NioのCEO、ウィリアム・リー氏。
Ng Han Guan/Associated Press
- Nioは、中国のラグジュアリーEV市場におけるテスラの最大のライバル。
- Nioは2018年、最初のEVとしてEV SUV「ES8」を発表。
- ES8は航続距離220マイル、最大7人乗り、価格は約6万7000ドル〜。
中国は世界最大の電気自動車(EV)市場。2018年、世界のEV販売数の56%を占め、120万台が売れた。
中国市場でのシェア獲得に向け、テスラは上海に工場を建設している。テスラは中国に完全所有の工場を持つ最初の外国自動車メーカーとなる。テスラは現状、中国の顧客向けに完成車をアメリカから輸出している。
中国のラグジュアリーEV市場におけるテスラの最大のライバルは、Nio。同社は2018年、最初のEVとして、EV SUV「ES8」を発表した。航続距離は220マイル(約350キロメートル)、最大7人乗り、価格は約6万7000ドル(約740万円)〜。
一方、2015年の発表だが、テスラのSUV「モデルX」はES8のライバルとなる。
ES8とモデルXを比べてみた。
航続距離
テスラ モデルX。
Tesla
Nio ES8の航続距離は、新欧州ドライビング・サイクル(New European Driving Cycle:NEDC)によると220マイル(約350キロメートル)、一方、モデルXの航続距離は、アメリカ合衆国環境保護庁(US Environmental Protection Agency:EPA)によると295マイル(約475キロメートル)。
NEDCはEPAよりも、数値が甘くなる傾向がある。
加速性能
Nio ES8。
NIO
0-60mph、モデルXは2.8秒、ES8は4.4秒。
定員
テスラ モデルX。
Tesla
どちらも最大7人乗り。モデルXは5人乗り、6人乗りの仕様もある。ES8は6人乗りの仕様もある。
エアロダイナミクス
Nio ES8。
Nio
空気抵抗係数(Cd値)、ES8は0.29、モデルXは0.25。数値が小さい方がエアロダイナミクスに優れている。
価格
テスラ モデルX。
Tesla
モデルXは8万9500ドル〜。ES8は約6万7000ドル。
販売エリア
Nio ES8。
Nio
ES8は中国のみの販売。モデルXはアメリカ、ヨーロッパ、カナダ、アジアで購入可能。
運転支援機能
テスラ、イーロン・マスクCEO。
Justin Sullivan/Getty Images
テスラは運転支援機能「Autopilot」を装備。一定の条件でドライバーの監督のもと、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作を行う。
Nioは「Nio Pilot」と呼ばれる運転支援機能を装備。テスラと同様の機能を無線アップデートによって2019年中に導入する計画。
充電ステーション
Nio ES8。
Nio
テスラは約1440カ所の専用充電ステーションを設置。Nioは移動充電サービスやバッテリー交換サービスを提供。
その他の特徴
テスラ モデルX。
Tesla
モデルXは17インチ・タッチスクリーンを装備。ドライバーや乗員は多くの機能をタッチスクリーンで操作できる。また新機能や性能のアップグレードを無線アップデートで行う。
ES8は10.4インチのタッチスクリーン、ヘッドアップ・ディスプレイを装備、「Nomi」と呼ばれる音声認識システムでは、音楽やナビゲーションの設定が可能。
(翻訳、編集:増田隆幸)