ドコモが踏み込んだ「4割値下げ」新料金のおトク度 —— “待ち”なのか“アリ”なのか

ドコモ新料金プラン発表

4月15日、新料金プランを発表するNTTドコモ社長の吉澤和弘氏。

  • NTTドコモは、最大4割ほどの値下げをうたう新料金プランを発表。6月1日から提供を開始する
  • ただし、“4割値下げ”となるのは、家族での同時契約など限られたケースとなる
  • 新料金プランは“分離プラン”と呼ばれる一種で、今後高価な“最新ハイエンド機種”は買いにくくなる可能性がある

NTTドコモは4月15日、以前から予告していた新料金プランおよび付随するキャンペーンなどを発表。新料金プランの予約開始は5月22日から、提供開始時期は6月1日からとしている。

ドコモの新料金プランは2種類。月額6980円で30GB使える「ギガホ」と、月額2980円からパケットの利用量に応じて段階的に値段が変動する「ギガライト」だ(いずれも税別)。

料金プランをシンプルに

シンプル化

新料金プランは従来の「組み合わせ」のプランよりシンプルになる。

特徴的なのはそのシンプルさだ。従来は通話プランや利用端末に応じた「基本料金」に、「インターネット接続(ISP)料金」とデータ量に応じた「パケットパックの利用料」などの組み合わせで月額料金が決定していた。

しかし、新料金プランではこれら3つの要素が1つのパッケージになったことで、日常的に7GB以上使うなら「ギガホ」、データ利用量が7GB未満や月によって大きく異なるなら「ギガライト」と迷わず選択できるようになる。

なお、従来まで存在した「24時間国内通話無料」「5分間国内通話無料」、タブレットやモバイルWi-Fiルーターなどの2台目端末の追加は有料オプションとなる。

「家族でドコモ」&「データ利用が1人月1GB未満」が1番おトク

従来のプランとの比較

最大4割程度の値下げが実現するのは、月1GB未満のデータ利用という、かなり限られた使い方のユーザーだが、そのような使い方をしている人は「現在のNTTドコモのスマホユーザーのうち約4割」(吉澤社長)だという。

ドコモの新料金プランは、肝心のおトク度はどうだろうか?

ドコモの吉澤和弘社長は従来「2〜4割程度の低廉化」と予告していたが、筆者の実感としては新料金プランの特徴は以下のように感じた。

  • 3人以上の家族でドコモ回線を使っている、またその中で誰か1人でも「ドコモ光」を契約している場合はおトクになりやすい
  • 一方で、現在「月々サポート」などを駆使して通信料金を低廉化している場合や、自分一人だけドコモユーザーという場合は、おトクになりにくい

ドコモの発表内容によれば「最大4割の値下げ」となるのは、「家族3人ドコモで、それぞれ月1GB未満のデータ容量を使うユーザー」だ。

家族全体

家族全体で見ると、大きな容量をシェアするような使い方はできなくなるが、ひとりひとりが利用できる容量がわかりやすく、かつ使いすぎない限りは安くなる。

例えば、現行で無料通話はなしの「シンプルプラン」で、「ベーシックシェアプラン」のステップ1(合計5GB/月未満)で利用している場合、月々サポートや「docomo with」などの割引を考えなければ、3名合計の金額は月額1万1340円(税別)だった。

一方、新料金プランで「ギガライト」を選択し、ひとりあたり月1GB未満で済むのであれば、三親等まで対象の家族割「みんなドコモ割」により、それぞれ1000円引きとなるため、(2980-1000)×3=5940円となる(いずれも税別)。割引率で言えば、実に約47.6%となる。

ギガライト

ギガライトは月額2980円〜の段階変動制プラン。スライドの1980円は家族で3回線以上のドコモを契約している時の「みんなドコモ割」を適用時。

月々サポートが残っている場合は、新プラン移行を急ぐ必要はない

ギガホ

ギガホは通常時6980円(2019年9月30日までに申し込めば、申込から6カ月間は5980円)。月の途中で30GBのデータを使ってしまっても、速度制限は1Mbps(従来は128kbps)。

