アメリカでもっとも尊敬される女性RBGって誰?全米が注目するその一挙手一投足と健康

2018年アメリカで公開され、大変話題になった2本の映画が日本でも公開される。

日本の女性たちも、これらの映画を見たら大いに刺激を受けるだろうし、男性たちが驚くであろう逸話もでてくるので、ぜひ紹介したい。

ルース・ギンズバーグ氏

アメリカ最高裁の判事の1人であるルース・ベイダー・ギンズバーグ。女性や若者たちから絶大な尊敬を集めている。

REUTERS/Jim Young

1本は「ビリーブ 未来への大逆転」(原題:「On the Basis of Sex」)は日本でもすでに3月下旬に公開されており、ドキュメンタリー作品「RBG 最強の85才」(原題:「RBG」)は5月10日公開予定だ。

いずれも今年86歳を迎えた、現・アメリカ最高裁の判事の1人であるルース・ベイダー・ギンズバーグの人生を主題にしたもの。RBGは彼女の名前の頭文字をとった愛称だ。

ギンズバーグは25年以上、米最高裁で判事を務めている。アメリカでは歴代2人目の女性判事で、現在最高齢判事でもある。彼女の道徳的な高潔さ、少数派意見を述べるときの理路整然とした冷静なタフさは有名で、政治的にリベラルな層や、女性、法曹界、若者たち等から絶大な尊敬を集めている。

「アメリカ人が尊敬する女性ランキング」では必ず上位に名前が挙がる。

講演会は長蛇の列、スター並みの人気

RBGトレーニング法

ギンズバーグの86歳の誕生日を祝い、支持者らがRBGのエクササイズ法に取り組むパフォーマンスを行った。

REUTERS/Joshua Roberts

インターネットで、「RBG」と入れてサーチすると、彼女に関する数々の本はもちろん、Tシャツ、マグカップ、ポスター、「RBGのエクササイズ方法」というビデオ、膨大な数のインタビューなどが出てくる。

彼女の講演会には毎度長蛇の列ができ、「ロックスター」状態、彼女自身も「私は80歳を過ぎたおばあちゃんなのに、みんな私と一緒に写真を撮りたがるんですよね…」などと言っている

3月15日の彼女の誕生日にはSNSやメディアで彼女についての特集が組まれた。「ビリーブ」はそんな彼女がハーバードの法科大学院生時代から、若き法律家としてどう闘ってきたのか、また彼女を支える夫との夫婦愛を描いた映画だ。アメリカでは2018年12月25日に公開された。

アメリカでは、毎年12月25日には話題の映画が公開される。公開前夜の24日にチケットを予約しようと思ったら、ニューヨークの私の家の近所の映画館では、ほとんどの回が既に売り切れだった。仕方なく、クリスマスの朝10時に映画館に行くと満員御礼。おそらくほとんど全員がリベラルな政治的信条をもつ、ギンズバーグの信奉者だったと思う(彼女は辛辣なトランプ大統領批判でも知られる)。

彼女のキャリアを決定づけるようなキメの一言やストーリー展開が起こるたびに拍手や歓声が湧くという、大盛り上がりの上映であった。

映画「ビリーブ」

映画「ビリーブ 未来への大逆転」は現在公開中。

(c)2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO. LLC.

ドキュメンタリー映画「RBG」は、アメリカで2018年5月に公開された。この作品は、惜しくも受賞は逃したが、オスカーの最優秀長編ドキュメンタリー賞の候補にもなった。内容の濃さもさることながら、2人の監督、7人のプロデューサー、撮影監督、作曲家はじめ、制作のリーダーを全て女性が務めた(ハリウッドでは未だにまれ)ということでも話題になった。

1930年代生まれの、小柄で華奢なおばあちゃんにしか見えない彼女が、何故「スーパーウーマン」と呼ばれ、若い世代をインスパイアし続け、ここまで話題になるのだろうか。

女性というだけで就職できなかった

ブルックリンのとても豊かとは言えないユダヤ系一家に生まれたギンズバーグは、高校卒業式前日に母親をがんで失っている。この母が彼女の人生に与えた影響は大きかった。貧困のせいで勉学の機会を得られなかった母は、娘をしょっちゅう図書館に連れて行き、ことあるごとに「すべてに疑問を持ちなさい」と説いて育てた。

ギンズバーグは、映画の中でこう語っている。

「My mother told me two things constantly. One was to be a lady, and the other was to be independent. (母は私に二つのことを常に言っていました。一つは、レディでありなさいということ。もう一つは、自立した人になりなさいということ)」

