3月28日の「OYO LIFE」サービス開始記者会見の様子。左から、ヤフーの川邊健太郎CEO、OYOのリテシュ・アガルワルCEO、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANの勝瀬博則CEO。
格安ホテル事業を展開するインド発のベンチャー「OYO」がついに3月28日、日本で賃貸サービス「OYO LIFE」を開始した。敷金・礼金・仲介手数料がゼロ円、スマホひとつで引っ越しができるとうたう。
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事前登録の時点ですでに1万3000人以上が登録、契約済みは400人(3月28日時点)と、OYOがうたう「旅するように暮らす」ライフスタイルが広まるポテンシャルは、それなりにありそうだ。
とはいえ、「OYO物件」とはどのようなものなのか?選ぶ価値はどこにあるのか?内覧に行って確かめてみた。
JR大崎駅から徒歩10分ほどの場所にある「OYO LIFE」のショールーム。この部屋は値付けはされていないが、されるとしたら家賃は15万円ほどだという。広さは19㎡。
冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、掃除機など一人暮らしに必要なものは一通り完備。まさに「引っ越し準備不要」の物件だ。
食器も、一人暮らしには十分なほどの量が揃っていた。
一人暮らしだと、買うのにやや躊躇するテレビもついている。
別のタイプの部屋。こちらも同様に一通りの家電・家具がついている。家賃は同様に1カ月15万円ほど。
洗濯機も十分なサイズ。ちなみにこのマンションは、ショールームの2部屋を除いてすべて入居済みだという。その全てが法人契約だといい、法人利用のニーズも高そうだ。
キッチンはシンプルな作り。IHコンロが2つついている。
JR大崎駅から徒歩10分、19㎡の広さで月15万円、敷金・礼金・仲介手数料はゼロ円……をどう捉えるかは人によりそうだが、少なくともSNSをみると「住んでみたい」「こんなサービスを待っていた」と、おおむねポジティブな受け止められ方をしているようだ。
現在、OYO LIFEのウェブサイトで紹介されている物件をクリックしてみても、すでに「入居中」になっているものも多くある。
出典:OYO LIFE
ただ、まだ始まったばかりの新しいサービスのためか、懸念もある。
OYOの予約がどれだけ簡単にできるか試そうとアプリを開き、ある物件を「予約」してみた(予約しても正式に契約するまでは、キャンセルも可能だ)。
しばらくするとメールが届いたが、そこには「お問い合わせいただきました【●●マンション】 ですが、現在ご入居中のお部屋でございました」とのメッセージが。ウェブサイトに公開している「入居」の表示と実際の状況が異なっているようなのだ。予約が殺到しているためか、予約状況の混乱も見てとれる。
ホテルのように、賃貸住宅も自由に選べるライフスタイルを ── 「OYO LIFE」が提唱するライフスタイルが広まるまでには、あとどれくらいの時間がかかるのだろうか。
(文・写真、西山里緒)