クルーズ船スタッフは限られた自由時間と長時間労働にがっかりしたと語った。
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- クルーズ船の仕事には、陸上での仕事とは大きく違う数多くの特徴がある。
- クルーズ船の現スタッフと元スタッフはBusiness Insiderにさまざまな経験を語った。
- スタッフたちは良い経験、悪い経験の両方を語り、仕事のいくつかの点でがっかりしたと語った。
クルーズ船の仕事には、陸上での仕事とは大きく違う数多くの特徴がある。過酷な勤務スケジュールや奔放な男女関係などだ。
クルーズ船の現スタッフと元スタッフはBusiness Insiderに、同僚との親密な関係、長い通勤時間からの解放、食事といったクルーズ船での生活の魅力を語った。だが、長時間労働や不当な扱いを感じたなど、違う側面を語った人もいた。
それぞれ異なる見解を語ったスタッフたちはまた、クルーズ船では、いくつかの点でがっかりしたと語った。
クルーズ船の現スタッフと元スタッフが、仕事で最もがっかりしたことを見てみよう。
※なお回答者は現在または以前の雇用主からの報復を恐れて匿名を希望した。
限られた自由時間
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ホーランドアメリカラインの元クルーズディレクターは、特に港では、もっと自由時間があると思っていたと語った。
「本当にわずかな時間でもありがたいと思えるほど、時間がない」
各港で3~5時間ほどしか時間がなかったと彼は語った。だがその後のクルーズで何度か訪れることができた。
ひどい仕事環境
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カーニバルクルーズラインの元バーウエイトレスは、彼女がいた船の仕事環境は「健全なものではなかった」と語った。
彼女の上司だったバーテンダーは、乗客の前で「私にひどいことを怒鳴り続けた」と語った。ある時、1人の乗客が彼女に、なぜひどい扱いをそのままにしておくのかと聞いた。
「何と答えれば良いのか分からなかった」と彼女は語った。
我々はカーニバルクルーズラインにコメントを求めたが、返答はまだない。
長時間労働
Courtesy of Seabourn Cruise Line
シーボーンクルーズラインの元プロダクションマネージャーは、労働時間は「過酷だった」と語った。
「仕事量が多く、長時間労働になったため、結果的に最低賃金で働いたことになった日もあった」
シーボーンクルーズラインにコメントを求めたが、返答はまだない。
一般的な週5日勤務ではなく、クルーズ船スタッフはおよそ2〜11カ月の契約期間中、週7日間働くケースが多い。Business Insiderが話を聞いた31人の現スタッフと元スタッフによると、4~8カ月が最も一般的な契約期間だった。
1日の労働時間も過酷で、1日約8~20時間近くになる。Business Insiderが話を聞いたスタッフたちは、平均12時間になると述べた。
同じ場所に何度も行く
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カーニバルクルーズラインのスタッフは、頻繁に旅行することになると言われていたが、同じ場所に何度も行くことになるとは思わなかったと語った。
1人の人間ではなく、数のように扱われること
SBW-Photo via Royal Caribbean
ロイヤルカリビアンクルーズのスタッフとノルウェージャンクルーズラインの契約スタッフは、会社がスタッフを1人の人間として尊重していないように感じたと語った。
ロイヤルカリビアンクルーズのスタッフは、「価値ある人間」というより「会社における『数』」と見なすような意識にがっかりしたと語った。
「この業界はあまりにも早く成長し、大きくなりすぎた。会社は、スタッフの成長に気づく余裕もない」とロイヤルカリビアンクルーズのスタッフは語った。
我々はロイヤルカリビアンクルーズとノルウェージャンクルーズラインにコメントを求めたが、返答はまだない。
[原文:Cruise ship workers reveal the most disappointing things about their job]
(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)