レディであることと、誰にも頼らずに生きていける強い女性になることは矛盾しないのだと。

1954年、名門コーネル大学をトップの成績で卒業した彼女は、同窓のマーティン・ギンズバーグと結婚。この結婚が、彼女のキャリアに重要なキーになる。

ルースもマーティン(マーティー)も法律家を目指しハーバード・ロースクールに進学。夫に1年遅れて彼女が入学した時点で長女が生まれており、乳飲み子を抱えての学生生活だった。

ハーバード大学

キンズバーグはハーバード・ロースクールに進学し、育児と夫の看病をしながら優秀な成績を収めた。

GettyImages

1950年代のアメリカでは、女性が法律を学ぶこと自体が珍しかった。彼女がハーバード・ロースクールに入学した1956年には、約500人の学生のうち女性はたったの9人だったという。女性用のお手洗いもなく、同級生の大多数は白人男性だ。

在学中、彼女は育児と夫の看病をしながら優秀な成績を収めたが、ハーバード・ロースクールから学位を得ることはできなかった。夫がニューヨークの一流法律事務所で職を得、一家で引っ越すことになってしまったのだ。彼女はニューヨークのコロンビア大学ロースクールに移籍し、首席で修了した。

しかし、それほど優秀な彼女でも、1950年代後半のアメリカでは法律事務所に就職できない。理由は「女性だから」。当時のアメリカでは女性は主婦になるのが当たり前で、女性だからというだけで就けない職業も多数あり、クレジットカードも自分の名義では作れないという状態だったのだ。アメリカで性差別が本格的に修正され始めたのは、そんな大昔のことではない。

最高裁の任務を1日も休まず

中絶反対運動

アメリカでは現在も妊娠中絶を巡る対立が続いている。

REUTERS/Joshua Roberts

自らの理不尽な体験も手伝って、ギンズバーグは1970年代から女性やマイノリティの人権をめぐる数多くの重要な裁判に関わり始め、やがてそれがライフワークになっていく。彼女は、人権に関わる6つの歴史的な最高裁判決に弁護士として関わり、そのうち5つで勝訴している。

人工妊娠中絶や同性婚の権利を支持するリベラル判事として数々の重要な判例に関わった彼女は、女性解放運動を象徴するアイコンとみなされるようになった。

2度のがんの手術後も夫の死(2010年)の後も、最高裁の任務を1日も欠勤したことがないというのが、彼女の芯の強さを物語る武勇伝の一つでもある。後に「旦那さんが亡くなった直後でも仕事を休まなかった理由は?」と聞かれた彼女は、

「それこそがマーティーが私に望むことだと思ったから。彼なら、仕事に行って欲しがったと思うから」

と答えている。

夫婦の写真

ルース・ギンズバーグ氏(写真中央)と夫のマーティー氏(写真左)。二人の相性の良さは有名だった。

Getty Images

それでは、彼女の夫・マーティーはどんな人物だったか。これは、二つの映画のとても重要な部分になっている。彼女の頑張りやその功績は文句なしに素晴らしいのだが、パートナーとしての彼がそれに勝るとも劣らず素晴らしいのだ。

映画「RBG」の中で、ギンズバーグは、

「コーネル大学時代は、女の子が少なくて、私も結構モテたんです。でも、デートした多くの男性の中で、私に頭脳がついていることを評価してくれた男性はマーティーだけでした」

と語っている。社交的なマーティーとシャイなルースは、一見すると正反対の性格だったが、2010年にマーティーが他界するまで、56年間添い遂げた二人の相性の良さは有名だった

妻のキャリアのために仕事を辞める

マーティーはハーバード大学院修了後、ニューヨークでも屈指の税法専門家となり、コロンビア大学でも終身の教授職を得、順調にキャリアを築いた。しかし、それらの地位を、彼は彼女のキャリアのために捨てる。彼女が1980年に連邦控訴裁判所判事に任命された時のことだ。彼は仕事を辞め、彼女と共にワシントンDCに引っ越し、ジョージタウン大学と、ワシントンの法律事務所における新たな仕事に就くことになった。

それだけではなく、料理が絶望的に苦手な彼女のため、料理は彼が一手に担っていたという話も広く知られている。2人で受けたインタビューの中で、司会が「お二人は家ではどうやって議論を避けてうまくやっているのですか?」と聞くと、冗談好きのマーティーは、

「僕は妻には法律的なアドバイスはしない。その代わり、彼女は僕に料理のアドバイスをしないんです」

と答えている。また、「彼女が判事として歴史を塗り替えるような大事な仕事をしている間に、僕は家で料理を作り、冗談を飛ばしているんですよ」とも言っている

類まれなパートナーに恵まれたからこそ

映画「ビリーブ」

ギンズバーグが学生時代、法律を学ぶ女性は非常に少数派。法律事務所には女性だからという理由で、就職もできなかった。映画「ビリーブ」より。

(c)2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO. LLC.

