ゴールデンウィーク10連休、6割が「楽しみじゃない」 私もその気持ちはよくわかる

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あと2週間もしないうちにゴールデンウィークが始まってしまう —— 予定が入っていない筆者=私(27)の周囲は、次第にピリピリムードが漂い始めている。

ゴールデンウィークって「踏み絵」じゃないですか?

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「ゴールデンウィークに予定があるか?」はセンシティブな話題だ。

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一緒に過ごす相手はいるのか? どこで、何をして過ごすのか? 10連休になったゴールデンウィークでは、それらすべての総合判定で「連休を楽しんでるか?」どうかを私は値踏みされることになる。

「ゴールデンウィーク、空いてる?」と友人に聞くにも細心の注意を払わなければならない。

その友人が既婚者の場合は、まず泊まりがけの予定は誘えない。結婚はしていないものの、長期で付き合っている人がいる場合も“忖度”してパス。そういう事情をよく知らない友人も、なんだか恐ろしくて声をかけられない。

コイツは予定がなさそうだと「安パイ」に位置づけていた友人が、台湾だか香港だかにまるまる10日間のバカンスにいく予定だと聞いたときのショックは計り知れなかった。

次第に疑心暗鬼になり、ゴールデンウィークのことを考えないようにする。時間だけが過ぎていき、ホテル代も飛行機代ももう手の届かないところまで高騰している……そうして、ついに連休2週間前になってしまった、というのが今の状況だ。

GW、6割が「楽しみじゃない」と言っている

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調べてみると、10連休に対してネガティブな感情を抱いているのは私だけではなかった。オンラインの市場調査などを行うクロス・マーケティングが発表したデータによると、ゴールデンウィーク10連休を楽しみと思う人は約4割と半数以下だ。

ネガティブにとらえている人の理由として最も多いのが「混雑・渋滞」、その次に「お金がないから」そして「疲れる」が続く。

私の観測範囲(n=1桁くらいですが……)でも、ゴールデンウィークに予定を入れていない人は多かった。理由を聞いてみると「わざわざ混雑してるときに遠出しようと思わない」や、4月にマスメディア大手に新卒として入社した友人は「転勤があるかもしれないので予定を入れられない」などがあった。

よりプラクティカルな理由で旅行にいけない、という事情もある。航空券や電車のチケットをチェックすると、ゴールデンウィーク中は通常の3倍から5倍に値上がりしているものもある。

SNSを見るのがツラい問題

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GW中にインスタに投稿される(であろう)写真の例。

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SNSの存在も鬼門だ。インスタグラムのストーリーズには「Sunny Day」などと書かなくてもわかるような文字が添えられて、パラソル + カクテル+デッキチェア(と、足の指先をチラ見せ)の写真が大量に投稿されるだろう。

Facebookには「エアポート投稿おじさん」が大量発生するに違いない。

そして逃げ込んだ先のTwitterには「人が休んでいる時こそ仕事をするのが一流」などとマッチョな投稿があふれ、さらに自己嫌悪に陥るのだ。

イヤなら見なければいいじゃないかと思うかもしれないが、予定がない時ほどそういった投稿が目に入ってきてしまうもの。

仕方がないので、映画を見に行こうと公開作品をチェックしてみる。実はオトナ向けと噂の『名探偵ピカチュウ』。あとはコナンの最新作『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』に『アベンジャーズ/エンドゲーム』に、『キングダム』……。

ふと、今年の映画は20代が一人でも見に行きやすい(?)ものが多いことに気づく。GWの映画は、救いの神。すなわち独り身層も、しっかりターゲティングされているのだ。

バラバラに休める環境づくりを

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「働き方改革」が叫ばれる中、なかば強制的に長い休みが取れるゴールデンウィークは、しっかり休んで生産性を上げるための一歩なのかもしれない。

しかし日数だけが多くても、旅行費が高すぎたり、混雑や渋滞のために結局疲れてしまっては、元も子もない。

日本人は働きすぎ、休まないと言われるが、休日・祝日の日数に関しては世界主要国でも多い部類に入る。厚生労働省所管の独立行政法人である労働政策研究・研修機構が取りまとめた「データブック国際労働比較2018」によると、日本の祝日など法定休日は16日でフランスやイタリアより多い。年間休日数も見劣りしない。

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1)週休日とは「日曜日」、「土曜日」などの「会社指定休日」を指し、ここでは完全週休2日制と仮定した。 2)日本は土日に当たる祝日を除き,振替休日を含む。欧州は日曜日の祝日を除く。 3)繰越日数を含まない。日本は平均付与日数。常用労働者が30人以上の民営法人を対象。平成29年調査による2016年の平均取得日数は9.0日,取得率は49.4%。欧州は,労使協約で合意した年次有給休暇の平均付与日数。 ※なお,アメリカについては年次有給休暇が連邦法上規定されていない。2016年における民間部門及び州・地方政府部門の平均付与日数は8日間(出所:U.S.BureauofLaborStatistics(2017.9)Employee Benefits in the United States, March2017)。

その一方で、エクスペディア・ジャパンの調査によると、日本人の有給休暇の取得率は、世界19カ国の中で3年連続最下位の5割。「会社の人に遠慮して休みを取れない」状況が、結果として国民全体を苦しめているように感じる。

本当に目指すべきなのは、誰もが無理なく休み、自由に旅行に行ける仕組みづくりなんだ、と改めて思わせられる。

とはいえ、私にとって待ったなしの課題は、ゴールデンウィークの予定をどう「うまく埋める」のか。これから怯えながら周囲に声をかけていくつもりだが、もし私のような人に誘われたら、みなさんもどうか優しく接してほしい。

この時期に声をかけるということは、意外と勇気をふりしぼった「SOS」かもしれないのだから。

(文、西山里緒)

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