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GAFAでカバーできないお客様のニーズに応える —— 目指すのは「ワンマイル・イノベーションカンパニー」

早川礼氏

新会社「ONE COMPATH(ワンコンパス)」の社長に就任した早川礼氏。

2019年春、凸版印刷から新会社「ONE COMPATH(ワンコンパス)」が誕生する。凸版印刷の電子チラシポータルサイト「Shufoo!(シュフー)」と、地図検索サイト「Mapion(マピオン)」を運営する株式会社マピオンが統合、ユーザーの生活圏内(=ワンマイル)でイノベーションを起こし続けることを目指す、凸版印刷としての本格的なB2C領域への参入となる。グローバル市場をめざす企業が多いなかいまなぜワンマイルにこだわるのか。その立ち上げの経緯と理念について、代表取締役CEOの早川礼氏に聞いた(聞き手:Business Insider Japan統括編集長の浜田敬子)。

暮らしに文化をつくる存在を目指す

テーブル

GettyImages / by vesi_127

——「ONE COMPATH(ワンコンパス)」とはどのような会社なのでしょうか。

凸版印刷が、BtoCでIT市場に本格参入する新会社で、凸版印刷の電子チラシポータルサイト「Shufoo!(シュフー)」と、地図検索サイト「Mapion(マピオン)」、二つの組織をベースに新規事業を行います。

ミッションは、ネット上で生活に便利な機能を提供するだけでなく、暮らしに文化をつくるような存在、ライフカルチャーメーカーを目指すこと。社名の「ONE COMPATH」の「ONE」は、Shufoo!とMapionがひとつになり複数のイノベーションを起こす、一歩一歩、オンリーワンなどさまざまな意味があります。

コンパスは「導く、指針」という意味があり、通常スペルは「COMPASS」ですが、「COMPATH」とすることで「道(PATH)をつくる」という意味をこめています。また、羅針盤は印刷技術に並ぶルネッサンス期の世界三大発明のひとつ。イノベーションの象徴でもあります。

コンパス

GettyImages/R_Tee

——本格的にIT市場に参入とのことですが、もともとShufoo!は紙のチラシをネット上で見られるようにしたサービスですね。印刷業とはまったく違う事業を展開する中でどのような気付きがあったのでしょうか。

Shufoo!は、新聞購読者が減っていくなか、折り込みチラシのクライアントである流通企業様からの「ホームページにチラシを掲載できる仕組みがほしい」というニーズを先取りしたことが起点となっています。

ビジネスの転機になったのは2011年。それまでは流通企業様からお金をいただいていましたが、ユーザーがエリアを登録するとチラシが毎日届くような形にし、多くのユーザーを獲得することで収益を得るメディアビジネスに転換をはかりました。

ウェブの利点はユーザーに合った情報を提供できること。そこに本来チラシが持っていた“出合う”価値を付加し、ネット上でも潜在顧客、新規顧客を獲得できるサービスに成長させました。不動産情報、スーパー、ドラッグストア、家電……チラシになっているものはほとんどカテゴリとして入っています。ユーザーさんはチラシを見ること自体が楽しいとおっしゃっていますね。

競争が厳しい地図サイトでどう差別化するか

地図サイトイメージ

GettyImages / Busakorn Pongparnit

——地図サイトは競合が多いと思いますが、Mapionはいかがですか。

競争は激化しています。Mapionの強みはお客様のリクエストに柔軟に応じてカスタマイズできる点。例えば、企業のホームページ内で店舗を検索できるサービス。250社ほどにご利用いただいています。

最近ではパートナー流通店舗さんの在庫情報と組み合わせて、目的の商品がどの店舗で取り扱っているか地図上でわかるサービスも提供しています。

もともとはお客様相談室向けのツールをメーカー様のオウンドメディア上でも提供。ユーザーが24時間、いつでもどこでも、探したい商品を探すことができるため、 お客様相談室への負担も減り、満足度も大きく高まりました。

最近は、Mapionが提供する気象情報、地域の属性、世帯の平均年収などを組み合わせたデータベース「環境データマート」とShufoo!のサービスを組み合わせ、例えば前日より5度下がりそうなエリアのユーザーには鍋の材料の広告、気温が上がるときはビールやアイスクリームの広告を届けるといった連携も行っています。

早川氏

——そうしたShufoo!とMapionの強みを生かし、ONE COMPATHではどのような事業を考えていますか。

Shufoo!もMapionもネットで生活者とダイレクトに接することができるメディア事業が中心です。「ワンマイル・イノベーションカンパニー」として、生活者にも企業にも寄り添ったイノベーションを起こしていく存在を目指しています。ネットの特徴のひとつである時間と壁の距離を越えるということよりも、生活行動圏のあらゆる地域情報を集めて可視化し、ひとりひとりの生活行動を便利に楽しく導くということです。

具体的には今までの買い物情報の提供から、買い物行動自体の支援ということで買い物代行業へのチャレンジだったり、店舗の情報と商品の在庫情報の組み合わせによる新しいサービスの提供だったり、今後、例えばドローンによる空輸の可能性も考えた空の地図の提供など、ワンマイルの人の動きにこだわった事業を考えていきます。