実際、極端なワーカホリックで、放っておいたら寝食も忘れて仕事をする彼女に、「ご飯を食べる時間だよ」「もう寝る時間だよ」と言うのが夫の役目だったという。子どもが学校で問題を起こし、先生が何度もしつこくギンズバーグに電話してきたとき、彼女が「先生、あの子の親は2人いるんですけど」と言ったという逸話も有名である。

マーティーは、他の最高裁判事の妻たちとの付き合いも、嫌がるどころか積極的にやっていたという……というように、ともかく、彼は全面的に彼女を応援し、そのための協力を厭わないのだ。それは彼が亡くなるまで続いた。

そのパートナーシップは、決して一方的なものではなかった。ロースクール時代に彼が病気になった時、彼の分までノートをとり、彼のレポートをタイプする彼女の姿が映画にも出てくる。彼女は彼のキャリアのためにハーバードの学位を諦め、彼も彼女のキャリアを優先するために自分のキャリアを途中でリセットすることを受け入れた。

クリントン大統領が最高裁判事を任命するという可能性が浮上した時、妻にそのチャレンジを勧め、彼女を売り込むために有力な政治家や学者たちに支持を請い、「キャンペーン」を熱心に行ったのは、マーティーだったという。

ギンズバーグが判事に承認された後の1993年のニューヨーク・タイムスのインタビューで、マーティーは、

「”I have been supportive of my wife since the beginning of time, and she has been supportive of me," "It's not sacrifice; it's family.”(僕は、最初の最初から妻を支えたいと思ってやってきたし、彼女も同じように僕を支え続けてくれました。それは犠牲じゃない。家族だということです)」

と答えている。

最高裁判事指名の際の公聴会で、ギンズバーグは、

「私の夫は出会った18歳の時からずっと、『女性の仕事は、それが外でする仕事であれ家の中の仕事であれ、男性の仕事と同じくらい重要なものである』と信じてくれる男性でした。このような類まれなパートナーに恵まれていなければ、私が今この部屋にいることは絶対になかったでしょう」

と述べている。それを聞いて、後ろの席に座るマーティーがニコニコしつつちょっとジーンとしている様子もビデオに映っている

そんな風に真に対等で互いを尊重しあい、成長を支え合うような結婚が可能であったということ、しかもそれが1930年代生まれで1950年代に結婚した二人の間で可能であったということは、現代の私たちをも驚かせ、感動させる話だ。

絶大な影響力を持つ最高裁判事という立場

最高裁判事の任命は、アメリカでは国にとって一大イベントで、その承認プロセスはしばしば大きなニュースになる。上院公聴会もテレビで実況中継される。なので、日本人が日本の最高裁判事の顔や名前を知っている確率と、アメリカ人が米国最高裁判事のそれを知っている確率を比べたら、かなりの差があるだろうし、その身近さも相当違うだろう。

アメリカの民主主義において司法が担う役割は重要である。

最高裁判所の持つ力は強大であり、司法府が立法府行政府にも合憲・違憲の判断を下すことができる。人工妊娠中絶、同性婚、死刑、宗教、表現の自由、移民、銃規制、環境規制、プライバシーなど、生命、人権、価値観に関わる幅広い問題についての判断を下す役割を持つうえ、法案を無効にしたり、大統領の権力すら制限することができる。2000年の大統領選におけるブッシュ対ゴアの接戦の結論も、最高裁が出した。

カバノー最高裁判事

高校時代の女性への性暴力疑惑がありながら、最終的に最高裁判事に承認されたカバノー氏。

Andrew Harnik - Pool/Getty Images

そして米最高裁判事は、一旦任命されれば終身制である(歴史上、弾劾された判事はたったの1人であり、彼も罷免はされてはいない)。大統領は4年か8年で交代し、議会も選挙のたびにバランスが変わる。だが、最高裁のメンバーのバランスを変えるには、判事が終身職であるがゆえに、はるかに長い年月がかかる。誰が判事になるかは、生活の多くの側面に長年にわたってインパクトを及ぼす可能性が高いが故に広く国民の関心を集める大イベントなのだ。

リベラル化する社会に反して保守化する最高裁

ギンズバーグは2018年11月、転倒して肋骨を3本折り、アメリカのリベラル層をゾッとさせた。彼女が引退を余儀なくされた場合、トランプ大統領は、2018年秋に指名したカバノー判事に続いて、もう一人保守派の判事を指名できてしまうからだ。