一方で、一人でドコモを契約しているパターンではここまでの割引率は見込めない。新料金プランへ最もお得に移行する一般的なタイミングは「現在受けている月々サポートが終わるタイミング」になるだろう。

例えば筆者は現在、月20GB利用できる「ウルトラデータLパック」と5分間国内通話無料のカケホーダイライトを契約している。その場合、現行プランだとISP料金も含めて支払いは、およそ月額8000円だ。

では、新料金プランの選択肢はというと、毎月7GB以上は確実に使うため「ギガホ」契約、さらに公私ともに通話は使うため「5分通話無料オプション」の契約もいる。合計すると6980+700=7680円。

現行プランと比べると、ざっくり300円の値引きになる計算だが、実際は従来プランでは月1800円引き相当の月々サポートを受けている。だから、6月の開始と同時に新プランに移行してしまうと、月額で差し引き1500円ほどの値上がりとなってしまう。

使えるデータ量は月20GBから月30GBに上がるとはいえ、年額で1万8000円の値上がりは割に合わない。だから、(この筆者のケースでは)「月々サポートが終わる」まではこのプランを続けた方がトクだということになる。

ドコモ光

「みんなドコモ割」と「ドコモ光セット割」は新料金プランユーザーを対象に同時適用になる。

例外としては、親族の中で誰か一人でもドコモ光の契約を持っている場合だ。「みんなドコモ割」に加える形で、500〜1000円の割引を受けられる「ドコモ光セット割」が適用される。この2つの割引だけで最大割引額は1人2000円となるため、家族にドコモユーザー、ドコモ光ユーザーがいるケースなら、一考の価値はありというわけだ。

5月末までに高額な月々サポート、docomo withを狙う手もある

docomo with

2年以上同じ契約を続けるのであれば、5月末までにdocomo withを契約するのも、月額料金を安くする方法ではある。

出典:NTTドコモ

家族構成によっては安くなる新料金だが、新料金開始前の5月末までに、あえて現行プランを選んだ方ががおトクになるケースもある。例えば、「ある程度高額な割引があるケース」だ。

一例として、5月31日までにドコモのオンラインショップで、約1年前に発売した「Galaxy S9 SC-02K」を購入した場合、端末代は期間限定の「SPECIAL特典」を適用して9万4608円、月々サポートは毎月3510円(最大24回)となっている(実質1万368円、いずれも税込)。

また、購入時の端末は中スペック程度のミドルレンジ機に限られてしまうが、契約を維持しつづける限り毎月1500円引きとなる「docomo with」も、2年以上の長期利用を想定するなら結果としては安くなるだろう。

最新iPhoneなど「高性能スマホ買い換え促進」施策は今後発表

ドコモ吉澤氏

端末料金の補助などに関して考えを述べる吉澤社長。

まとめると、ドコモの新料金プランは、構成としてはシンプルになったものの、現在の契約内容や親族の契約内容により、おトクさは上下する。そのため「誰でもおトクなプラン」とは言い切れない

また、新料金プランは購入する端末に関連しない、いわゆる「分離プラン」になるため、端末によって通信料金が割引される月々サポートやdocomo withは5月末をもって提供終了になる。

そうなると、とくに月々サポートの額によって買いやすい「実質負担額」にしていた高価な最新のハイエンド機種は自然と買いにくくなると予想される。

しかし、この懸念に対し吉澤社長は質疑応答の中で「(最新のハイエンド機種を好むような)お客様には何らかのお求め安いような工夫をしていきたい。分離をしたからといって、(完全に)端末の補助がなくなるわけではない」と、含みを残した発言をしている。

今回の新料金発表会ではその「工夫」の詳細は語られなかったが、同社は「新製品発表のタイミングで公表していきたい」と方向性を示している。

(文、撮影・小林優多郎)

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