——社員は凸版印刷の方が多いのですか。

Mapionの社員が約90名、凸版印刷からは30名弱が参加します。今後、ONE COMPATHとしての採用を強化していきます。弊社は新しいものを生み出す存在だと自分たちで定義しているので、「これをやりたい」という意志を持った人に来てほしいと強く思いますね。

化学反応を起こしたい

交差点

GettyImages / Mlenny

——ワンマイル・イノベーションという概念は、GAFAのような規模の経済に対抗していくものでもありますね。凸版印刷でもグローバルな事業展開を経営方針として掲げていますが、ONE COMPATHはローカルに特化した点も興味深い。ラストワンマイルの行動を起こさせるために凸版印刷が持っている強みとは?

Shufoo!が大きくなった理由のひとつでもありますが、凸版印刷が扱う印刷物はチラシだけでなく販促のパンフレット、パッケージなど多岐にわたります。全国にいる多くの営業担当者があらゆる業界のお客様とつながりがあるという点が、各地域の情報を集める上で大きな強みになっています。

これまでは大手、中堅が中心でしたが、今後はユーザーの満足度を上げるためにも中堅から小規模の営業網をつくることが必要だと考えています。

——事業部ではなくあえて新会社を立ち上げたのは、いままでの印刷会社のイメージを変えていきたいという思いがあるのでしょうか。

そうですね。新会社を立ち上げることで、よりお客様に興味を持っていただきたいという思いもありますし、採用の面でも、今後どんどん新規事業を起こす上で、印刷の背景を持つ人だけでなくITの背景を持つプロフェッショナルに参加していただき、化学反応を起こしていきたいという意味もあります。また、社内外に対して覚悟を示す上でも新会社という形にこだわった部分もあると思います。

始まったときは「異端児」事業だった

早川氏

入社20年目。新事業にかける思いを語る早川社長。

——大企業のなかで新規事業を立ち上げても続けて、さらに成長させることは難しいです。そもそもShufoo!とMapionはなぜここまで長く続いているのでしょうか。

Mapionは1997年、日本で初めてインターネットの地図をつくった会社です。立ち上げに関わった者に聞くと、大きい会社のなかで「異端児」と言われたそうです。そのときにあったのは「ユーザーさんのために」という強いパッションと覚悟。その文化は20年たっても受け継がれており、Mapionはコンシューマファースト志向が強い。社員はもちろん、中途入社の場合も「Mapionはユーザー視点が強い会社」と認識した上で入ってくる人が多いですね。

Shufoo!は流通企業に対するソリューション起点で始まったサービスということもあり、顧客企業の課題解決の志向を持ったメンバーが多い。メディアとして流通企業とのお付き合いはじっくりと時間をかける必要があります。凸版印刷はもともとお客様に寄り添い時間をかけて関係を築き上げる営業担当が多く、その文化が背景にあります。ONE COMPATHは、ユーザー視点と顧客企業視点という互いの強みが組み合わさることで、より強い組織になると思っています。

大企業だからこそ活用できる資産がある

ビル

GettyImages / Lars Ruecker

——大企業のなかでイノベーションを起こすパッションを維持するためには何が必要だと思いますか。

Mapionはサービス開始当時から別会社として行っていたので、いわゆる大企業とは違う文化で意思決定もスムーズでした。Shufoo!は凸版印刷の事業部として2001年から運営。自分たちの市場を自分たちでリプレイスする取り組みをしたという点で、いままでの顧客とのチャネルやチラシを保存するデータベースなど大企業ならではの資産を活用できた点が大きいのではないかと思います。

——早川さんご自身は、凸版印刷ならではの文化を感じることはありますか。

節目節目で新しい仕事に幅広くチャレンジさせてもらえたことが凸版印刷ならではだと思います。2000年に新卒で入社して最初の6年間は印刷の営業、2006年に博報堂、凸版印刷、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、日本IBMによる合弁会社BrandXing(現・博報堂ダイレクト)に出向し、5年間、広告やメディア事業に携わりました。Shufoo!には2011年から参画。サービス、マーケティングを含め、さまざまな経験ができました。その経験をONE COMPATHの経営に生かしていきたいと思っています。

■ONE COMPATHについて詳しくはこちらから


早川礼:ONE COMPATH代表取締役CEO。2000年凸版印刷入社。営業に配属され、旅行会社を担当。印刷会社のコア業務である旅行パンフレットやDMの企画・制作・印刷などを経験する。2006年、株式会社BrandXing(現博報堂ダイレクト)へ出向。商品開発や新商品キャンペーン、店頭プロモーション、EC、CMやWEB広告による新規顧客獲得~顧客育成など幅広く担当。2011年、凸版印刷に帰任し、Shufoo!事業に参画。広告商品の開発や、アライアンス事業、広報プロモーション、サービス開発などマーケティング領域を担当。2019年4月より現職。

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