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カバノー判事着任後の最高裁は、保守5:リベラル4という力配分で、現在基本的に保守に有利なバランスになっている。最高裁長官も保守である。これが6対3になってしまったら米社会の価値観に関わる多くの問題(例:人工中絶、宗教、死刑、移民、大統領の権限など)についての最高裁判決が、保守の好む方にシフトしていく可能性が相当に高まる。そして現判事のうち、保守は比較的若く、リベラルは比較的歳が上であることを鑑みると、そのバランスを再度覆すには何十年もかかると思われる。

アメリカの人口動態は、白人層が圧倒的主流派だった時代から変化し、今後マイノリティの割合が増えていくことが明らかだ。それに従って、社会の価値観もよりリベラルな方向にシフトしていくだろう。そんな中、最高裁が社会のトレンドに反して保守化していけば、どこかの段階でその歪みが問題になってくるに違いない。

彼女の健康と米司法の将来

ギンズバーグはケガから早々に回復し、1日も欠勤することなく最高裁の任務に戻り、ジムでのトレーニングまで再開し、「さすがただものではない」と世間を驚かせた。だが12月には肺にがんが発見された。彼女は再び入院し、クリスマスを挟んで手術を受けた。

術後、退院はしたものの、1月に入ると、それまで25年にわたって一度たりとも欠勤したことがなかった彼女が、初めて休んだというニュースが流れた。トランプ政権は浮き足立ち、ギンズバーグ引退に備えて既に候補者を検討し始めているという報道も出るようになった。 今彼女は無事回復し、2月15日に最高裁の任務に戻った……というおっかなびっくりな状態もあって、彼女の一挙手一投足が、今のアメリカでは大変な注目を集めているわけだ。彼女の健康に、アメリカの司法の将来がかかっている。

1月にアメリカ各地で行われた「女性のマーチ」では、ギンズバーグの顔を描いたプラカードを掲げた女性が目立った。これらの女性たちをはじめ、リベラル層は、せめて次期大統領が決まる2020年末まで、彼女がどうにか頑張ってくれることを強く願っている。

「私の仕事はまだ終わっていない」

女性マーチ

女性達だけでなく、アメリカのリベラル層にとって、ギンズバーグは“希望”なのだ。

撮影:渡邊裕子

2016年の選挙でトランプ大統領に投票した人々の中には、「彼に投票しておけば、保守の最高裁判事を任命してくれるだろう」という目論見ゆえにトランプ支持を選んだ人たちが少なからずいる。

例えば、ワシントン・ポストによると、2016年の大統領選では、エヴァンジェリカル・クリスチャン(福音主義)と呼ばれる筋金入り保守層の約8割もがトランプ氏に投票したという。これは、マケインやロムニーが大統領候補だった時よりも高い得票率である。彼らからしたら、ギンズバーグ引退可能性の浮上は、「待ってました!」というところだろう。

女性のマーチ

1月にアメリカ各地で行われた「女性のマーチ」の様子。

REUTERS/Joshua Roberts

オバマ前大統領の任期が終わりに近づいた頃、民主党内で「ギンズバーグ判事は、オバマ大統領が次の判事を指名できるうちに自ら退くべきなのではないか。もしトランプが大統領になったら、そして彼の任期中に彼女が仕事を続けられなくなったりしたら、世の中に大変な迷惑がかかるのだから」という意見があり、ギンズバーグ判事本人に直接苦言を呈した人々もいるという。

しかし、彼女は、映画「RBG」の中で同じ質問をされた時、

「私の仕事はまだ終わっていないので、辞める気はなかった」

と明快に答えていた。映画「ビリーブ」の中にも、こんな場面があった。勝ち目のない裁判に取り組もうとしているギンズバーグに「もう諦めた方がいい」と勧める男性同僚に向かって、彼女が

「You don’t get to tell me when to quit (私がいつ辞めるかは、あなたが決めることではないわ)」

と言い返すのだ。

私が観に行ったニューヨークの映画館では、この場面で大きな拍手喝采が起きた。今の彼女も同じことを言うかもしれない。

(文・渡邊裕子)


渡邊裕子(わたなべ・ゆうこ):ニューヨーク在住。ハーバード大学ケネディ・スクール大学院修了。ニューヨークのジャパン・ソサエティーで各種シンポジウム、人物交流などを企画運営。地政学リスク分析の米コンサルティング会社ユーラシア・グループで日本担当ディレクターを務める。2017年7月退社、11月までアドバイザー。約1年間の自主休業(サバティカル)を経て、2019年、中東北アフリカ諸国の政治情勢がビジネスに与える影響の分析を専門とするコンサルティング会社、HSWジャパン を設立。複数の企業の日本戦略アドバイザー、執筆活動も行う。Twitterは YukoWatanebe@ywny

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