充電機能、持ちやすいサイズ感と最大限大きくした見やすいディスプレーと、他社製品を凌駕する点は確かに多い。

日本では2018年に前機種のP20 ProがNTTドコモ、P20 liteがau、大画面ハイエンドのMate 10 Proがソフトバンクから発売されている。したがって、P30シリーズは現状未定なものの、何らかの形で日本上陸する可能性は非常に高い。

ファーウェイに関しては、中国とアメリカとのデジタル貿易摩擦の今後の展開が注目されるが、ユー氏の主張通り「消費者は最良のものを選ぶ」のか注目が集まる。

(文・撮影:小林優多郎、取材協力:ファーウェイ・ジャパン)

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