ホログラムを使って、複数の場所で同時に選挙活動?
Courtesy of Andrew Yang
- 米大統領選の民主党候補に名乗りを上げているアンドリュー・ヤン(Andrew Yang)氏は4月10日(現地時間)、ホログラムの技術を使って、一度に複数の場所で選挙活動をしたい考えを示した。
- ヤン氏は、提供したホログラムの動画の中で、1996年にこの世を去ったラッパーの「2パック」と共演、デュエットを披露している。
- ホログラムの技術は医療用画像やレントゲン写真、セキュア・データ・ストレージ、アートにもに利用されているが、政治活動に使われたことはまだない。
2020年の米大統領選に向け、民主党候補に名乗りを上げている起業家のアンドリュー・ヤン氏は、アメリカ人の生活を向上させるために、テクノロジーや人工知能(AI)の力を生かした、いくつものクリエイティブな政策を提案している —— 自身の選挙活動の戦略も例外ではない。
4月10日、エンタメとセレブに関するニュースサイト「TMZ」に出演したヤン氏は、1996年にこの世を去ったラッパーの「2パック」のホログラムとデュエットをする自身のホログラムの動画を発表した。
ヤン氏によると、背景には一度に2つの場所で選挙活動ができるようになるとのアイデアがある。
アイオワ州の地元紙「キャロル・タイムズ・ヘラルド(Carroll Times Herald)」のインタビューでヤン氏は、ホログラムを使って理論的に同じ日に複数の激戦州で選挙活動ができるようになれば、2020年の大統領選の民主党候補に名乗りを上げている他の17人の立候補者に対して優位を築けるのではないかとの考えを示した。
ヤン氏は「わたしたちは、街頭演説をするわたしの3Dホログラムを見せることができるような方法を模索している」と言い、ホログラムの演説のあとはヤン氏自身がライブ映像に登場し、質問を受けると語った。
同氏は、ホログラムは選挙戦におけるアドバンテージになるだけでなく、自身のキャンペーンのメッセージ「今は2019年、もうすぐ2020年、物事は変化している。わたしたちは必要とする結果に達することを期待して、同じことを繰り返してばかりはいられない」にも合致するものだと語っている。
ヤン氏はまた、セレブや他の有名人のホログラムを作って、ヤン氏の集会にリモートで参加してもらうアイデアも示した。
「ホログラムを見れば、全てがとてもおもしろくて、活気づくだろう」とキャロル・タイムズ・ヘラルドに語ったヤン氏は、「このテクノロジーを実際に目にしたとき、わたしはすごく楽しめたし、アイオワやその他の場所の人たちも間違いなく楽しめるだろう。(ホログラムは)おもしろい体験になるだろう。わたしに直接会うよりも、おもしろいかもしれない」という。
ホログラムの技術は医療用画像やレントゲン写真、セキュア・データ・ストレージ、アートにも利用されているが、政治活動に使われたことはまだない。
(翻訳、編集:山口佳美)