アストンマーティン DB11 ヴォランテ。
Hollis Johnson/Business Insider
- アストンマーティン DB11 ヴォランテとメルセデスAMG GTはパワフルなGTカーで、どちらもかなり高価。
- 特に、DB11はメルセデスよりかなり高い。だが、格好良さも半端でない。これほど格好良い車は地球上に数少ない。
- どちらもメルセデスAMG製のV8エンジンを搭載している。勝者は?
超高級グランドツーリングカー、選択肢は限られている。だが筆者は最近、2台を体験した。
アストンマーティン DB11 ヴォランテと、メルセデスAMG GT C(公正を期すために言っておくと、アストンは正真正銘のラグジュアリー・ツーリングカー、一方、メルセデスはスポーツカー寄りで、本来のライバルは例えば、ポルシェ911 GTS)。
価格を比べると、2台の差は実に10万ドル(約1100万円)。ちなみに、アストンマーティンはメルセデスに比較的近い価格の2ドアも販売している。V8 ヴァンテージだ。
だが、筆者はそれでもDB11 ヴォランテとAMG GT Cの比較は興味深いと考えた。どちらもメルセデスAMGのV8エンジンを搭載している(メルセデスはアストンマーティンの株式の5%を保有しており、同社にエンジンを提供している)。
最高のスピードとかなりのノイズ。それでも、一番良いスーツを着て乗りたくなる、そんな車だ。そして、これこそがこの記事のポイント。
今は高いお金を出さなくても、速い車が買える。だが、DB11やAMG GT Cのような車がもたらす、“特別な何か”がそこにあるだろうか? そして、アストンのような車を手に入れることに価値はあるのだろうか?
答えは以下。
ヴォランテはコンバーチブル。
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もちろん、ヴォランテはオープンにすると格好良い。
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さらに、上品かつアグレッシブに。
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インテリアは驚くほどスタイリッシュ ── 極上。
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一応、後部座席はある。だが、大人は厳しい。
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ブルーのシートは特注。最高にゴージャス!
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シート背面にはタモ・アッシュ材。
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エンジンは4.0リッター V8ツインターボ、503馬力。
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ここからが面白いところ。アストンマーティンは小規模な自動車メーカー。年間販売台数はわずか5000台程度。そのためエンジンをメルセデスAMGから調達している!
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同じく、インフォテインメント・システムもメルセデス製。
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だがハイグレードなオーディオ・システムはバング&オルフセン。
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テストしたのは生粋のハードトップGT。後部座席はない。
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大きく丸みを帯びたリアエンド。アストンのシャープなテールの方が筆者には魅力的だった。
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だが、全体的なデザインはよりアグレッシブ。力強さがある。一方、DB11が追求したのは美しさ。
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車内はとても豪華。だが見比べると、アストンマーティンがどれほど豪華なのかが分かる。値段の違いも当然。
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美しいキルティングレザー。硬いサスペンションを和らげてくれる。
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4.0リッターV8ツイン・ターボ、550馬力。
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だが前述の通り、エンジンは実質DB11と同じもの。DB11のV8の方が最高出力が47馬力低い。
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なお、ベースになっているAMG GTもV8エンジンを搭載、最高出力は470馬力。
インフォテインメント・システムの勝負は引き分け。同じシステムだから。メルセデスはアストンマーティンの株式の5%を保有している。
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オーディオシステムは引き分けではない。なぜだか筆者は、アストンのオーディオは他のラグジュアリーブランドに比べて音質が良くないと常々、感じている。AMG GTのブルメスターの音質は最高。
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結論、勝者はメルセデスAMG GT C!
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今回、決め手になったのは、メルセデスAMG GT Cが10万ドル以上、アストンマーティン DB11 ヴォランテよりも安いということ。
2台とも、0-60mphは約4秒(AMG GTの方がわずかに速い)。アストンの方がハンドリングはスムーズで、エグゾーストもよりスリリング。しかし、10万ドルは大きすぎる。
だがDB11は最高にクール。何と言ってもジェームズ・ボンドの車。DB11 ヴォランテはどこを取っても、優れたクオリティーと卓越したスタイルを感じさせる。比べるとメルセデスが野暮ったく見えるほど。
実際、AMG GT Cには少しラフな部分もある。GTカーのような、スポーツカーのような、どっちつかずの面があり、サスペンションの硬さとブレーキの効きに関しては、若干スポーツカー寄り。
なので、特別感を味わいたい。そして、ハイスピードでよりソフトな乗り心地を楽しみたければ、DB11を選びたい。
だがシャープなドライビング、典型的なFRのドライブ体験を求めるなら、AMG GTが良いだろう。もちろん、DB11よりも安価なアストンマーティン V8 ヴァンテージとAMG GTを比較することもできた。だが今回の勝負は、筆者が最近乗った2台を対象とした。
お金の問題を抜きにしても、筆者はメルセデスAMGを選ぶだろう。だがそれでも、DB11を夢見てしまう ── そして、使ってもいない10万ドルのことも。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)