定員5倍の応募が殺到した「五島列島リモートワーク実証実験」私たちは働き方にどんな課題を感じているのか

Business Insider Japan編集部では、2018年10月に鎌倉サテライトオフィスで実施した第1回リモートワーク実証実験に続いて、5月7日〜6月7日の4週間にわたり、鎌倉からさらに1200キロ離れた長崎県・五島列島で第2回リモートワーク実証実験を行います。

五島列島

撮影:廣瀬健司

東京から思いきり離れた場所で仕事をしてみたとき、仕事や自分の中にどんな変化が起きるのか? その体験を通じて、東京のワークスタイルをどのように改善していけるのか?

ワークスタイルを継続的に考えるBusiness Insider Japan発コミュニティ活動の一貫として取り組んでいきます。

今回は、3月14日に開催された第1回事前ミーティングの様子を以下でレポートします。

定員の5倍の応募が殺到

2019年1月19日から2月5日までの募集期間に定員の5倍の応募が殺到し、急きょ定員を2倍に増やすことになった五島列島でのリモートワーク実証実験。予想をはるかに超える「リモートワークへの関心の高さ」に編集部も驚いた。それだけ今のワークスタイルやライフスタイルに課題や不満を抱えている人が多いということだろうか。

今回のリモートワーク実証実験では、五島列島でのリモートワークを実際に体験する前に、参加者全員が2回集まり、まずは今の自分の働き方にどんな問題があるかを話し合うことから始める。問題を意識した上で、その課題解決のヒントを五島で能動的に探し、今後のワークスタイルの改善に活かすためだ。参加者が自主的に“体験”を作り上げることも重視している。

定員50

平日19時からスタートした事前ミーティングには、テレカンファレンスも活用して約60人が参加。

冒頭では、Business Insider Japan統括編集長の浜田敬子が「都心でずっとメディアに携わり反射神経でニュースを追いかけ続けてきた中で、はたと自分の呼吸も思考も浅くなっていることに気づいた。働く場所を変えることで、中長期的に物事を考えたり、丁寧にコミュニケーションを取ったりする時間を持ちたい」と、自身が抱えるワークスタイルの課題も交えつつあいさつをした。

今回の実証実験には、五島市が全面協力。実証実験エリアの選定、宿やレンタカーの手配、地元の方々との交流会の準備など、ロジスティクス面を中心に東京のスタッフではカバーしきれない部分を担っている。

その五島市からは地域振興課の塩川徳也さん、庄司透さんもミーティングに参加。

現在、総務省から出向中の塩川さんは「霞が関時代は片道1時間満員電車に揺られて通勤していたのが、今は徒歩8分」「朝早起きして釣ったイカを朝食に食べてから出勤する余裕ができた」と、五島に暮らして自身のワークスタイルが大きく変化したことを語った。

五島市では移住促進に力を入れた結果、UIターン者数が年間163人(2018年度2月までの集計)と長崎県下でトップレベルに達した。「UIターン」といえば、定年後のシニア層メインのイメージがあったが、塩川さんによると、「30代以下の若い世代が移住者の7割を占める」という。

運営メンバーもリモートチーム

三人目

「長野・小諸市で生まれ育ったので、とにかく海のある場所に行きたいと言っていたら、五島に赴任になった」という塩川さん。五島にかける情熱には並々ならぬものがある。

今回の五島プロジェクトの事務局には編集部以外のスタッフも関わってくれている。

事務局メンバー8人のうち、3人は五島市職員で、5人は編集部や東京で働いているビジネスパーソン。事務局の運営そのものがFacebookのメッセンジャーやタスク管理ツールのbacklog、slackをフル活用してのリモートチームワークで進められている。

メンバーの1人でメディアコンサルタントとして東京で働く鈴木円香さんも、「東京と五島では、仕事の仕方もコミュニケーションの仕方もまったく違う。バックグラウンドが異なるメンバーを一つに束ねて大きなプロジェクトを成功させるのは、東京での仕事よりよっぽど難易度が高くて刺激的。学ぶことが本当に多い」と語った。

プレゼン

プロジェクト内企画「山口周さんと行く“ヒューマニティをみつめる旅”」を担当している事務局の日高誠人さんは、人材系企業の会社員。事務局には、会社員として働きながら週末や夜だけ参加するメンバーも。

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事務局の遠藤貴恵さんはフリーランスの広報。事務局は多様なワークスタイルを実践中のメンバーで構成。

佐藤さん

事務局の佐藤万智さん(右)は、五島を愛してやまない人たちのコミュニティ「GOTOIST」を運営する五島ファンでもある。普段は都内のIT企業で広報として働く。左は事務局の鈴木さん。

継続的に働き方を考えるコミュニティに

今回テクニカルパートナーとしてビジネスコミュニケーションツールのslackジャパンがプロジェクトに協賛。参加者と事務局あわせて総勢70名のコミュニケーションを、実証実験の前から一貫してslackを活用して行う。

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プロジェクト参加者のコミュニケーションにはslackジャパンがテクニカルサポートしてくれる。写真はPRマネジャーの寒田美緒さん。

ミーティングの最後には、参加者から次々に質問が上がった。「地元の高校生や経営者のみなさんから話を聞けるような時間は持てるか?」「せっかくだから東京しか知らないわが子と、五島の子どもたちを交流させたい」などなど。

今回の実証実験では、子連れでも気兼ねなくリモートワークを体験できるよう、平日は保育園の一時保育が利用可能となっている。参加者の中に未就学児や小学生を子どもに持つ人も相当数いて、親同士で滞在期間を調整するなど、その場で活発なコミュニケーションが生まれていた。

参加者自身が能動的に情報を集め、自分から地元の人と関わりながら動いていく。それが今回の実証実験で、参加者一人一人に求められること。 事務局からは、

「お金さえ払えば、ネットを通じてどんなサービスも手に入る東京では、すべてのことが一人で完結してしまう。でも、そういう便利なものがなく、人とコミュニケーションをとり行動しなければ物事が前に進まないのも、五島の面白いところ。その不便さを、人との関わりで楽しさに変えて欲しい」

というメッセージもあった。

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最後に、第2回事前ミーティングに向けての課題が出された。今、東京のワークスタイルに関して感じている不満や課題を、滞在期間ごとに分けられたグループ内にてslack上で議論すること。もっとも共感度の高かった項目を、各グループが次回のミーティングでプレゼンする。実証実験で検証したい「課題」を顕在化していくための、仕掛けの一つだ。

五島での実証実験が終わった6月下旬から7月上旬にかけて、参加者全員が集うレポーティングカンファレンスを開催予定。リモートワーク実証実験を通じて、どんな発見があり、その結果東京でのワークスタイルをどのように改善できるか、継続的に考え、実践するコミュニティとして育てていきたい。

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